ラスボス決まったな……〜銀河英雄伝説 Die Neue These (28)感想
※銀英伝初心者(ここから先の展開で知ってること:ラインハルトとヒルデガルドに息子が出来る(どう考えてもでき方がわからん)・ヤンさんは案の定フレデリカと結婚する・ロイエンタールが何かしでかしてしまう(←???????)ということだけ)の感想です。平にご容赦を。
ヤンさんがアルテミスの首飾りぶっ壊したのに、ラインハルトがキルヒアイスの髪の毛の入ったロケットペンダント(最重要登場人物、ジークフリード・キルヒアイスの成れの果ての姿)を身につけるようになっているのがコントラストすぎて面白い。ラインハルトの首都星防衛システムすぎる〜
そのペンダントもヤンさんの知略によってぶっ壊されたら私は震撼する
ラスボス決まったな
核攻撃を見逃したラインハルト様にキレたキルヒアイス様が発した言葉が脳裏にガンガン蘇った回だった。
ラインハルト様は本来民衆にあんまり興味がなさそうだというのは散々考えて来た。だって一番民衆が死ぬ(核攻撃、焦土戦)ことに関わってきた。だが、今回、宇宙を手に入れるために、誰を味方にすべきかという点で民衆を見たように思える。
その発想の根幹には、彼の幼少期の経験もあるかもしれないが、上記のキルヒアイス様の言葉があるのだとぞくりと背筋が凍った。
美しく言えば、民衆を想いながら死んでいった亡き親友の遺志を叶えるために、身も蓋もなく言えば、「キルヒアイスがそういったから」、今回、改革者という美しい仮面を身につけるラインハルト様のように見えた。
たぶんラインハルト様は頻繁にペンダントを気にするあたり、「キルヒアイスならこう望むかもしれない」ということをやっているだけなのかもしれない。
だがそれが、ヤン・ウェンリー様を刺激してしまう。
ヤン様が「国民国家」という単語を使っている。
国民国家とはザッと言えば国民が主権を持っている状態の国家のことだ(これ以上突っ込むと沼にハマる)。まだ銀河帝国は国民が主権を持っているとは到底言えず、国内でもブラッケおじさんに突っ込まれているが、権力がほぼラインハルトにあるなかで上からの改革を強引に推し進めている。啓蒙専制君主みたいに。
だが、遠い国のヤン様から見れば、銀河帝国はすでに主権が国民にあるにも等しいと見えているということなのだろうか。
……そう考えると、ヤンさんにとって最大の敵とは、親友を使って理想の国家を築き上げているキルヒアイスということになる。
つまりこの物語のラスボスはキルヒアイスではあるまいか。お人好しの将校だった青年がラスボスになるまでに2クール使ったのか。すげえ恐ろしい話だ。
推しカプになりそう
ラインハルトとヒルデガルドが一緒に行動している光景はいい光景だ。癒される。
ヒルデガルドと元帥府の中をてくてくしたり。
さも当然のようにヒルデガルドに上着を預けるラインハルトだったり。
さも当然のように一緒に公文書を読むふたり。ヒルデガルドに見やすくしていたり。
これ息子できるんじゃね?あと20年くらいすれば(豪語)
ラインハルトの心の傷が時間とともに癒されれば、ヒルデガルドとこう、うまいこと子供ができるんじゃね!?その時でもラインハルトは42とか43だし、いけそうだよね
ただ、息をひそめて見守らないといけないくらいラインハルトとヒルデガルドの関係は少し何かあったら崩れてしまうものだと思うので、何も波風が立たないことを祈る。キルヒアイスもアンネローゼもいないなか、ラインハルトの「心」に触れようとする人間が一人いる、という事実が尊い。
尊いのがヒルデガルドに自分の思想を語るラインハルト。
「体制に対する民衆の信頼を得るには、ふたつのものがあればよい。公平な裁判と、同じく公平な税制度」ってごつい台詞なのにヒルデガルドが「この人のこと……気になる……」となにがしかの感情を抱き始めたぞ。やっぱりヒルダちゃん♡はクレイジー
わんちゃん
今回、わんちゃんという狂言回しがいた。
一番ワンちゃんに冷淡だったのがヒルデガルド、一番ワンちゃんに優しかったのがオーベルシュタインPというところに笑った。
オーベルシュタインPは人間的な感情や責任感があるにも関わらず、他人と壁を作ってしまうんだろう。ワンちゃんを引き取った後の、おうちでのオーベルシュタインPはお外とは違い、無口で寡黙なしごでき旦那様だった。わんちゃんが食べ終わるまで使用人にも会話を聞かれないようzoom(違う)の通信先のフェルナーとずっと黙ってたのが用心深いしちょっとシュールで面白かった。乙女系ノベルの相手役にぴったり
ヒルデガルドはたぶん、根っこのところは理性的で冷徹なんだろう。ボロボロのワンちゃんをみてもにっこり笑うだけだったところ。でもそんな感じでちょっと優しさがかけていて、感情の機微をなかなか解さない彼女が「ラインハルトの心を見たい」というレベルマックスの難行に挑むなら見守りたい。
個人的に帝国の女性差別きっつい、と思ったのが、ラインハルトの家の衛兵でさえ「ふてぶてしいやつだな」「ここは帝国宰相ラインハルト・フォン・ローエングラム公の邸宅なんだぞ」とワンちゃんに対する言葉に見せかけてラインハルトの家に入るヒルデガルドに(たぶん)言葉を投げつけていたこと。ヒルデガルドはそれを意にも介していないが、ヒルデガルドの外部評がなんとなくわかる。
まとめと小ネタ
・あっ、あの軍服の下ってシャツなんですね(何回も言ってる気がする)
シャツがチラ見えするところ、ラインハルトが自分の心を開くような演出で良いな〜と思った。ラインハルトが出てくる最初のシーンがラインハルトのお着替えシーンだったから尚更
・ヒプノシ●マイクでも使ったのかラインハルト
イゼルローン要塞に連れてこられた帝国の捕虜がラインハルトに対して熱狂的な忠誠心を見せるところ、薄気味悪さまで感じた。もうこれはこれは東方天乙統女様みたいにヒプ●シスマイク使って精神干渉したとしか思えない。
・わんちゃんかわいい
・ラインハルトとヒルデガルドが癒し
・ラスボスはキルヒアイス!