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闘鷲降臨~21-22シーズン選手別レビューVol.1 アンドリュー・ランダル #FE名古屋

前年度B2得点王は、コート上でその肩書以上の確かな存在感を発揮。

#0 アンドリュー・ランダル ~B2得点王→B2プレーオフMVP→?

 昨季山形にてB2得点王となる活躍を見せたアンドリュー”スクーティ”ランダル。得点をとることにフォーカスする選手ほどエゴが出がちというイメージがあるけれど、今季ともに闘ってみると、イメージよりもはるかに勤勉で、得点以外にも強い影響力を発揮できる選手であることが明らかになった。平均出場時間29.6分はチーム1位。彼がコート上にいることでいかに違いが出ていたか、を表す数字だろう。
 得点こそ平均15.9Ptsと昨季より大きく下げたものの、各種FG%がほとんど変化がなかったこと、また昨季よりもPG陣へのボールシェアが多かったこと、そしてリバウンドやアシストなどが落ちていないことを考慮すると、チーム戦術にしっかりアジャストしながら実力を発揮していたことが良く分かる。

 特に今季のFE名古屋においてはエヴァンスルークを起用したいわゆる3ビッグで相手のスクリーンにオールスイッチで対応するディフェンスが効力を発揮していたこともあり、やや守備の脚の劣るクウェリよりも機動力の確保できるランダルとジェレミー・ジョーンズを起用することが多かった。そうなると彼はガードにマッチアップすることも、相手ビッグマンにマッチアップすることもあるのだが、横の動きに苦労したりパワーに苦労したりという部分もありつつ老獪な駆け引きで実にうまく対処してくれていた。
 高さ長さがある選手ではないためリムプロテクターとしては厳しい場面もあったが、攻守で事前のイメージよりもはるかに勤勉さを見せてくれていたことで、チームは安定した実力でもって走り抜けられたのだと思う。マッチアップが日本人相手になった時に見せるポストプレーやオフェンスリバウンド奪取など、自分の置かれた環境を最大限に活かすそのプレーぶりは他の選手の模範になったのではないだろうか。

 どちらかというとB2トップレベルで主にやってきた選手で、彼の「違いを出す力」がB1相手に通用するかどうか、を判定するのは悩ましい。グレードアップしやすいポジションである反面、ここまでオールラウンドで、かつ勤勉にやってくれる選手を簡単に入れ替えられるかどうか、ギャンブルになってしまう。来季に向けて再契約されるのか、新たな道を進むのかは分からないが、B1昇格B2優勝の最大の立役者は、どこに行っても彼らしいコート上で最も「上手な」選手であり続けてくれるのではないだろうか。

Phote by おくかず

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