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悲鳴しか出てこん。~銀河英雄伝説 Die Neue These (33)感想
私の大好きな『十二国記』を書いた小野不由美主上先生が銀英伝ファンだったそうなのだが、どうやら「死なないラインハルト」を作るべく『十二国記』が構想されたとか何とかいう噂を聞いて「ラインハルト死ぬの?」と騒いでたら「所詮人の子ですので」とブルスカのフォロワーさんに言われてしまった。
ラインハルト(もヤンさんも)が枕の上で安らかに死ぬとは全く思っていないので、物語のどこかで暗殺されるんじゃないかと思ってるんだけど、「死なないラインハルト」を作りたくなるほどの凄まじい死に方ってなんだろう……。
陽子や尚隆、驍宗様は「死なないラインハルト」なのかと思って「わかりみ~~~~~~~~~~」と思った。とくに驍宗様と陽子はそう。そもそも陽子が赤毛で、彼女の相棒・景麒がオーベルシュタインみたいなキルヒアイス(オーベルシュタインみたいなキルヒアイスとは)みたいな性格してて金髪なのに早く気づくべきだった
そう考えると六太がミッターマイヤーみたいなキルヒアイス(とは)、泰麒がロイエンタールみたいなキルヒアイス(とは)、供麒がビッテンフェルトみたいなキルヒアイス(とは)に見えてくる。廉麟もアンネローゼみたいなキルヒアイス(!??!?!)に見える
こういうふうに人間はフィルターを持つとなんでもその通りにみえてしまうんですね
yabai
それ以上に衝撃だったのが今回。一人で「やばい」を連呼しながら見ていた。
セカンドシーズンの最後でラスボスのルドルフ大帝/ルドルフ・ゴールデンバウムが民主制の愚かさに絶望し、「これを救うのは自分しかいない」と決意したのではないかと語られていたけれど、今度はヤンさんを救ったレベロ議員が「最初からルドルフは野望を持っていたのではなかったのかもしれない」「独善的ではあっても、理想と信念に燃える改革志向者だったのでは」と語っている。
今後もルドルフについて語られていくだろうけれど、結論としてルドルフが、若い頃はヤンさんに極めて似た、聡明で柔和な人物だった、となったら私は震える予定だ。
ヤンさんも後世「極悪人」とされてしまうんだろうか。ここまで見て来て、ラインハルトが整えた帝国を、彼が無事暗殺された後、ユリアンか誰かに不幸があって性格が変化したヤンさんがのっとって銀河をすべて統べる元首になり、ディストピアが出来る……という話運びになったら私は大泣きしながら枕に顔をうずめます。
そうだ、と思ったのがレベロ議員の発言。
まかり間違えばヤン提督、きみが第二のルドルフ・ゴールデンバウムになる未来さえ仮定することが可能なのだ。
ヤンさんは軍部最高幹部の一人で若手で仕事も成功し、人望もある。しかも人格的に柔和。となると、(民衆から支持される)軍事独裁政権を樹立する可能性が一番高い。やばいやばいやばいやばいやばいやばやばばばばばb
しかし、今回ヤンさんの危ういところがかなり露呈している。
せっかくトリューニヒトの魔手からレベロ議員が救ってくれ、ありがたいアドバイスをしてくれたのに素直には受け取れない。そこ受け取れよ!!ヤン・ウェンリー!(たまたま3巻の範囲内だったので原作を読んでみたが、ヤンさんがレベロ議員にもっと失礼な、「レベロ議員も俺を理解してくれない……」みたいなことを考えていたのでノイエでは抑えめにしてあるんだなと感じた)
原作も併せて考えると、ヤンさんの視野が狭くなっていることを感じる。冒頭の頃のヤンさんはもちろん軍事独裁政権を確立しえるくらいの声望も権力も持っていなかったけれど、レベロ議員の発言に反論しないでなぜ彼がそんな発言をしたのか考える程度の余裕はあったと思う。でも、おそらく本来の彼の心ではキャパシティーオーバーなことがありすぎて、ヤンさんは自分を容認する以外の意見を受け取ることが出来ていないんじゃないか。査問会の精神的拷問が響いている可能性もあるけど。
やばばばっばっばばっばばばばばあああああああ、ひえややや
レベロ議員の、ヤンさんと同盟の未来をおもんぱかったうえでの苦言さえも受け取れないヤンさんはどこへ行ってしまうのだろう。
あわわわわわわ
フレデリカが遠い人のように「ジェシカ・エドワーズ女史」と口にしたので、どきどきどきどきどきどき!!!!! と心臓が震えてしまった
ふ、フレデリカはジェシカにヤンさんがひとかたならぬ思いを抱いてたと知ってるのかな…あわわわわわわ
ジェシカが死んだとヤンさんに知らせがあったとき、彼は帽子を投げつけて(ヤンさんの帽子は不憫なことに投げつけられたりくるくる回されたりする)グラサン姿になっていた。査問会のストレスで帽子がやはり投げつけられているのでジェシカの死去並みにヤンさんにとっては精神的負荷なんだろう。
それはさておき。
同盟死んでるな。どうしよう
報道機関も機能しなければ警察も機能しない。同盟の報道機関ってどうなってるんだろう。エドワーズ委員会の報告を、小さな新聞社や週刊誌でさえ何も報道しなかったのだろうか。
ヤンさんの静かなる腐敗とともに、同盟も退廃へと向かっているような気がする。ヤンさんは何かあれば挽回できるような気がまだするけど、同盟はもう無理なんだよね。
同盟が滅びたらヤンさんは精神的に生きていられるだろうか。ラインハルトの改革は「隣の芝生は青く見える~~」の感覚でヤンさんとしては好感を持っているようだけれども、ラインハルトが同盟を併合してしまったときに、彼の改革の本質(単に民衆の機嫌取りでしかない側面が多い/上からの改革)を見てしまったら。
ヤンさんはどう反応するんだろう……。
あわわわわわわわ
う~~ん私には何とも言えないな~~~~
最近トリューニヒトのQBぶりがはなはだしいのでそろそろ「私と契約して、魔法少女になってほしいんだ」とか誰かにいいそう。存在自体が怪しい。悪徳業者すぎるだろ…マジでQB 討たれても死なず、母星から絶えずトリューニヒトが生み出されてそう。道具扱いのネグロポンティが可哀想すぎる。QBと契約してしまったのが運の尽き
ヤンさん、こんなQBの下で働かなきゃいけないのか……。
まとめ
・ファイエル(同盟を滅ぼす恐怖の安元洋貴ボイス)
・レベロ議員がまともなこと言ってるぞ!!!!!!
・自分の立場が本当の意味で「分からない」ヤンさんという弱みが……(自分の立場が分からないというのは増長の意味でよく使われるけど、そうじゃないので)
・トリューニヒト「私と契約して魔法少女になってほしいんだ」