これで終わりではない、始まりなのだ(20-21Playoff Q-F game3)#FE名古屋
全力は尽くした、でも勝てなかった。これを繰り返して頂点を目指すことになるのでしょう。
Game3 FE名古屋 78-86 越谷
2戦連続で試合に入り損ね、主導権を渡した状態で試合を進めることになったFE名古屋。三度目の正直か、二度あることは三度あるなのか、注目していましたが。
【正解】二度あることは三度ある
越谷のバックコート陣は試合の入りについてはとにかくFEのハンドラーにリズム良く攻撃をさせないように、ディナイ気味にプレッシャーをかけ、ビッグマンのハンドオフも相当厳しく守っていました。そこにフワッとゲームに入ってしまったフィッツのプレーが悪い意味でハマり、スティールからの速攻を連続で許すという出だしになってしまったのは、後々まで響きました。
その後はお互いにアンスポーツマンライクファウルが宣告されたり、ビッグマンが痛んでベンチに下がったりと、荒れ模様の展開。ただ、痛かったのはブラッキンズの親指の怪我の影響が大きかった越谷の方だったかもしれません。FEが徐々に点差を詰めると、前半終了間際にわずか1点ですが前に出ます。
その後も前日ほどは攻撃が上手くいかない越谷。オフェンスリバウンドを奪いながらしぶとく点差を重ねますが、FE名古屋もここぞというところで松山、飛田あたりがシュートを決め、残り2分で7点リードとなります。
しかし、越谷はここで底力を発揮。長谷川、そしてブラッキンズがコートを広く使ったアタックで点差を詰めると、最後はバッツのフリースローで同点。残り14秒、1on1から放たれたフィッツのロングツーが外れて延長に突入すると、もうFEに反撃するだけの体力は残っておらず、停滞した攻撃の中で敗れ去る結果となりました。
個人的には采配面で「残1:28でティルマンを下げた判断はどうだったか」「最後のオフェンスはもう少しフィッツが中でシュートを打てるセットが組めなかったのか」という思いはあるのですが、延長でティルマンがブラッキンズにサイズ負けしているシーンを見た後ではあの采配もやむなしと思いましたし、後半戦、game2でヘタれることが減ったフィッツが一番可能性の高いオプションであったことには疑いがなく、あの時点までバッツの相手などで体力を使い果たしていたフィッツが中に割って入れず、外のシュートを選択してショートで外す、というのはもうあの前の時点で詰んでいたということだと思ったりはしています。
3戦通して
越谷の選手たちのうち、畠山、長谷川、バッツ、ブラッキンズの4人は、間違いなくB1クラスを知る選手のクオリティであり、またそれぞれが個で強い決定力を持っていました。恐らくその後ろ、特にヒンクル落合という主力クラスの後が極端に実力が落ちる、というのが越谷の悩みどころだったのだと思います。実際、上記4人がコート上に少ない時間帯は、ほとんどの場合FE名古屋が押していました。つまり、個のポテンシャル、最大の出力では越谷が上回るところを、チーム力で勝負したのがこのシリーズのFE名古屋だったということです。
3年前のプレーオフや、そこに至る1シーズン目2シーズン目を思い返してみると、とにかく個の力を使って殴りきる、というのがFE名古屋の強み、スタイルでした。そこからチーム戦術を遂行することで再度プレーオフに返り咲いたわけです。この間3年。遠くまで来たものですね。初戦の勝利も戦術をしっかり遂行した結果の勝利でしたし、3戦目も出来ることはやった、その上で、勝ちきれない弱みがあった、ということ。次はここに、勝ち切るための強みを積み上げる必要が出てくるのでしょう。
夏に向かうけど、秋風が吹く
シーズンが終わると別れの季節でもあります。FE名古屋からも、早くも3人の公示がされました。それぞれに思い出がありますが、その内容については別の項に譲りたいと思います。まずは、FE名古屋の選手、コーチ陣他スタッフの皆様、クラブ運営の皆様、シーズンお疲れ様でした。