闘鷲降臨~千里の道の一歩目(22-23プレシーズン)#FE名古屋
俺たちは征くんだ、この果てしない道を。(男坂風)
Game1 FE名古屋 65-88 名古屋D
B1昇格なったFE名古屋、4人を入れ替えた新チームの初戦は、同じ名古屋のクロスタウンライバル、名古屋ドルフィンズのホーム&アウェイである。昨年はプレシーズンでもこの顔合わせはなく、2年前のプレシーズン以来の試合に。その時は主力外国籍を欠いた名古屋D相手に勝ち星を奪えなかったFE名古屋。さてB1昇格なった今年は、というところ。
試合については、序盤からB1基準の強い圧力の守備に出た名古屋Dに対し、フワッと受け身で試合に入ってしまったFE名古屋があっという間にビハインドを背負い、後を追う展開に。その後は守備自体は脚が動くようになったものの、守備で使い果たしてリバウンドの確保がおぼつかず。試合を通したリバウンドの本数が14-38とかいう俄かには信じがたい数字になっていたようで、ともかくリバウンドが確保できないことで守備が終わらないという悪循環がチームを苦しめた。
それでもゾーンだったり選手の組み合わせだったりを試しながら戦う名古屋Dのちょっとした連携の隙を突くなどして点差は3点まで詰め寄るシーンを作ったものの、結局のところ齋藤、エサトン、クラークが出てくる1stユニットの時間帯は「手も足も出ない」という形容がふさわしい状況。ボールをまともに運べずターンオーバー、そこまでいかなくとも残り時間がほとんどない状況でタフショットを強いられる展開を覆すことが出来ず、「1stユニットにこれだけやられるようでは0勝60敗すらあるのでは」と思わせるような惨状でGame1を終えることとなった。
Game2 FE名古屋 72-71 名古屋D
前日のドルフィンズアリーナでの1戦は「10回やったら10回負ける」という印象。もちろんまだまだこれから状態を上げていくところだけれども、せめて「10回やったら3回くらいは勝てそう」と思わせるような試合をしてほしい、というのが正直なところ、という2戦目。
前日と違ったのはスタートの攻撃が成功した、ということ以上に、相手の圧力に対して逃げずにパスを回しながらリングに向かう攻撃になっていたことが大きいだろう。前日より若干圧力に慣れたチームは攻撃面も前日よりスムーズ、守備も昨日よりはリバウンドを押さえることが出来るようになったことで、FE名古屋がリードする形で競ったゲームが展開される。
ただ簡単に話されてもくれない名古屋D。特に守備は固く、あの手この手でボール運びの段階からFE名古屋の攻撃を壊しにかかる。苦しいオフェンスが続き得点が伸びないFE名古屋は名古屋Dに逆転を許すものの、葛原の3Pなどで懸命に追いすがり、残り1分を切っても1ポゼッションを超えない差に終始する展開。最後は残6秒から齋藤がレイアップで得点して一歩前に出たところを、カウンターでボールを持ち込んだJJのワンレッグ3Pがブザーと同時にリングに吸い込まれて逆転勝ちとなった。
内容としては、決して「勝った」とは言い難いが、プレシーズンから黒星が並んでしまうとそれはそれで気分は重いもの。早いうちに片目が開いたことを素直に喜びたい。
2試合通した個別評価
#0ランダル …もうすこしがんばりましょう
3番目の外国籍くらいの扱いであればこれでいいんだけど、チームの悪い流れの打開を託されている選手としては物足りない。昨季に比べて確実に他の選手、特に日本人選手との差が絶対的でないB1で、どれだけ期待に応えてもらえるのだろうか。
#1宮崎 …評価に至らず
彼が契約されてゲームに出ている、というだけでもめでたい。ただでさえサイズとフィジカルがしんどかった昨季に輪をかけてしんどそうなのは短時間の出場でも分かったと思うので、今季も出番は限定的になりそうだ。それでもその背中は必要。今日みたいなコーナー3Pを今度はシーズンで決め切ってホームを沸かせてほしい。
#2ストックマンJr .…よくできました
前半を中心に2試合に出場。極端に目立つことはなかったものの、昨季より落ち着いてゲームを運べていること、そしてフィジカルでレイパークスJr.あたりに負けていなかったことは評価できる。少なくとも、再契約しただけの甲斐はあったね、という内容だった。
#3エヴァンスルーク …もうひといきです
