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古事記の神話 #009(藤沢 衛彦)

九 火の神

 さて次に、二柱の御神は、火之夜芸速男神を生み給うた。此神はまたの名を火之炫毘古神と申上げ、また火之迦具土神とも申上げる。此御子を生み給ひしために、女神は陰処に火傷をなされて病臥せられた。苦しんで吐き散らされた物から生れ給うた神は、

  金山毘古神

  次に金山毘売神

 それから、その屎から生れ給うた神は、

  波邇夜須毘古神

  次に波邇夜須毘売神

 また尿から生れ給うた神は、

   弥都波能売神

 次に和久産巣日神である。此神の御子を豊宇気毘売神と申しあげる。

 伊邪那美神は、火の神を生み給ひし故に、遂にお死亡なされた。(天鳥船から豊宇気毘売神まで、併せて八柱の神がある)

 (凡て伊邪那岐神、伊邪那美神が、共に生み給うた島の数は十四であつて、神は三十五柱である。これは伊邪那美神が、まだお死亡にならぬ以前に、生み給うたのである。ただ意能碁呂島だけは、生み給うたのではなく、また水蛭子と淡島とは御子の数には入らない)

#010 へ続く(👈リンクあり)

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