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あの時会社員に戻っていなければ、私はフリーランスになれなかった




起業の道へ進んだのは、やりたいことがあって独立します、とか、キラキラしたホテルであふたぬーんてぃーが楽しみたいとか、そういうんじゃなかった。



組織生活に身を投じるとどうしても頑張りすぎて自分が潰れてしまい、このままでは仕事にころされる、と本気で思ったから。


転職をしても状況は変わらず、私は保育士だったけど保育士とかそういうのではなく、そもそも会社員という組織での生活に向いていないんだと、自分に「社会不適合者」と名前をつけて、逃げた。ただの社会からの家出少女だった。



これからどうすればええんや、とふらふら彷徨う中でたどり着いたのが、起業・フリーランスの島。ここなら私も自分をころさずに、仕事を嫌いにならずに、人生を諦めずに済むのではないか、と希望がわいた。



そして挑戦をはじめるものの、その道は思ったよりも険しくて。うまくいくことなんて一つもなくて、とにかく苦しい時間ばかりがすぎた。


結果が出ずに、結果が出るまでの行動もできずに、


気付けば1年半が過ぎていた。



イライラした。起業したいと思いながら何も行動できない自分に。ハッキリ言うと、吐き気がするほどうっとおしかった。



変わりたいと願っているのに、変わろうとしない自分。どうしたいかはわかっているのに、動けない自分。



本気出せば私は成功できると、どこから湧いてくるのかわからない自信があるのに、本気を出さない自分。がむしゃらになれない自分。夢中になれない自分。半年前と同じことを、まだ今も悩み続けている自分。


現実はなにも動いていない。




そして私は起業を諦めた。



あれほど向いていないと絶望していた会社員に戻った。



ーー


会社員に戻って思った。


「私はやっぱり、雇われて働くことが向いているんだ」


心の底から思った。誤解を恐れず、思ったことをそのまま書くと「会社員の方がよっぽど楽やん」と。


会社に馴染むことに比例して「起業しようとしていた時の自分」はだんだんと薄れていった。


「24時間発信のことを考えていた自分」
「どんな人の役に立てるのかと必死に脳みそを絞っていた自分」


泣いたり喚いたり怒ったりしながら起業に向き合ったり、向き合うふりして向き合わなかったりしていたあの頃の自分は、「いい思い出」として心のアルバムにしまいこまれていった。


自分が起業しようと思っていたこと自体は忘れたことはなかったけれど、「こっちの世界(会社員)でうまくいって、起業とはおさらばだろう。コーチとして活躍することはもうないだろうな」と、何の疑いもなくそう思っていて。


その証拠に、働き始めてからは「どうすればもっと会社に貢献できるか」「どうすれば上の役職に行けるか」と当たり前のように考えていて、その会社に骨を埋めることを想像していたように思う。頭の中にでっかい紙を広げて将来図を描いたりしてたな。



悔しかった。うん。悔しかったと思う。

せっかく描いた「起業」という夢が、うまくいかなかった思い出になる未来が。


だけどその気持ちをごまかすことができるくらいには、仕事が忙しくて楽しかった。


いや、もしかしたら「楽しかった」と言い聞かせていたのかもしれない。「起業するあの苦しさをもう一度味わうのなら、今の方が楽しい」と。


ーーー



だけど入社してわずか4ヶ月後、もう一度起業に挑戦することになった。



きっかけは上司と揉めたこと。「会社員ならこのくらいの理不尽に耐えるのは当たり前です」と一蹴され、これが会社員の普通なら私はやっぱり耐えられないと思い、あっけなく退職したのだ。


会社が悪いわけでも上司が悪いわけでもなんでもない。ただ、私が「会社員の普通」に耐えられなかった。


完全に、完全に、
会社員という選択が私の中から消えた瞬間だった。


起業するしか、フリーランスになるしか、はたまた石油王と結婚するしか、私に選択肢はなくなった。



それからは早かった。
あれよあれよという間に、発信からお問い合わせをいただけるようになり、自分のサービスが売れたのだ。


今まで燻っていたのがなんだったのかと思うくらい、一瞬の出来事だった。またもや誤解を恐れずに言うと「起業ってこんなにシンプルで簡単な話だったのか」と思った。


ーー


会社員に戻るという一見遠回りに思えるこの選択。



私はとてもナイスな選択をしたと思っている。選択を間違えてばかりの私だけど、あの時会社員に戻るという選択をしたのは本当にナイスだったと思う。


あのとき戻らなければ「起業したい」「フリーランスになりたい」と思うだけで、今でもスイッチを入れられていなかったと思うから。


あの4ヶ月がなければ、いま私はここにいない。この景色は見れていない。


この世に絶対はないけれど、「絶対に」今私はここにいない。そう断言できる。


絶対に関わることがなかったであろう遠くに住むクライアントさんと出会うことも、いろんなご縁で関わらせていただくことになった方と出会うこともなかったと思うと、それだけは信じられないくらい怖い。


今、いろんな理由で起業を諦めそうになっている人もいると思う。会社員に戻る選択が頭に浮かんでいる人もいると思う。すでに会社員に戻る、続けるという選択をした人もいると思う。


私は、それでいいと思ってる。


私にとって会社員に戻ったことは、何よりの近道になった。


私には「会社員としてもう一度やっていけるかもしれない」という退路があった。起業する覚悟を決めなくてもいい理由があった。



私の覚悟は、会社員を辞めた時に、完全に退路が断たれたことで決まったと思う。決まったというか、決めるしかなかった。決めるしかなかったというか、勝手に決まった。


根性論を言いたいわけじゃない。私はメンタルマッチョじゃない。だけど起業には「覚悟」が必要だと心底思う。



だけどその覚悟は、自分の意志やモチベーションだけで決めたり持てたりするものではないのでは?と思っている。少なくとも私はそうだったから。



起業しようと思った当初から、いつだって本気だった。いつだってやってやるつもりだった。でも、全然うまくいかなかったから。


私たちの人生に起業が必要なら、どんな道を辿ったとしても、仮に遠回りに見える選択をしたとしても、必ず私たちはここに戻ってくる。


今は遠回りだと思える選択をしたとしても、それが私のように起爆剤になることもあると思う。それがきっかけで、強くなってまた戻ってこられる。



私は、そう思っています。そんな道を歩んできました。


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◾️河北あおい

元保育士のフリーランスコーチ。働き方やセカンドキャリア、フリーランス1歩目のサポートをしています。保育士として人生捧げる→働きすぎて限界→キャリア迷子→裸足のままフリーランスへ。

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