闘鷲降臨~伸び盛りのチームに必要なのは正しい挫折(19-20GAME26-27)#FE名古屋
<Game1 FE名古屋 68-77 仙台>
<Game2 FE名古屋 62-73 仙台>
<ビッグベン不在を乗り越えろ>
ベンが不在となることで、チームには二つの点で対応を迫られることになりました。まず一つは、リム周りの守りをどうするのか、ということです。
これは当然のことながら相手外国籍選手の特性との兼ね合いとなります。今節は技術と頑強さは素晴らしいが縦横の速さに欠くミラーと、サイズはないものの機動力と高い技術とシュート力を誇るティルマンの組み合わせ。ベンが居れば基本的にはベン⇔ミラー、ジョシュ⇔ティルマンのマッチアップとなります。不在となったことでこの2節は、基本マッチアップをジョシュ⇔ティルマン、ミラー⇔シェリフor坂本、という布陣で臨むことになりました。
この狙いは、技術と駆け引きに優れるティルマンを抑えられるあてがあるのはジョシュのみ、という意識。そしてビッグマンながら、リング奥深くでポジションをとるプレーはあまり多くないミラーならば、パワーに劣るシェリフや坂本でもある程度太刀打ちできる、という目論見が両方あってのマッチアップであったと考えられます。この形になった場合、ミラーに対してリング近くで劣勢にはなりますが、そこをジョシュがヘルプに行って機動力でカバー、ジョシュが空けたティルマンは別の人間がカバーする、という狙いがあったものと思われます。
しかし、この形に対して仙台は非常に正確で巧妙なスペーシングで対抗。それでもシュートが落ちているうちは太刀打ちできていましたが、特に2試合目は日本人選手がジョシュのカバーで空くティルマンへのカバーに行きづらいポジショニングを徹底。気分よく3Pを打ち続けたティルマンは最後はとんでもないコンテステッドショットも決める状態で、試合を通して3P成功が7/9となり、またここに無理にカバーに行くことで空いた穴を他の選手が活用。
後半はこの結果を受けてマッチアップをジョシュ⇔ミラー、坂本or高村⇔ティルマンに切り替えることで相手のリズムを崩すことには成功。守備から速い展開も活かして点差を詰めましたが、詰め切ることができず、敗北を喫しています。
<闘う坂本さん>
ベン不在でもう一つチームが対処しなければいけなくなったのが、P&Rのスクリーナーをどうするのか、ということでした。ベンはパワーこそさほどでもありませんが、高さと機動力を併せ持ち、なおかつ、スクリーンからのダイブ、その後の動き直しによるリピックや再セットなど、労を惜しまない素晴らしく勤勉なプレイヤーでした。彼がそのようにリングへのアタックを繰り返すことでファウルをもらう、ズレを作るなどの効果が生まれ、周りがよりプレーしやすくなっていたわけです。
これはより器用でシュートレンジが広く、外に開いても点を取ることができるジョシュとは全く違う特性であり、彼が簡単に肩代わりできるわけではありませんし、肩代わりさせることでジョシュの良さを消してしまいかねません。
今節については、ベンの役割をシェリフにさせてみようとした形跡が見受けられます。もちろん、シェリフにはベンほどの絶対的な高さはありません。その替わり、上手くやれば相手選手を完全に抜き去ってフィニッシュできるだけの瞬発力があります。それが上手く活かせれば、という考え方だったのでしょう。しかし、シェリフは光るプレーも見せる反面、コート上で迷子になるシーンも散見され、特に攻撃面ではイマイチ機能しませんでした(守備は頑張ってましたけどね)。
そこで次に使われたのがわれらがアイドル坂本健だったわけですが、今節彼は100%替わりはできないながらも、要求された動きを労を惜しまずやり続け、なおかつダイブからの得点で初戦は6点、2戦目は12点をマーク。守備でも奮闘して、ベン不在のチームをしっかり支えてみせました。ベンと違ってファウルがもらえるプレーが出来なかったのは残念ではありましたが、彼がこれだけ闘える選手だと示したこの2戦は、この先の戦いに向けて大きな意味を持つかもしれません。たとえもう一人の外国籍選手を採用することになったとしても、です。
<川辺HC出待ちインタビュー>
今節1戦目はちょうどその後の予定と時間があったため、川辺HCを出待ちしてみたのですが、敗戦後のタイミングではありましたが快くお話をお聞きすることができました。
手ごたえや翌日に向けた話なども含めての内容でしたが、何が変わったかなど、復習がてらお読みいただくと興味深い内容かもしれません。
川辺HCももちろん敗戦後ということで底抜けに明るいわけではなかったのですし、怪我人の多さに悩ましさの伺えるところではありましたが、前回話を聞いた時よりもはるかに戦術が浸透したように見えると振った時の嬉しそうな表情も印象的でした。
チームとしての決め事の中でかなりチャレンジを促しているようなので、今後の試合でも、なにをやらせたいのかは注意深く見守っていきたいところですね。