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オススメしたい創作大賞投稿作品「月を隠して」

 さて本日もオススメ作品について語らせて頂きたいと思います。

 作者様・逆倉青海 様の「月を隠して」です。

 この作品は大きく4部作に分かれておりますが、何とも登場人物と展開が違うのでここでそれぞれの魅力について語らせて頂きたいと思います。

 個人的にこの作品において一番最初に読むはずのプロローグは好きではないので第一章から最後まで読んでからプロローグに飛ぶのを特にオススメしたいです!!!きっちりと最後まで読んでからプロローグを読むと私のこの感想の意図が伝わると思います。
 あくまで批評ではなく、本当に最後にプロローグを読むとああそういう話なのか・・・と分かると思います。

★第一章
 高校生主人公「小日向 薫」くんが主人公。俗にいうクラスに一人はいるだろう、ちょっと根暗で自分からは発信しないけど、脳内では色々とストーリーを展開している地味な陰キャ。

ちょっとまて、私のことか!? この主人公の脳内うるさいってのはかつての私(笑)それくらい当時の自分とリンクしました。

 しかも初恋は「一目ぼれ」うんうん、すっごくわかる。私も当時陸上部の同級生に声かけられなくて木陰から見つめる3年間だったな。唯一楽しみがビーストウォーズの話で盛り上がる瞬間のみ。彼はよく話しかけてくれたのに、私はまじで陰キャだったから目も合わせられなかった。

また話がそれた・・・真面目に書きます。

 この時代に合わせてSNSでやり取りするごくごく令和な少年たちの青春です。しかし、登場人物の名前が非常に複雑なので、メモを取りながら読んでください。私は2週しましたが、A5の紙4枚でいろいろ記載して読みました。

 簡単に人物に触れると・・
主人公:小日向 薫→陰キャ(褒め言葉)
    月地雅兎(読み方は作品みてね!)・・薫の一目ぼれした女性
    吉良秀人・・陽キャ、サッカー部
    江藤隼汰・・陽キャ、野球部。丸刈りじゃなきゃモテる
    岸上桃李・・陰キャ、軽音部。名前からモテるなと思ったらさっさとリア充
    月本冬乃・・陽キャ、図書委員
    風上静 ・・茶道部、趣味全開のシーンでキャラ崩壊してた
    鳥形夕乃・・この子あまり印象ないすみません。
    花野優子・・吹奏楽部、リア充に跳ね上がる。

これだけでも人物多い!!!!しかもまだ第一章やで!?
だからメモ必須なんです!でもこれを消化しつつ読むと学生時代に戻った気分になれます。
 私は最初に触れましたがガチ陰キャで、小日向くんの数百倍コミュ障でしたので、こういう青春ものは大好物です。私が書く作品で主人公があまりいい青春話がないのは、自分が非リア充だったからですね。。。。
 なので、こういうキラキラした青春物語を見るととても参考になりますし、面白いです!

 しかしひとつだけ言いたいのは、作者様は間違いなく「章」に対してのこだわりがあるので、ひとつの章がとてつもなく長いです。
 展開は学生の青春風景なので、

テスト→イベント→テスト→イベント→テスト→イベント集大成→卒業

って感じで物語が進みます。その合間合間に物語に対する月としおりに関しての伏線回収があるのですが、残念なことに携帯ユーザーさんはそっとパソコンを起動することをお薦め致します。ちなみに私も携帯で一週目読んでおりましたが、あまりにも長くて読み込みが追い付かず、途中のスクロールが暴走してがっかりしました。そんで久しぶりにポンコツPCを起動して現在に至るわけです。ああ打ち込みがめっちゃ楽・・・!!

 一番好きなシーンは幾つかありますが、文化祭での江藤くん姿は必見です。私こういうの大好きです(気になった方は本編見てね)

 描写はもちろん月がターニングポイントなので、背景を彷彿させるものが多いです。田舎に帰りおじいちゃんとの会話やお兄さんの部屋に立ち寄るシーンで窓辺から月を見上げて今日は〇〇だ・・と感じ取っている部分が繊細に表現されているなと思います。

 一章のラストがあまりにも衝撃的で「は?」となりましたが、この作品、よく見たら恋愛ではなくSFなんですよね。だからか?と思って次を覗いたらなんと2章からキャラがまるで違う!!!慌ててボールペンでまた人物相関図を作りました。
(一章の伏線回収は最終章で行われています。気になった方は一章から最終章を読むと理解できますね)

★第二章

 思わずぶったまげた人物相関図パート2。こんなにキャラを全交換しなきゃいけないのか・・というのが正直な感想でしたが、後半になるにつれて主人公(月島 透)の症状に涙しました。
 第二章は一話で纏められているので正直読み切るのはえぐいです。でもそこに至るまでの過程と、最後のシーンは涙なくは語れません。
 それもこれも私が本職でこういう方を2000人以上看てきたからなのですが。
 最後の月島くんのシーンはぜひともハンカチ片手に読み切ってください。
 一章と二章のキャラ名前が違うのは意味があるんだなあ~と思ってましたが、どうでもいいホシセンが一番印象に残っております(明らかにモブなんですが、大事なこと言ってるw)
 私は学生時代暗黒でしたので、この時代にこういう先生に出会っていたらもっと性格がよくなってたんじゃないかな・・と第一章、第二章のキャラに対してうらやましい限りです。

★第三章

 完全にネタバレになってしまうので、読んで「お!」と思ってください。
 第三章の主人公は第一章の未来(孫)名前も未来っておシャンティですよね。トウハ(あえてカタカナ)の伏線回収はすいません理解できなかった・・最後の「夜明けを待つ」の部分が綺麗にまとまってて超好き(語彙力ねえ感想ですいません・・・)

★最終章

 これは語らずとも第一章の後に読むと繋がります。まさかのここで伏線回収。しかし私は大学に行ってないのでこういう大学青春ものも大好物です(二回目)
 すさまじく自分にないものが出ていたので参考に・・(コラ)
 弓張り月が口角をあげているように見える
 なるほど、自分で早速ボールペンで書いてみましたが、確かに。
 しかし気になるのが彼女の名前の伏線回収。私の予想では雅兎の方が伏線になると踏んでいたのにこっちか!!といい具合に裏切られました。

 どんな作品でも読者をいい意味で裏切るものは「お!」となります。

 私の尊敬する小説の相棒が常日頃言っているのは「期待をいい意味で裏切りたい」展開を書くことに命を削っております。
 残念ながら全ての伏線回収までに至りませんでしたが、こちらの作品を読んでもし私が回収できなかった作者様の伏線回収が出来た時、もっと心地よい気分で読み終われるかと思います。

 ここまで複雑な名前にしておいて、まさかこれが無意味というわけはないはず・・・


というわけで、もう一度オススメ作品のアドレスぺたりしておきます。

 逆倉さま、素敵な青春時代を思い描かせてくれる作品をありがとうございました!!


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