背中

　　　背中

今朝いちばん早く起きたのは、
イルカやクジラではなく、

象の爪を
磨きに行くというウズラでした。

「いつもこんなに早起きなのかい」
とまだ寝足りない僕が言うと、

「爪を磨くのに、
時間がかかると思ってさ」

と言いました。
「マンモスのように、

大きな牙があったら、
たくさんの時間がかかっただろうね」

「あっ午前中に、
用事があるって言ってたよ」

と僕が言うと、
「それなら馬の爪を、

その前に手伝いに行こう」
「こないだ水辺まで、

背に乗せて連れてってくれたんだ」
「僕も、

町まで乗せてってくれた
お礼をしなくちゃ」

「お昼前に、
たてがみをとくのを

手伝いに行こう」
「それから象の家に行く」

「じゃあ象の家でまた会おう」。