教育のゲーム

ドッチボールのコートの中に、8脚の椅子がバラバラに点在しています。向きも揃っていません。

そこに8人の子どもが座っています。
子どもたちの服には肩や背中に的のようなものがついています。みんな帽子をかぶっており、その帽子にも的がついています。

「これから行うゲームの説明をします」
「ルールは簡単、立ち上がってタッチされた人はアウト。コートから出てください。
タッチする場所は危ないので的のあるところにしましょう。
座った状態では触ったことにはならない。
最終的に椅子に座っていた人に勝ちです。」
「それでは始め!」

 子どもたちは一斉に立ち上がり、他の誰かをタッチしに行きます。うまくかわす子、同時にタッチしたと主張する子。
 しばらくして笛が鳴り、4人の子どもは座り、4人の子どもはコートの外に出ます。


 気づきましたでしょうか?

 全員が勝つ方法があったことを。

 そう、立ち上がらないことです。

 いつも競争の中で生きていくわけではありません。競い合い、高めあうことはいいことですが、争う必要がない時もあります。その方法をどこかで気づいて欲しいのです。

 しかし競い合い、争う必要がないわけではありません。
 上のゲームで、座っているだけの全員の勝ちに気付いたとしましょう。それでも争いを起こすことができます。

 賞品を出すことです。

 ここで賞品の出し方を工夫しましょう。
 (お金が1番分かりやすいですが、子どもには使いにくいかもしれません)
 
 1000円の報酬が与えられるとしましょう。
 
 争いが始まるでしょうか。
 それとも125円ずつ分けるでしょうか。
 中には4人になる場で絞って250円ずつ分けるかもいしれません。

 お菓子一袋ならどうでしょう。

 最初から分け合うでしょうか。

 賞品によってどう争うのか。そしてその差は何なのか、最後に話し合います。
 子どもだけでなく大人にもやってもらいたいゲームです。

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