起業とは、自分と向き合うこと
起業、そしてコーチという仕事は、まさに自分自身と向き合うことと同義でした。
「考えすぎ、考えすぎ」と言われながら大きくなりそして社会人に。起業したりコーチを志す前も、自分については深く考えていたタイプの人間だったと思う。
コーチングを仕事に選んだ理由も「どうしたって私は考えてしまうのだから、考えることを仕事にしよう」と思ったから。
だけど私の思っていた「考える」と「起業における考える」は同じようで同じじゃなかった。
自分と向き合うことは困難を極めました。深い深い闇の中をのぞくような感覚にさいなまれ、自分の弱さやずっと抱えている問題と直面することになったのです。
最初は意気揚々と起業の道へ進み始めました。
だけど日が経つにつれて、描いている理想とは裏腹に厳しい現実と直面していきました。それは「売れない」や「集客がどうのこうの」ということではありません。
自分自身と向き合うことそのものに対してです。
以前クライアントさんが、「起業をすると自分が抱えている課題が浮き彫りになる」ということを話してくれました。
まさにその通りだと。起業すると、自分の抱えている課題の深刻さや悩みのありかが明確になっていきます。
起業に挑戦する中で「こんなはずじゃなかった」と感じたことは数えきれないほどありました。
「こんなはずじゃなかった」というのは、「これほど起業が難しいだなんて」「これほど集客が難しいだなんて」などという話ではありません。
「こんなに自分の抱えている課題そのものが、起業の足枷になるなんて」ということです。
驚きました。自分がこんなにもたくさんの課題を抱えていて、それらが起業の足を引っ張ってくる。おまけにその1つずつを解決させることは簡単ではない。
その課題は越えるたびにまたやってきて、しかもどんどん大きくなり、「今度こそこれがラスボスじゃね?」と思っても、さらに先にまだボスが待っている。
”こんなはずじゃなかった”
そう思うことばかりです。
自分と向き合うというのは、過去の痛みや自分の恐れや不安と真正面から向き合うこと。その過程はとても苦しく厳しくて孤独です。
起業、そしてコーチとしての道を歩む中で一番辛かったのは、自分が思い描いていた未来が手を伸ばせば届くところに差しかかったとき、「自分の課題」が未来を掴み取ることを阻むことでした。
1歩ずつ進んできてようやく手に入りかけたその瞬間、全てが遠のいていく。丁寧に積み上げてきた積み木を根こそぎなぎ倒される。そんな感覚を何度も味わいました。
そのたびに、考えました。
なぜ私はこうなってしまうのか、と。
自分なりに答えを見つけ歩み出しても、また次の課題に行手を阻まれる。
「自分は本当にこれをやりたいのか?」
「これが自分の進むべき道なのか?」
行手を阻まれるたびに”起業することそのものを”考えざるを得ないことばかりでした。どう考えても「起業しない」という選択の方が、よく見えてしまうのです。自分の本音を丸め込むことさえできれば。
起業は自分と向き合うことの連続です。起業しようと決めてからはずっと「で、私はどうしたいの?」と問い続ける日々でした。
「あんたはどうしたいの?」なんて、普通に生きていても誰にも聞かれませんから。
時の流れに、周りの流れに、一緒に流されているのは楽です。「私はどうしたいの?」なんて本来は考えない方がマシなのです。そうすれば変な争いも起きませんし、余計な考え事は減る。
だけどそれは違う。
起業は、ただ働き方を変えるなんていう生半可なもんじゃない。そんな軽いもんじゃない。
自分と向き合いながらどうにかして足掻きながら、それらを手にしていくのだと感じています。
どれほど辛い状況にあっても自分と向き合い続けた先に必ず光が見える。悩み、迷うこともある。だけど、その過程で感じる苦しみや葛藤もすべてが私たちを作ってくれる。そう思ってます。
私たちが自分を信じる気持ちを持ち続ける限り、それらと向き合ってい続けている限り、その先にある未来では絶対に笑っている。絶対に、絶対に。
(そうじゃないと採算が合わないよな!!!!!!それは神様いじわるすぎるわ!)
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