知っトク!「○○及びその化合物」の調べ方
全部リストアップしてくれよ!
化学物質のリスクアセスメントを進める中でいくつか壁にぶつかるかと思いますが、その中でも「○○及びその化合物」系が厄介だと思っています。
一体全体、これはリスクアセスメントの義務なのかそうじゃないのか、ということはリスクアセスメントを進める上でとても重要です。なのに、「○○及びその化合物」系はCAS番号を列挙してくれないので、「リスクアセスメントすべきなの?」と混乱してしまいます。
厚生労働省はリスクアセスメント対象物をリストにして公表していますが、「CAS番号はあくまで参考として示しています」というスタンスです。(リストはこちら👇)
リストをExcelでまとめてくれているのはいいのですが、ところどころ「*******他」というように誤魔化している部分もあります。「全部リストアップしてくれよ!」と叫びたくなります… (そういうとこやぞ!)
自分で調べるっきゃない!
政府が教えてくれないなら、自分で調べるしかありません。まず、こちら👇のページにアクセスしてください。NITEっていう、化学物質のデータを集めてくれている機関のページです。
中間検索結果 - NITE-CHRIP (NITE 化学物質総合情報提供システム)
例えば、「クロム及びその化合物」を調べたいとします。「別表第9の142」の左側にある▶マークを押してみてください。
そうすると、「クロム及びその化合物」の内訳が分かります。あとはこの表をExcel化して、自社で使っていないか検索して、クリエイトシンプルなどで評価して…とすればいいわけです。
世に出回っている化学物質はリスクアセスメントすべき!?
ちゃぶ台を返すようでなんですが、正直なところを言うと、「この化学物質はリスクアセスメントすべきなのか?」と考えること自体、無駄だと思っています。
今回の法改正で、リスクアセスメントの義務となる化学物質がどんどん増えていくことになりました。現時点で分かっているだけで2,300種類です。今後もその数は少しずつ増えていきます。
つまり、「流通している化学物質はいずれリスクアセスメントの義務になる」といっても過言ではありません。
【余談】有機則フリーという唾棄すべき謳い文句
蛇足ですが、言わずにはいられません。世の中には「有機則フリー」とか「特化則フリー」という謳い文句があるようです。これまではそういった謳い文句が機能していたのかもしれませんが、今回の法改正で無駄な努力に終わってしまいました。(完全に無駄とは言いませんが…)
「有機則に該当」=「危ない」、「有機則に非該当(有機則フリー)」=「危なくない」という図式を作り上げたメーカーの責任は重いです。こういうメーカーに限って、SDSの記載内容が杜撰だったり、古いままで更新されていなかったりします。
「化学物質」=「危ないかも」という原点に回帰すべきなんだと思います。
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