【ヒプマイ考察】空却は菩薩?ピアスの理由を元日本史専攻が考えてみた

ヒプノシスマイクに登場する波羅夷空却。「お坊さんなのになぜピアスバチバチなの?」と思ったことはありませんか?

一人称が「拙僧」で「拙僧を縛れるとしたらホトケさんくれぇ」(TDD1巻)と発言していること、荒業を成し遂げたことからも仏教に反抗したり自身の宗派に反抗しているわけでもなさそう。

じゃあなんで!!??と考察した末、行きあたった結論は「空却くんの元ネタは菩薩」でした。

日本の仏教から考察

考察はインドや中国ではなく、日本の仏教からおこないます。

というのも私は古代日本史及び仏教を研究対象にしていました。研究の他にも仏教の講義を受けたり、京都でお寺のボランティアしたりと濃く日本の仏教と関わらせていただきました。

もちろん上には上がいらっしゃるのは承知で、伏線をある程度拾えるくらいには、知識を得る縁があったのでは?と思います。

それともう一点。日本の仏教は中国から入ってきた後は独自に発展していきます。空却くんのご実家ももちろんその流れでできたお寺でしょう。

実は海外に言及するとそもそも人を導くのがおかしいよねって話も出てきて、そもそもの教義の考察になってしまいかねません(ヒプマイとは)。そのため日本の仏教に限定して話を進めようと思います。

空却のモデルは「菩薩」

お坊さんといえば髪の毛も丸刈りで装飾品はナシ。実際、空却の父灼空さんもそのような服装です。一般的なイメージもそんな感じですよね。

じゃあ仏教でバチボコ着飾っているモノは皆無かというとそんなことはありません。

それが「菩薩」なんです。

「菩薩」=まだ悟っていない修行者

「菩薩」を超簡単にいうと、仏陀が悟る前の修行中の段階の人です。

仏教には「釈迦」という存在がありますが、この方は「悟った人」のうちの一人というだけで絶対神ではありません。過去にも未来にも「悟った人=釈迦」はいると考えます。

え、じゃあ今修行してるけど、将来的に悟る人のことをなんて呼ぼう?…「菩薩」?

めちゃくちゃザックリまとめますと「菩薩」とはこんな存在です。

そして空却くんの話に戻ります。彼は父である灼空さんから「まだ人を導けない」「リーダーとして導けない」「未熟者!!」と指摘されていました。

日本は大乗仏教なので、考え方は基本的に「衆生済度(みんな悟らせる、たすける)」ですよね。

つまり、空却くんは「衆生済度できる力がない」=「悟りの境地に達していない」と言われたことになります。

悟る前の修行者?これは菩薩と一致じゃん?

では主題に戻りましょう。ピアスとこの話がどう関係あんのよ。

「菩薩」は着飾った仏像が多い

東大寺の不空羂索観音像とかを見ていただきたいのですが、菩薩(特に観世音菩薩=観音さま)はビックリするほどバチバチに着飾っています。

宝冠、イヤリング(耳環)、スカート(裳)…これお坊さんがしてたらバチクソ怒られるだろって思うレベルです。

何故こんな格好をしているかというと、釈迦が悟る前の姿を表しているからです。修行中の姿なのです。

教授には「『装飾=現世の価値』を捨てる前の姿だよ」みたいに言われた気がします。

私自身、装飾品=修行中の菩薩だ!と見分けるカギにすると、少なくとも京都奈良の仏像で恥をかいたことはありませんでした。(個人の見解です)

そこで空却を見てみるとピアスはバチバチ、髪は赤、爪も塗るし、なんか服もおしゃれだし…これは装飾品ですね?

父、灼空さんよりスゲエと言われる空却くん(荒業とか)。しかし彼は着飾っている。

つまり、空却くんは悟る=導くと思われているけれど、今は悟っていない修行者といえます。

【まとめ】空却のピアスは菩薩が元ネタ

ヒプノシスマイクに登場する波羅夷空却の元ネタが菩薩では?ということを考察してきました。

・菩薩は悟る前の修行者⇄空却くんも悟る前の修行者

・菩薩は着飾る⇄空却くんも着飾る(ピアスがバチバチ)

という共通点から、僧侶なのにピアスが空いている波羅夷空却=菩薩説が“ありそうかな”と思っていただけたと思います。

萌えるなー、ここの伏線拾ってないぞ、仏教の解釈おかしいなどありましたらコメントいただければとっても嬉しいです。

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