クラフトマン・エプロンつくってみた。
今回のエプロン製作についての詳細説明です。洋裁慣れしてる人は特に読まなくていいと思います。素材選定やデザインなど私なりのこだわりばっかり書いてるので蘊蓄ぽいのが苦手な人は型紙だけ参考にしてみてください。
はじめに
というわけでFF14のクラフトマン・エプロンを製作させていただきました。
こんな風に正式に『依頼』されて衣装を作ったのは生まれて初めてで非常に緊張しました…!
お話をいただいたときは『えっ…私でいいの!?ただの趣味でやってる素人レイヤーだよ…えっ…えっ…』という不安でいっぱいでした。
というか最初はけいさんだけが着るんだと思ってて、よしPが着るって気付いてなくて…
気付いてから更にびっくり&緊張で…本気で私でいいのかって思いました。
ご存じの通り、今やFF14は世界的に超人気なMMORPGになってしまったわけです。新生直後の野良よしPはもういないのです。(出典:新生直後のニコ超FF14ブースでチャラ男に話しかけられたと思ったらよしPだった件)
14を立て直した『神』に私の作った衣装を着てもらうなんて…まままじでまじでいいのかしらららららrrrr錯乱って感じでした。
誰も興味ない私のメンタルの話は置いといて。本題に入りましょう。
素材の選定
配信で着用する&畳んで送付する、ということで見栄えが良くてシワになりにくい素材にすることにしました。
エプロンの素材についてはこちらのサイトが非常に分かりやすいので製作される方は参考にするといいと思います。
私の場合衣装で作り慣れてるツイルを使用しました。ツイルにも沢山種類があって、厚みや質感が違います。家庭用のミシンで縫いやすくて厚みがあまりないポリエステルツイルをチョイスしたのは裏地も付けるからです。あと長さがあるので重くなるのを避ける理由もあります。
厚みが欲しい場合、1枚で厚みを出す方法と2枚(表地と裏地)で厚みを調節する方法があると思うのですがわたしは2枚で調節する方法が好きで普段の衣装作りもいつもそうしています。質感と厚みの両立が可能なのでオススメです。
裏地の種類も沢山ありますが色味が合っていればどれでもいいと思います。静電気が発生しにくい組み合わせとか色々あるので気になる方は調べてみてもいいかも。科学苦手…。
てか、お気づきの方もいるかもしれませんがツイル&キュプラて…吸水性能ぜんっっっぜんないんですよ!!!なのに!!!放送ではよしPめちゃくちゃ手拭いてて!!!己のバカ!ってなりました…泣いてたよ、わしゃ…。
そんなことならもうちょい吸水性ある素材にすればよかった…。てっきり、えどさん”かけいさんがタオルとかをそれこそ『メス!』みたいに手渡しするんだと思ってました…。反省。落ち込んでも仕方ない。次に活かしていきましょう。前向いてこ。前。
接着芯は昔は多様していましたが最近はあまり使わないようになりました。私の場合、衣装に『しなやかさ』を求めてしまう傾向があるので貼れるタイプの接着芯だと種類や厚みによっては不満が出てしまうのです。
接着芯もめちゃくちゃ種類があるので突き詰めると頭がおかしくなります。手芸店で一番売れてそうなものを買っておけばいいのだ。(考えることをやめた)
でもまぁそれなりに強度がほしい場合は便利なので一番薄手なものを利用しています。襟とか立てたいな~ってときは2重にしたりします。※実際襟によく使うのは透明ファイルだったりするんですけど。
角カンはデザイン上必要なので使用しています。めんどくさいので省略推奨です。作る人しか見てないんだよね…結局…。デザイナーさんですら『そんな部位あったの?』って聞いてくるくらいですからね…(出典:腕の装飾玄関に忘れてきたのにコスプレコンテストで最優秀賞取って後でデザイナーさんに全然気付かなかったって言われた件)
リュックカン(っていうんですね、これ。記事書く為に知った。コキカンとも言うらしい。てかこーいう部品の名前ってマジで知らなくて調べるとき困る…)については不要です。はい、不要。
なんで材料にあるかっていうと、けいさんは女性だし頭の装飾とかあるかもだし髪型のセットを崩したくないだろうな…っていうことで首の紐を長くして調節できる方がいいだろうな…という配慮です。あと、よしPも髪型ばっちりセットしてくるだろうしエプロン付けるときに髪型崩したら絶対悪態つくじゃないですか…(偏見…?いや、実際アデランスのヨシッテウィッグ製作の時キレてたし(笑)
というわけで首紐の長さはご注意ください。長さ調節用の寸法になってます。普通に使うだけならマイナス20センチくらいで大丈夫です。ご自身で長さは調節お願いします。
さて。最後の一番重要なところ。胸のチョコボプリント。
『これが一番ほしいんだよ!』って言われても著作権があるので配布できません。スクエニさんに要望出しましょう…。エプロン製品化もいいけど、このチョコボマークのステッカーとかアイロンプリントとかワッペン系ほしいですよね?ほしくない??大きさ違いで。トートとかに貼れるし。いろんなのに貼りたい…貼りたいです…。
アイロンプリントにする場合は、白のエプロンか黒のエプロンで製作することをお薦めします。なぜなら。
周りの足跡が非常にめんどくさい!!!!!!!!
