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思い出

   思い出


校庭の隅から出てきた陶磁器には、
もうすでに作品名が記してあって、

その物があまりに美しいので、
わたしたちは、

五年生のときの一年間を、
その陶磁器に記してあった名前で

呼ぶようになっていました。
もちろん先生は

「それは違いますよ」
とその度に言いました。

けれどみんなは、
背くつもりはないのですが、

まだそのように
呼んでしまうときがありました。

けれど先生は
「私たちが五年生だった頃」と、

他の先生や
発表場所などでは言っていたので

安心していました。
「みんなで勉強して推測して、

氷河期前は、
此処に町が在った無かったと、

意見が分かれるときがあったり、
みんなで驚き喜んで学んだ日々の事を、

その発掘した
陶磁器に記してあった名前で、

先生は今でも
ありありと思い出すことが出来て、

生徒たちに、
大切な思い出を贈って貰ったなあ」

と言っていました。


良い文章を作れるように、 作るために、 大切に使わせて頂きたいと思います。