古事記の神話 #002(藤沢 衛彦)
二 神世七代
天地が開け初めた時に、高天原に生り出でた神は、
第一に 天之御中主神
第二に 高御産巣日神
第三に 神産巣日神
の三柱である。此神々は、皆配偶のない独神であるせられて、其後、御身を見えぬやうに隠し給うた。
国土未だ定かに成りととのはずして、恰も脂の浮いたやうに、丁度海月の漂うて居る状であつた時、蘆の芽のやうに萠え出だせしから、成らせ給うた神は、
第四に 宇麻志阿斯訶備比古遅神
第五に 天之常立神
である、此二柱の神も亦同じく独神で、其後やはり御身を見えぬやうにお隠しなされた。
上の五柱の神を別天神と申し上げる。
其次に成らせ給うた神は、
第一に 国之常立神
第二に 豊雲野神
で、此二柱の神も亦独神で、お身を御隠しなされた。其次の神はいづれも配偶の神々で、
第三に 宇比地邇神、女神は須比智邇神
第四は 角状神、 女神は活杙神
第五は 意富斗能地神、女神は意富斗乃弁神
第六は 淤母陀琉神、女神は阿夜訶志古泥神
第七は 伊邪那岐神、女神は伊邪那美神
以上国之常立神から伊邪那美神までを神世七代と申し上げる。(上の二柱の神独神で各々一代と申す。次の十桂の神は、二柱づつ御夫婦であらせ給ふが故に、各々二柱をば合せて一代とする)
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