等間隔で並んでいるので個別で切り抜いて貼っていくと絶対ズレるし、1つに繋げて切るときに他の色味だと布と合わないと思うんですよね…。なので他の色で作るときや繋ぐ円が嫌だっていう方はステンシルをお薦めします。
PCがあってプリンターがあってアイロンプリントできる環境ならプリントがお手軽でお薦めです。ステンシルは地味に手間がかかるし、4色の染料を買う必要があります。刺繍できる人は刺繍してほしいですね。最高にかわいい…。刺繍いいなぁ…わたしもしたかった…。(納期も予算もあるので断念)
黒い布で作る場合は、黒布用とか濃色用のアイロンプリントシートを使ってください。はがきサイズだと小さいのでA4サイズをご利用ください。メーカーとか種類で質感が違うのでこだわる方は大き目な家電量販店でちっちゃいサンプルを触れる売り場で選ぶといいです。
デザインについて
コスプレ衣装作りで一番重要なのが全体のバランス。(だと私は思ってます)2次元体形をリアルの3次元に落とし込むのってめちゃくちゃ大変で、特に私みたいな一般体形だと本当に苦戦します。
今回のエプロンはシンプルながら市販してるエプロンにはない部分が沢山あります。例えば腰ひもですが、このクラフトマン・エプロンは(着てる人から見て)右側の紐が裏側を通ってます。後ろのクロス部分も三角状に布が重なりあってたりボタンがついてます。
ただ、今回は『着やすさ』を重視してこの3点は省略しました。え、めんどいからって?まぁそれもある。3着作るしね…。納期もあるし(言い訳
こだわりたい方は是非この3点も再現してみてください。ただ、黒布で作ると多分写真に写らない…というかほぼ見えない…し気付かれません(笑)
気付かれないようなところにもこだわれるのが自作レイヤーのいいところであり、時間泥棒な部分でもあるわけです。誰も見てない…だが私だけは知ってる、分かってるぞ、お前のこだわり。好きだ。
話を戻して、今回のエプロンですが両脇の曲線部分は特に目立つのでここのバランスが一番大変でした。体に沿わせて曲線を出すためにダーツを入れるか分離させるか悩んだのですが、結局下の前スカートの両脇を上げるという解決方法に落ち着きました。
プロのパタンナーさんならどんな型紙にするんでしょうね…。14公式から型紙集出してほしい…。どの装備も凝ってるから簡単そうに見える衣装でもパーツだらけでカオスになりそうだけど…え、需要??…私にはあります!!!!
あと地味に重要な『ウエスト位置』。
着物の基本、女性はおへそ・男性は腰、っていうアレです。ゲーム内だと一緒のデザインで腰寄りで紐を結んでいるんですが見栄えを考えると女性はおへそ位置で縛った方が絶対かわいい!ていうか、前述した3次元での衣装となるとおへそ位置の方がバランス良く見えるんですよね。てか、けいさんが着るんだからみんな女性らしいプロポーションの方が見たいだろ!エプロン着てるけいさんに萌えるだろ!?っていう私の欲望が詰まってます。すいません。ほんとにすいません。けいさんお願いだからこんな私を嫌いにならないで…。
けいさんは3次元の人間ですが、ものすごい2次元体形なのでゲームのデザインに寄せても良かったんですけどね…。実際に着て衣装合わせとかしてたら色々変わってたかもしれませんね。とりあえず今回の型紙は一般体形の一般人向け()になってます。ご了承ください。
男性のデザインは腰で紐を結ぶものにしてます。やっぱり腰履きしてる男性エプロンはかっけーよな!!!!!!!な!
