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闘鷲降臨~20192020シーズン中間レビュー・ハンドラー&ウイング編 #FE名古屋

本年も残すところ7時間を切りました。年が切り替わるこのタイミングで丁度わがチームも30試合経過という折り返し地点、ということで、選手ごとにこの前半戦を振り返ってみたいと思います。まずはハンドラーとウイング、つまり1番~3番のポジションの選手から、背番号順。

#1宮崎恭行

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昨季不死鳥のように復活してB2の3P王FT王に輝いたベテランにしてキャプテンは、今季も体調は良さそうで、そのプレーのクオリティにはいささかの陰りも見受けられません。十分なプレイングタイムが与えられればそれだけのものが出せる、前半戦の前半分はそういうところを見せつける活躍でした。

その一方で、特に天皇杯前後を境にそれまでよりも出番を減らしているのも事実。これは、伊藤大和の成長および川辺HCの「2番の選手にもハンドラーを置いてP&Rを多くやりたい」という方針が要因と言えるでしょう。これにより2番の出番争いが厳しくなっていること、さりとてウイングとしてプレーするにはサイズの問題があること、これらが複合して、出番がやや限定されてしまっているのが現状です。

前述したとおり体調、技術には全く不安はありませんが、シューターとして時折出番を与えられつつ、P&Rのハンドラーとしてやれるかどうかを求められているのが現在の宮崎さんの置かれた立場である、と言えるのではないでしょうか。長いシーズン、ゲームのツボが分かっていて、なおかつ得点が取れる選手が重宝しないはずがありません。後半戦、キャプテンの逆襲に期待しましょう。

#5山本エドワード

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今季も不動のスターターPG。現状3P2Pともに試投数が増加、成功数が変わらない=FG%が落ちているという状況です。試合でのシュートを見ていると攻撃が上手くいかない結果タフショットを打つのがエドだったというシーンが目立つこと。昨季よりもリングに近いところまで入り込んでのフィニッシュにチャレンジするシーンが増えていること。この2つが組み合わさっていることを考えると致し方ない部分もありますが、後半もう少し確率が戻ってこれば、チームはより勝利に近づくことでしょう。

川辺HCのコメントからも伝わってきますが、チームとして行いたい早いオフェンスを引っ張ってもらうためには、彼が元気に走り回れるだけの体力的余地が必要。25分くらいのプレイングタイムを全力で走り回ってもらえるよう、ほかの選手の奮起も必要でしょう。

昨年の加入以降、彼以上にP&Rの切り回しが上手い選手はいないという印象でしたが、彼の背中を追って杉本、伊藤大和も随分と上手くなりました。今後もコート内外で明るくチームを引っ張っていただきたいところです。

#7木村啓太郎

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今季香川から来たハンドラー。序盤戦はエドのシュート力を活かす意味もあってかエドとの2ガードでスタメン起用される試合も多くありました。前任者の児玉に比べると一回り以上大きい体格、クイックネス、フィジカル、そして左利きと特徴には事欠かず、成長も見越しながら使われていましたが、杉本、飛田、鹿野といった面々の復調でいったんバックアップ役に落ち着いています。

青森時代の数字からもいくつかの点で成長が望まれていましたが、現状は「精神的にアグレッシブすぎるが故のファウルトラブル」「自分のシュートとその後の作り直しのどちらが得点確率が高いかを判断すること」の2点で壁に当たっているようです。

ファウルは平均16.4分の出場で2.7個。これは30分の出場に換算すると4.9個と、毎回ファウルアウトしかねない数字となっています。守備自体は身体能力を活かして相手が嫌がる、強度の高い守り方ができるだけに、腕の使い方から始まる小競り合いなどから、精神を揺らすことで発生する余計なファウルは減らしていく必要があるでしょう。

また、どうしてもシュートにまだ確たる自信がないのか、ここで打ってほしいというタイミングでシュート、特に外のシュートを躊躇するシーンはまだまだ多いです。ここ最近はリングに近づいてのフィニッシュはビッグマン相手にもできるようになっているだけに、その撒き餌になるだけの外のプレーとその選択の質が次なる課題なのではないでしょうか。

前述したとおり早い展開を志向したいFE名古屋にとって、ハンドラーが元気でいることは上昇に絶対に必要な要素です。後半戦、エドからスタメンを奪うくらいの成長に期待したいところ。シャークポーズがたくさんできたらいいですね。

#11杉本慶

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チームきっての万能選手は、今季序盤はややコンディションが上がらず、最初の数週間はスタメンを外れるなど苦労が見えました。しかしほどなく本調子に戻ると、その後はエンジン全開。間違いなくキャリアナンバーワン、B2の日本人の中でも屈指の影響力を発揮できる選手になりました。

