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再びの、首都

総会が終わって、なんだかんだディレダワに帰ったはずなのに、結局1週間でまた首都にやってくることになってしまった。
一時退避のために。


先週の23日水曜日から始まった反アビィ首相の抗議デモ。これまでの死者は政府発表数で67名。うち任地ディレダワでは少なくとも7名が亡くなっているそうである。

日本語の記事もでた。

ヤフーニュースや日経、読売でも記事を見つけた。英語版の最新情報はこちら。


抗議デモが始まって3日目の25日金曜日。ロシア・アフリカ首脳会議に出席していたアビィ首相が帰国する予定とのこと。
帰国後に抗議デモへの声明を出すだろう。しかしそれによってデモは激化するかもしれない。首都アディス(アベバ)への陸路はいくつか封鎖されている。それが空路に及ぶ可能性もあり、万が一あなたがディレダワに取り残されては大変だ。
だから、今日の飛行機で上京してください。

こうして私は首都に退避してきた。なお、該当地域の隊員は私だけである。


金曜日はバタバタして連絡どころではなかったので、今日配属先の上司たちに電話をした。JICAが先に話は通してくれていたのだけど。

直属のオロモ人の上司は「ディレダワは今こんなに安全なのになぜだい?」と言う。

次に話したアムハラ人の大ボスは「うん、君は1・2週間アディスにいた方がいい」と言う。

この見解の違いはなんだろうか。

オロモ人は今回のデモを起こした民族グループで、多民族都市ディレダワでも割合が高い。上司は今までの感じだと親アビィ派なので、関わっているとは思わない。恐らく火消しの調整に走り回っている方ではないだろうか。彼としては、もう上手く治めた、としたいんじゃないかな。

一方アムハラ人はディレダワでは少数派である。今回デモが起こっている地域では、反アビィ氏の運動が民族間・宗教間対立に拡がっているというから、大ボスは結構大変な立場なんじゃないだろうか。少数派である彼の視点は、外国人である私の視点により近いと思う。

先週別部署の、こちらも少数派のティグライ人のボスに状況を聞いたとき、「自分の妻子は今家々を転々としてるんだ」と言っていた。ひとところにいたら狙われてしまうのだろうか。

皆それぞれに複雑な想いを持っているんだろうな。私も、複雑。


一時退避の期間は、ひとまず1週間。
動向を注視したい。

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