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起業しようか迷うのは覚悟が足りないのか?→退路があるのでは



以前、「起業しようか迷うってことは覚悟が足りないのでしょうか?」という相談を受けた。


私は「わかりません」と答えた。


「ただ迷うということは、退路があるのでは?」と付け加えて。



▼この記事を書いた人

対話を仕事にしたい方の、ゼロからお客さんに出会うまでのサポート。「職業=わたし」を極めるため、日々鍛錬してます🦭

保育士として人生捧げる→働きすぎて限界→裸足のままフリーランスへ→挫折して会社員→からの再起

自分も仕事も「いい感じ」の生き方へシフト



起業に本腰入れられなかった理由


(この記事を書くにあたり、少し私の話が続きます)

私は1年前の秋、コーチングで起業することを諦めて、いちど会社員に戻っている。



起業したい、コーチングを仕事にしたい、自分の名前で生きていきたい。そう決めてからすでに1年半が経過した頃だった。





起業したいと心の底から願っているはずなのに、行動が伴わなくて。熱い気持ちはあるはずなのに、それとは裏腹に、結果に結びつくまでの行動が全然できなかった。



私が本腰入れて起業に挑戦できたのは、その会社をやめたときだった。ちなみにその会社はたった4ヶ月で退職した。



退職理由は2つあった。



1つ目は「これってなんか理不尽じゃないか?」と思うような出来事が100個ほどたまってきた時、上司と揉めたこと。


「会社員なんだからこれくらいの理不尽に耐えるのはあたりまえ」と言われ、「これが会社員としての普通なら、私には会社員はたえられない」と思った。



もう1つは、そのタイミングでハタチの弟が交通事故にあったこと。生死をさまようような大きな事故だった。



これからどんどん人生が楽しくなるであろうハタチというタイミング。



弟の事故を受けて、生きるとか死ぬとか、これからの人生とか、そういうでっかいテーマを向き合わざるを得なくなった。(奇跡の回復力で今はピンピンしてます)




どうすれば後悔しない人生を歩めるのか……



私は、やっぱり起業するしかないと思った。


それからは、ズンズン行動できるようになった。



”会社員”が退路になっていた




そもそも起業しよう、フリーランスになろうと思ったきっかけは、保育士として組織の一員になって働くことと相性が合わなかったこと。



転職を繰り返したあげく、自分に「社会不適合者」と名前をつけて組織生活から逃げた。



フリーランスや起業は、救済措置に見えた。この世界なら私も生きていけるのではないか、と。



だけど、起業に挑戦する私の心の片隅には、「会社員(や保育士)として今の私ならもう一度やっていけるかも」という思いがあった。



組織生活には絶望していたけど、会社員なんて二度とやりたくないと思っていたけど、その思いとは裏腹に「組織の一員としての自分をもう1度だけ試しておきたい」という自分への期待があった。



私は仕事が好きだった。会社員として活躍している人たちがまぶしくて羨ましくて仕方がなかった。自分にはできないことだったから。本当は私も、そういう人になりたかった。




私には会社員という退路があったのだ。なにがなんでも起業しなくちゃいけない理由がなかった。




会社に復帰し、4ヶ月で退職した時、そこで完全に「会社員として生きる」退路がたたれた。



フリーランスになるしか、起業するしか、生きる道がいよいよなくなった。



覚悟がきまったというよりは、きめるしかなかった。きめるしかなかったというよりは、勝手にきまった。



要は、覚悟というのは、退路があるか、ないか、という話だったように思う。



極端かもしれないけれど「あと10キロ落とさないと、病気になるかもしれませんよ」と「あと10キロ落とさないと、病気になって命は1年しかないですよ」だと、ダイエットにかける思いがかわってくる。


なんとしてでも10キロ落とすことを考えると思う。


なんか、、なんか、そんな感じに近かった。




退路は意外と多くある



退路というのは私の場合は会社員への復帰だったけど、パートナーの稼ぎがあるから当面は生活ができる、とか、あと半年はなにもしなくても生きていける貯金がある、とか、そういうのも退路になる。