その背景となっているのはやはり今季のFEの戦術でしょう。P&Rで相手の隙を作りながら、高い身体能力でリングをアタックでき、そこからパスも供給できる彼は、この戦術でハンドラーが備えてほしい能力をすべて持っていると言っても過言ではありません。事実、今季はハイピック、ミドルピック、サイドピック、ポストピックとあらゆる位置からのP&Rで相手守備を切り崩しています。そこでパスだけを狙っていれば攻撃は手詰まりになるのですが、今年の彼は決定力も出色の出来。調子がいい場合であれば多少のオフバランスでもシュートを決めきるシーンは、他チームブースターから見たら理不尽そのものと言えるのではないでしょうか。

結果としては負けはしましたが、11/3の信州戦、相手チームを追いかける展開で期待を超えるシュートを決め続けた彼のプレーに対する熱狂ぶりは、今季一番と言っても過言ではない内容でした。今、B2の中ではトップクラスの「現地で見るべき選手」だと自信をもって言い切れる選手。怪我には気を付けつつ、躍進のシーズンを過ごしてほしいと思います。

#18飛田浩明

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ひざの手術から復帰を目指した昨季から、オフのトレーニングを経て迎えた今季。ひざの調子もかなり良さそうで、実際3戦目では3本の3Pを決めて二けた得点と、能力全開が期待されたのですが、ここでまさかの不運が襲いました。フロアの汗に脚を取られてひざを痛めるというアクシデントで6週間近い離脱を強いられ、11月に復帰。復帰後は少しずつコンディションを上げ、鹿野と並んでウイングプレイヤーとして一定の出番を与えられています。

彼の魅力は何といっても思い切りよく放たれる3Pシュート。入らない時はとことん入らないというのは実にシューターらしい内容ではありますが、逆に入りだしたら止まらないというのも彼の特徴です。今季は昨季までなかなか入らなかったドリブルからのプルアップも時折決めているように、昨季まで抱えてたコンディション不良が払しょくされつつあるのが見て取れます。

鹿野に比べるとけして守備が得意ではなく、その分が現状の出番の差になっているのでしょうが、それを補って余りあるシュート力の持ち主。後半戦もその得点でチームを救ってほしいと思います。

#44伊藤大和

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ルーキーとして思うようにならないシーズンを送った昨季から、オフを経て始まった今季はある意味、彼が今後プロケイジャーとして過ごすための背水の陣ともいえるもの。どのようなプレーをコート上で表現できるか、非常に楽しみにしていました。

しかし、序盤戦は新HCの戦術にイマイチ対応できていなかったこと、また、肉体的には随分逞しくなった一方で、精神的にはまだまだ相手の圧力を捌くだけの自信が持てなかったこと、これらの状況が改善されてなかったということでしょう、なかなか長い時間の出番を与えられる状況にはなりませんでした。

しかし、天皇杯以降はようやく準備が整ったということか、杉本のバックアップ役として、一定のプレイングタイムを与えられるようになりました。そして、実際、ボール運び、P&Rのハンドラー役などである程度以上の役割をこなすことが出来ています。

元来が長距離中距離リング近くそれぞれの地点でフィニッシュする能力があるのが特徴で、その技術を上手く使うための肉体的基礎と認知能力がようやくそろい始めた、外からはそう見て取れます。サイズもある選手だけに、これからその部分をどれだけ磨いていくのか。後半戦、ようやく描き始めた成長曲線がどこまで続くのか、楽しみにしたいと思います。

#45鹿野洵生

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今季三顧の礼でもって滋賀から加入したベテラン。恐らく怪我などの影響もあったのでしょう、序盤は出番が限定されていましたが、ここの所はスタートに復帰すると、影響力を高め続けている印象です。

そのプレイスタイルの最大の特徴はなんと言っても労を惜しまない豊富な運動量と献身性。それは特に守備の面で発揮され、相手エースをどこまでも追いかけまわして圧力をかける姿は見る者の胸を熱くさせるものでした。

攻撃面でもここぞで放たれる3Pはチームの武器となっているだけでなくスペーシングなどでもクレバーさを発揮しており、数字が示す以上にチームへの貢献度の高い選手と言えるでしょう。

飛田が調子を上げてきていること、鹿野本人もベテランで、かつ非常にエナジーを消耗するプレイスタイルであることから、飛田と出場時間を分け合いながらのプレーが続いていくのは間違いありません。約20分の出場で全力を出し切る彼のプレーを、特に若い選手たちは背中を見ておいてほしいと思っています。

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Nacky a.k.a. 青井高平
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