ふえるわかめちゃん脅威論
ふえるわかめちゃんって何なんだろう。疑問に持つところから始めたい。まず「ちゃん」っていうのがおかしい。ちゃん要素ないじゃん。乾燥わかめじゃん。ちゃんっていうのはさ、可愛い系の印象を与える言葉だよね。だけど乾燥わかめに可愛い要素なんてない。インスタントの味噌汁に浮いてるわかめを見て、「あっ可愛い❤️」なんて思うはずもない。そこに「ちゃん」をつける厚かましさ、理研ビタミンは只者じゃない。ちなみに理研ビタミンっていうのは販売元ね。
妖怪ウォッチにワカメくん、コンブさん、メカブちゃんっていう妖怪がいる。
海藻を擬人化して、「くん」や「さん」や「ちゃん」をつければ、そんなに違和感がないってこと。ふえるわかめちゃんもその系譜か! と言いたいところだけど、ふえるわかめちゃんに擬人化したキャラクターはいない。ただの乾燥わかめ。からっからに干からびたわかめ。じゃあ、サザエさんか。国民的アニメサザエさんか。カツオの妹であるオカッパのワカメちゃんのイメージに乗って、安易にちゃん付けにしたということか。そんなことが許されるのか! 許されていいのか!😡
まあどうでもいいや。実際はこれだしね。
ところで、ふえるわかめちゃんは水につけると10倍に膨らむらしい。10倍というと結構な数字だ。10倍馬券なんてなかなか当たらないし、10倍株なんて夢のまた夢。10倍というのはすごいのだ。皆さんご自慢のおちんちんだって、大きくなっても10倍には届かないでしょうね😎 あなた、乾燥わかめに負けてますよ。
乾燥わかめは膨らみすぎるあまり、検索すると死亡事故という検索候補が出てくる。乾燥わかめをドカ食いすると、お腹の中でワカメがすくすく大きく育って、やがて窒息死するんだそうな。マジかよおっそろしいなあ😱 もちろん都市伝説だけど。
実際に試したYouTuberの動画が色々上がってる時点で、死亡事故が起こってないことが証明されている。だけど、やるとお腹が気持ち悪くなるらしいから、まともな感性を持った人は試さないだろうけど、注意は必要だね。
さて、10倍にふえる乾燥わかめというのはなんか面白そうな存在だ。例えば1キロのふえるわかめちゃんに水を十分ぶっかければ10キロにふえちゃったわかめちゃんになる。1トンのふえるわかめちゃんは10トンのふえすぎちゃったわかめちゃんになる。簡単な算数の問題だね。
ここから科学技術が進歩していって、乾燥わかめの水分吸収効率が爆増して、空気中の水分を吸収できるようになったらどうだろう? 梅雨時に一袋ふえるわかめちゃんがあれば、嫌なジメジメを解消できるようになる。その後わかめを食べればエコだ。みんな大喜び。一家に何袋もふえるわかめちゃんが配置されて、それどころか日本中のあらゆる場所にふえるわかめちゃんが配置されて、梅雨時の不快感を撲滅する勢いでふえるわかめちゃんが売れていく。
これに笑いが止まらないのが理研ビタミンだ。爆売れに次ぐ爆売れ。会社に金がどんどん入ってくる。会社は成長し続けて、ふえるわかめちゃんは改良を続け吸収性能はどんどん上がっていく。乾燥が必要な場所にはふえるわかめちゃん。理研ビタミンの勢いは日本に留まらず、世界中から不愉快な湿気を取り除くためにふえるわかめちゃんが拡散されていく。そして投入された最終兵器、研究に研究を重ねて作成されたふえるわかめちゃん。名前は同じだが性能が段違いだった。無限に水分を吸収し増殖できるわかめ。これこそが理研ビタミンの本命、本来の目的だった。
一袋置くだけで無限に湿気を取り除いてくれるふえるわかめちゃんは、世界中のものぐさな人たちが買い求めて設置し、湿気を無限に取り除き続けた。体積を増し続けた。気がつけば、たぷたぷに水分を吸ったふえるわかめちゃんが人間のスペースを圧迫し始めて、ありとあらゆる水分を吸い込み始め、さらに巨大化していく。昔の10倍なんて可愛いぐらいだ。無限倍だ。水分があれば永遠に増え続ける。無限ふえるわかめちゃんは海の水も、川の水も、水道水も、それどころか、ふえるわかめちゃんを処分しようとする人間の水分、血液さえも吸収した。殺人わかめである。
もはや止められない。ふえる。どんどんふえる。ひたすらふえる。ふえるわかめちゃんは地球から水分を全て吸い尽くす勢いで増殖し、人間も動物もありとあらゆる生物の存在も許さず、水分を吸い続ける、勢力を拡大し続ける。地上も海もあらゆる場所にふえるわかめちゃんが拡大し、人間が作り上げたありとあらゆる建物の上まで、エベレストの頂上に至るまで、水分たっぷりのわかめで満たされた。水の星といわれた地球はもうどこにもなかった。わかめの星。たぷたぷわかめの星。最終的にそうなった。
理研ビタミンの野望は達成された。いったい理研ビタミンとはなんだったのか。何が目的だったのか。なぜこんなことをしたのか。人類を、生物を滅ぼした先に何があるのか。それを知る者はもういない。誰も生きていない。わかめだけがそこにあるのだ。