退路なんてないよ、と思っている人もいるかもしれない。でも、退路というものは私たちが思っているよりも意外と多くある。



起業に挑戦する中でいちばん難しいと感じたことは、”自分を監視・管理するのは自分しかいない”ということだった。




するもしないも自由
締め切りはきめられてない
やらなくても誰にも怒られない
休んでもやらなくても誰にも迷惑をかけない



それらから解放される自由を望んで起業したいと願ったはずなのに、いざ自由が手に入った時、強制力のない中で自由をコントロールすることはあまりにも難しいと感じた。



誰の監視も管理もない中でやっていかなくちゃいけない。退路があると、それはいくらでも「やらない理由」になる。



「起業しようか迷うってことは覚悟が足りないのでしょうか?」


わからない


でも、迷うということはやらなくてもいい理由が必ずどこかにあるはず。



あと10キロ落とさないと命は1年と言われたら、「ダイエットしようか、しないか」それ自体はそもそも迷わない。



パーソナルトレーニングに通うとか、食事制限をどうするとか、とにかく「どうすればそれが叶うか」を考える。




いざという時の選択肢




少し話が飛ぶようだが、いざという時の選択肢は、私たちの挑戦を後押ししてくれると思っている。


私はコーチとして、少しずつ稼ぐことができてきて、「このままいけば大丈夫だろう」と思えるところまできた。


これまでの期間、そして今も、「いざとなったら保育士免許がある」というのは、私自身をずっと支えてくれている。


いざとなったら保育士に戻ろう
どうしようもなくなった時は復帰しよう


それは自分のお守りのようにもなっていて、自分のことを安心させてくれていた。



この文章を書くにあたり「いざとなったら保育士に戻ろうという考えは、退路にならなかったのか?」と、ふとそんな考えがよぎった。



ここまで書いてきた話の流れであれば、私には保育士に戻るという退路があったとも言える。



ただ、それはちがうと言い切れる。




私は「保育士に戻ること」を受け入れてはいない。そもそもそれは、選択肢にない。



”いざとなったら”の話であって、進んでいった先に”どうしようもなくなったそうしよう”なのである。



退路というのは、言い換えると、「受け入れられる選択肢」なのかもしれない。



保育士に戻ることを私が受け入れていたら、そういう未来でもいいか、と思っていたら、きっとここまで進んでこれなかったと思う。



結果が出るまでの期間



私はあなたがこれから進もうとしている道を、ほんの少しだけ先に歩んできた。



あなたがこれから進もうとしている道が簡単ではないことは、自分の経験を持って痛感している。



結果が出るまでの期間をなんとか耐えなければならない。



昨日、今日書いた記事に
反応があるわけではない。

渾身の1投稿は
すべっておわる。

企画をしても
申し込みはゼロ。

問い合わせ窓口にしている公式LINEは
うんともすんとも言わない。

「買ってください」と言っても
あたりまえのように断られる。

家族には
詐欺をしているのではないかと疑われる。


どうにかして、その期間を耐え抜くしかない。


それでもたんたんと、心を鬼にして、続けていかなければならない。



苦行のように聞こえてしまっているよね、ごめん。でも私が歩んできた道は、少なくともこんな感じだった。


投稿しても結果に繋がらないなら「書かなくてもいいか」と思えてくる。企画をしても申し込みがないと「こんなに時間をかけて考えたのに申し込みがないなら」と次の企画をするのが億劫になる。「買ってください」を断られると「どうせ買ってもらえないんだろうな」という気持ちが先行する。



退路があると、選択肢が残されていると、すべて「やらなくてもいいか」という気持ちに繋がっていく。




結果が出るまでの道のりが苦行なのだとしたら。



私がその苦行を耐えてこれたのは、メンタルがつよつよだったとか、やり抜くパワーがあったとか、そういうんじゃない。



「これを耐えた先にある結果を掴むしか、残された道はない」という気持ちだった。



投稿して結果に繋がらないかもしれないけれど、繋がる可能性が1パーセントでも増えるなら、と投稿を続けてみた。申し込みがゼロを覚悟して、でも1人でも申し込んでくれる可能性があるならと「こんなことやります」と言ってみた。買ってもらえないかもしれないけれど、可能性はゼロじゃないと、「買ってください」と言ってみた。


たった1%の可能性を信じ続けて、今日があるのだと思う。


ただ、1%の可能性にかけられるほど、人間は強くない。




もちろん私もそう。


繰り返しになるけれど、私がその苦行を耐えられたのは、退路がなかっただけなのだ。



やらなくてもいい理由



もし、あなたが思ったように行動が伴なっていなくても、覚悟が決まらなくて悩んでいても、自分のことを責めないでほしい。


あなたはなにも悪くない。決断力がないとか、行動力がないとか、モチベーションがどうとか、そういう話ではない。



”やらなくてもいい理由”がなにか存在するのではないでしょうか?



起業しなくても生きていける選択肢が残されているのではないでしょうか。


もし、行動が伴わなくて、覚悟が持てなくて、自分を責めそうになっているなら一度考えてみて。



絶対、起業じゃなきゃダメなの?
絶対、フリーランスじゃなきゃいけないの?

幸せに生きていく方法が、他にも思い当たらない?




「いやあ、それしか思い当たらないんだけどな」と感じる人もいると思う。私もずっとそうだったから。


ぜったいに起業してやる
コーチとして生きてやる

って、もちろんずっとずっと本気で思ってた。



だけど振り返って思うのが、私には会社員としてやっていけるのでは?という選択肢が残されていた、ということだった。



私は、あなたが幸せに生きていく未来に、「起業」や「フリーランス」「独立」などが必要なのであれば、いずれ必ず挑戦すると思う。



私も結果が伴わない期間、「もう起業なんてやめてやろうかな」なんてこと、何百回と考えたけど、「自分が幸せに生きていくにはそうするしかない」って心の片隅でずっと思い続けていて。



自分の必要なことだったから、こうして進んできたのだろうと思ってる。



「起業しようかな、やめとこうかな」って悩んでいる時間が一番苦しい。というか何事においても、決めきれていない悩みが頭にあるのは意外としんどい。頭の容量をくう。悩むのってめちゃくちゃ体力使うから。


するか、しないか、決めたらスッキリする。

やるか、やらないか、決めると楽になる。



本当にそれが私たちの人生に必要なら、いつか覚悟する日が来る。いつかやる時がくる。自分の人生を諦めなければ、勝手にそうなる。


だから、今「しない」と決めても、それが必要ならいつかする。今「する」と決めても必要ないなら、たぶんしない。


迷って悩んでいる時間は意外としんどい。もしあなたが迷って悩んでどうしようもないなら、「やるorやらない」を一旦決めるといいかもしれんなあ、と思う。今決めたこと、明日変えてもいいんだからさ。


あとは流れるままに進んでいけば、どこかにたどり着く。



なんか、そういう感じだったから、そういう感じなんだと思う。




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◾️河北あおい

対話を仕事にしたい方の、ゼロからお客さんに出会うまでのサポート。「職業=わたし」を極めるため、日々鍛錬してます🦭

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