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aoi_tachibana
2022年1月28日 00:50
太陽の下では癒されない傷を、夜の闇なら包み込むなんてまやかしだ。すべてを白く染めて隠してしまう雪と同じく、闇はその黒の中に傷を隠すにすぎない。視界から隠れ、自らでさえ見えなくなっても、痛みは鋭く、時に鈍く神経を伝う。そこになおも痛みの元凶が居座ることを愚直なまでに主張する。闇の中に誰かがいること。だから不安。あるいは誰もいないこと。だから不安。頼りとなる人が寄り添うこと。だから安心。