放送中にもけいさんが話してた靴の話なんですが…。わたし、てっきり全員並んで遠くから撮影すると思ってたんですよね(笑)
なので全身入ると思ったら全然画角に入ってなくて…。身長とのバランスの心配しなくて良かったみたいですね(笑)
でも…もしかしたらまた着てくださるかもしれないし…。身長に合わせてデザインしておいて良かったと思う日が来るかもしれませんね。
このクラフトマン・エプロン、かなり長めなんですよね。実際着たらちょっと邪魔では?ってくらい長いのでちょい短めに設計しました。この長さであの広がりになるとワイヤー入れたりパニエ入れないと再現できないです。実際は布の重みであのラインは出ません。衣装作りはいつだって重力との闘いです。まじで。
ワイヤー入りのエプロンとか、全く実用的じゃないのでちょい短めにしました。素材も使用したものだと重さであそこまでの広がりは出ません。全体のシルエットを気にする方はそこらへん気にして材料を変更してみることをお薦めします。多分誰もやらんと思うけど。
製作方法
製作過程を動画にしてまとめよう…と思ってた時期が私にもありました…。まぁつまり諦めました(笑)
機材もないし、スマホだと長時間録画できないし…動画系ユーチューバーでもないし…。動画撮れるカメラ買うなら布がほしい族なので。
というわけでめちゃくちゃ分かりにくい文章解説です。文才ないし、説明ベタなので覚悟してお読みください。
①布を切る
型紙を見て切ってください。図にもちょろっと書いてますが『わ』にして切ってくださいね。両脇以外は直線だらけなので簡単だと思います。まぁ実際直線に切るって大きくなればなるほど大変なんですけどね…。広いスペース必要だし。広い工房がほしい。
②接着芯を貼る
首紐2つ、腰紐×2、前身頃に接着芯を貼ります。首紐と腰ひもは半分の幅で貼って縫うとき縫い代の目安にする方法がオススメです。前身頃は首紐の金具がつくのでその補強とチョコボ柄がくたっとしない為にちょっと張りを持たせるのに貼っています。
サイズはそれぞれ
・首紐 ①4×68cm ②4×3cm
・腰紐 3×93cm 2枚
・前身頃 28×10cm
・ポケット 15×17cm 2枚
で貼りました。※女性サイズの場合
③縫い合わせていく
私はロックミシンを持っていないので表布・裏布戦法をいつも採用しています。2枚重ね戦法だと厚みの調節も自由自在だし、端の処理しなくていいのでほんと楽です。ただ大嫌いな布の裁断を倍やらなきゃいけないという苦痛…(下記画像参照。裁断がこの世からなくなればいいのにっ)
…両方をどうにかできる方法はないのか…?ロックミシン買えって?置く場所の土地貰えますか…?是非お願いします。
2枚切るのがいやだ、端処理ならまかせろ!という方は1枚にして縫い代処理する方がいいと思います。(その際は寸法に注意!縫い代を増やしてくださいね。)「三つ折り処理」や「バイアス処理」もありますのでお好きな方法でどうぞ。三つ折りだと布地の厚みによっては家庭用ミシンでは危ない可能性もあるので初心者の方はちょっと調べてみてからの方が安全です。(角の処理が特に)
④首紐について
まず首紐を作ります。L字型に縫って裏返してアイロン。首紐①をリュックカン(コキカン)に付けて長さ調節できるようにします。真ん中の棒に縫い付けてから角カンを通してまたコキカンを経由します。やり方はこちら。
首紐②を角カンに通して2つ折りしたら首紐部分は完成。①を㋑に、②を㋒に下向き(最後裏返すため)に縫い付けます。方向注意。
※素材のところでも記載しましたが、首紐のこの工程は長さ調節が必要でない方は省略してください(裁断寸法注意)。コキカン地味に重いし(プラスチックの素材のものを利用すると軽くできます。ただすべりが悪くはなります。)邪魔だよ~っていう方もいると思うので…。
⑤腰ひもについて
こちらもL字型に縫って裏返してアイロン。㋐を㋐に、㋐’を㋐’に縫い付けます。方向は内側を向くように。裏返すので。
⑥ポケットをつける
ポケットはゲームに準拠すると立体なのですが、立体かつ表から縫い目が見えないように縫うのは想像以上に大変です。大変でした。