日本代表選手なので期待を込めて辛めの評価。合流して間もないので仕方ない部分もあるだろうけど、彼がいない時間帯のほうが上手く回っていたのは、チームとしては伸びしろだとプラスに捉えたい。エサトン相手に1on1を決め切ったり、やれることはやっているけど、これをアドバンテージにできるかはまだこれからかもしれない。
#6林 …もうひといきです
守備面とトランジションでの躍動感は見せていたので最低限の働き。外のシュートもだが、速攻であそこまで行けるならレイアップは決め切れるようになってほしい。
#7宮本 …よくできました
思ったより出番を得たのが宮本。その試しに応える形で、攻守で存在感を示してみせた。特に良かったのは、一時的であれば外国籍相手でも身体を張れたことと、昨季は苦しんでいた3Pを決めることが出来たこと。おそらくロールモデルとなるであろう張本天傑と直接マッチアップできたことも彼には良かっただろう。一方で、スイッチした時のドライブへの準備が甘くファウルを取られることがままあったのは、アジリティと予測の面で要改善。とはいえ、先がさらに楽しみになったのは間違いない。
#11石川 …もうひといきです
今季はこういうモデルチェンジを求められるのだろうな、という実感の沸く内容になった。昨季からスピード自慢の選手に対する分の悪さは見え始めていたけど、今回の齋藤拓実相手にもそれがはっきり出た形。一方で攻撃をどう整えるのか、というゲームメイクの意味では以前チームNo.1でもある。そういう特性を活かし、いかに圧力に負けず効率のいい攻撃を指揮するかが求められそうだ。
#12野﨑 …もうひといきです
昨季通りの働きは出来ている、けどもう一段上を望みたい、という意味でのもうひといき。今日の序盤にちゃんとシュートを決め切って攻撃を動かした、というところで十分な働きではあるのだけど、さらなる進歩を望みたいところ。ライバルも多いぞ。
#13中村 …よくできました
大阪からの移籍だったけど、斎藤拓実を一番困らせたのは彼の守備で、いきなりこのチームのウィークポイントを埋める働きを見せたのは間違いない。攻撃も3Pを複数決めるなどシューティングにキレを見せた一方、攻撃の組み立てというところについてはまだまだこれから、という印象なので、そこが伸びしろと言えそう。どちらにしろ、チームとしては石川笹山より明確に若い脚を手に入れたのは朗報と言えるだろう。
#14ジョナサンウィリアムズ …もうひといきです
今季の新規外国籍選手。アスレチックなPFという触れ込みだったが、その触れ込み通り身体能力の高さを見せつけ、ゴールに正対したところやボールプッシュからエサトンやンドゥールをブチ抜いて見せた。また、ハイライト動画だとあまり使っていなかったものの、この2試合ではいくつか右手のシュートも決めているし、意外と広い視野でアシストパスを通したりと、思ったよりも器用な選手ではあるようだ。一方で守備の連係面はまだまだこれからという感じ。彼がフィットし、力を発揮して、この2戦のようなリバウンドの惨状が改善されるといいなあと思う。
#18相馬 …もうひといきです
昨季からの居残り組。基本的に積極的にシュートを打ってなんぼ、という選手なので、単純にシュートがあんまり入ってなかったね、という意味合いでしかない。ただ、フィジカルはともかくやはりアンダーサイズであることには変わりがないので、そこをカバーするレベルでシュートを決めてもらうことが求められる。
#22JJ …よくできました
今日のラストショットはまあ余禄だけど、そこに至るまでも守備面での貢献が大きく、また昨季よりも1on1の仕掛けが上手くなって良いファウルのもらい方が出来ていた。ブザービーターはともかく、その前のポゼッションで2FTをゲットしきっちり決めた、というのは彼の攻撃面の進歩を物語る。ランダルが苦労しそうな今季、彼の成長がその部分を補ってくれるといいのだけど。
#25葛原 …よくできました
待望のサイズのあるウイングで、守備では良く脚が動くところを、攻撃ではタフなシュートでも時に決め切れるだけのシュート力を見せてくれた。正直、攻撃も守備も戦術理解はまだこれから、という感じではあるけど、確実にフィットしてきてくれそうだ。
最後に
笹山がこうなることを見越していたかは分からないけど、中村を持ってきた首脳陣はファインプレーだと思います。あと笹山は早く治して戻ってこい。