読書日記 月の満ち欠け / 佐藤正午 / 岩波書店
今日読み終わったので取り急ぎ感想をメモ
感想というか思ったことなぐり書き
生まれ変わりとしか思えない、しかし信じがたい現象を目の当たりにした関係者は、自らの常識や理性によってそれを否定しようとするが、同時に「あり得ないことが起こっているかもしれない」という興奮を抑えることができない。それが起きているのが自分の娘、あるいは生まれ変わる前の妻?だったとしても、という葛藤もあるが、超常的な現象が真実であることを確かめたいという誘惑には勝てない。
小山内は2番目の瑠璃の父親だが、妻の振る舞いによって現象から遠ざけられている。三角と瑠璃は会合の前に会っていたことが最終的に判明し、結局会合の目的は関係者同士の初顔合わせではなく、何なのかよくわからない(多分ちゃんと読めばわかる)。要するに、最後まで小山内はこの現象について蚊帳の外にいる。
よくある「当事者しか知らない事実を述べることで身元確認する」ためにるりが持ち出したアンパンのエピソードも「覚えていない」で終わってしまうから可笑しい。
知り合いのおばさんの娘が自分の亡くなった妻の生まれ変わりだという仮説が浮上し、それを裏付けてくれそうな事実も複数あるにもかかわらず、結局妄想だと片付けて本人に確かめる気もない。
小山内はその他の瑠璃に関わった人物(三角以外)のように生まれ変わりを確かめたいという誘惑に勝ち、現実に生きることを決意した。
のか?
そんな感じに解釈したけど、間違ってるかもしれないのでこれから色々読み返したり感想などを読んだりして整理して行こうと思います。
特に小山内さんの心理描写などはもっと考えるべきことがありそう。
面白かったです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?