立体にこだわりがない人は普通にポケットを付けることをお薦めします。立体にしたい人は片側をミシン、片側を手縫い、下側を上からミシン、で処理しましょう。めんどい。
⑦前身頃と前スカート合体させる
前身頃下側と前スカート上側を縫い合わせます。中央から縫っていくのをおすすめします。なぜならちょっとの裁断のゆがみで左右にズレが生じるからです。型紙のせいではない。断じて。(実は長さ適当に書いてます。
⑧裏表を縫い合わせる
やっと完成が見えてきました!ヤッター
表布と裏布を表裏で縫い合わせます。手順としては、⑦で縫ったところ以外をぐるっと全部縫ってしまい、⑦のところからひっくり返し、アイロンをかけて最後に⑦を縫い合わせます。
⑨チョコボつける
さて。山場であり一番重要であるにも関わらずめちゃザックリ説明になってしまう著作権的なアレです。
スクリーンショットを用意して、イイ感じに描いてください。~完~
だと流石に味気ないので、私の場合…になりますが。
スクショをそのまま印刷、だとさすがに画質が合わないしガビガビになるので(8Kとかだとどうなんだろう…可能なんだろうか???)いちいちフォトショ的なもので書き直してます。
お絵かきソフトならなんでもいいのですが私の場合はクリップスタジオさんを愛用してます。クリスタの前はオープンキャンバス愛好家でした。ない人はね、saiとかね。好きなので描いてください。設定はこんな感じ。
私はいつもSSを下書きにしてリアルサイズに変換→直線描写ツール・曲線描写ツールで描いてます。パスとか扱えればいいんですけどね…勉強したいですね、いい加減…。つい…慣れた方法でやってしまうのです。
あと下のエオルゼア文字ですが。今回は極秘任務()だったので使えなかったのでちまちま手書きしたのですが、ゲレさんが配布されてるフォントを利用すると楽に描けると思います!FF14フォント界の権威に敬礼。(利用規約にはご注意ください)
出来たら印刷してアイロンでペター。
先述したように、ステンシルにしたい場合は印刷→ステンシルシートに写す→切り抜く→ステンシル、っていう手順ですね。
ステンシルについては布用スプレー、セタカラー、ファブリックメディウム併用アクリル絵の具…なんかがありますね。なんかそこらへん昔ブログに書いた気がするけど思い出せない…書いてないかもしれない。
印刷の場合、こんな感じで足跡は輪で繋がってます。苦肉の策すぎる。まぁパっと見わからんのでヨシ!
切るとき楽になるので縁取りはもっと太くても良かったかもしれない…けど、まぁこんな感じだよ~っていうのを掲載しておきました。
下の画像を参考に作ってみてください。
⑩完成だ~~~~!!
白いワイシャツを下に着て、上から出来上がったクラフトマン・エプロンを装着し…くそマクロクッキーを作る!!
なんて完璧なんだ!なんてかっこいいんだ!!!めちゃくちゃサクサクだ~~!!!!(記事が完成したのでテンション高い
男性用について
ここまで、女性用を例に説明してきました。男性用については別紙型紙を参考に製作してください。寸法が違うだけで手順や作り方については同じです。接着芯のサイズも男性用に合わせて大きくしてご利用ください。
末筆にて
長文をお読みいただきありがとうございました。
疲れただろ。わたしもだ。
衣装製作を割愛したおかげで1万文字いかなかった。良かった。文体は合わせろって小学校で習った気がするけど勢い任せで書いてるし校正する気力も才能もないのでこのままです。
何度も言ってますが、製作の機会をくださったNGC様には感謝しかありません。けいさんから突然連絡が来たときは本当にびっくりしたけど。本当にめちゃくちゃ楽しかった~~~!!!やっぱり私、作るの好きなんだな~って実感しました。
気が向いたら過去の記事とか製作配信とか見てくれると嬉しいです。放置してるコスプレブログはこちら。
問屋街日暮里の記事なんかも書いてますので製作に興味ある方はそちらも是非っっ!!!!
お詫び:途中に2か所ある出典ですがリンク飛んだ人なら分かると思いますがありません。てか、事実なんですけど記事としては書いてません。読みたいよ、って人がいたら書くと思いますので笑って許してください。まとめると14の開発・運営の方々は神だよってことです。