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長い、長い、長い、半日。
私がどこかに行こうとすると、トラブルが起きがちである。
修学旅行先で入院したり。
フランスから帰国するフライトがキャンセルされて翌日になったり。
フライト遅延で家に帰る最終の長距離バスを逃したり。
旅の初っ端に長距離バスが無連絡で1時間半やって来なかったり。
これだけあると、皆そんなもんなのかなと思わないこともない。今回のnoteは、ここに加わった新たなエピソードの話。
10月25日の朝9:30頃、私は任地から首都アディスアベバに上がってほしいと言われた。
今日は体調悪いから寝てようと思ったのに、それどころではない。朝測った体温は平熱だったし、体は動く。
急いで荷造りをしなくては。
バックパックに詰めるものを用意していると、視界の端に動くものが。え…?とやった視線の先にはゴキブリ(G)さんが。
我が家には常時5匹くらいのヤモリさんたちがいて、いつも周辺をパトロールしてくれている。そのおかげか、ここ3・4カ月くらい見てないはずだったのに、なんで今…?
しかも昼に出てきたことなかったじゃん。
追いかける心の余裕はないが、床を這いまわられても困る。幸い今はカバンの上でもぞもぞしているので、とりあえず押すだけベープを3プッシュして動きを鈍らせ、そこから動かなければいいやといったん放置。
そのカバン、使いたいんだけどな。
そこから荷造りしつつ、数分おきに居場所を確認。よし、そこにいるな…ってペットか。違うわ。
準備しながらかがんだりしているうち、異変を感じる。足が震える。頭がぐわんぐわんする。この感覚は知ってるな…と思いながら体温を測ったら38.5℃あった。
今週ずっと体調悪くても平熱だったじゃん。なのに、今…?しかし荷造りの手を止めることはできない。ここでいかないと、困るのは私。いいのか悪いのか、前職のときに39℃までは身体は動くということを学習している。大手メーカーの営業さんも同意してくれた、できれば使いたくない知識。
そうこうしながらGの状況確認。まだ生きてるので押すだけベープ3プッシュ追加。
過去にも紹介したことがあるけど、研修中に蚊対策でお勧めされるこの押すだけベープ、10分くらいかかるがエチオピアではGにも効く。追加分でひっくり返ってくれたので、始末。やっとカバンが開けられる。
本当は引き出しの中にも小さいGを見つけたのだけど、もうそっちは見なかったことにしてそのまま閉めた。誰しもこれくらいの雑さが必要な時が、割とあると思う。
なんとか荷物をまとめ、最寄りの空港に着いたのが12時過ぎのこと。ここからが長い。なんせ私のために用意されたフライトの時間は18:40だ。7時間の空港待機。
これにも訳がある。緊張状態にある街で、道路封鎖が行われて空港に行けなくなると困るからだ。だから荷造りが終わったら、なるべく早く空港に行く必要があった。
あと、もっと早い便は満席だった。
この時間をどうやってつぶそう。iPadの電子書籍を開こうとしたら、「本棚の同期をしてください」の一点張り。Wi-Fiもテザリングも電波が弱すぎるのか使えない(任地の電波は3Gだ)。オセロのゲームを開いてみたけど、無理。なんも考えられない。
座っているだけなのに身体がポカポカする。節々と筋肉が痛い。頭痛い。首のリンパ?も痛い。でも寝るわけにはいかない。
結果、フォローしてるnoterさんのnoteをひたすら読んだ。ほのぼのした日常の話とか、美味しいものの話を。大量にスキつけて不審がられたらどうしようと思ったけど、気が紛れて本当に助けられました。
アジア人ってだけで目立つのに、マスクして時々ぶつぶつつぶやいて(「あと〇時間…」とか「あたまいたい…きもちわるい…」を口に出すスタイル)何時間もロビーに座り続ける私はたぶん近寄りたくない相手だっただろうに、ちゃんと「アディスに行くの?チェックイン始まってるよ?(前の便のやつ)」と何人か話しかけてくれた現地のスタッフさんもありがとう。さすが空港職員はエリートだなと思いました。
なんとかこの空港待機を乗り越え、搭乗。
初めて夜便に乗ったけど、街の明かりが本当に少なくて、あぁやっぱり途上国なんだな…とか考える余裕はあった。途中プラネタリウムかな?ってくらい星空が綺麗に見えたのにはちょっと感動した。
待望の着陸。荷物もピックアップした。あとはホテルに向かうだけ。
あと約30分のがまん…明日は病院行こうな…と自分に言い聞かせながら重いバックパックとPCバックを運ぶ。
もう夜だし、なによりしんどいのでアプリでタクシーを呼ぶ。首都にはちゃんとタクシーアプリがあるのだ。料金がメーター制のやつ。一応その辺にいたタクシードライバーにホテルまでの料金を聞いたら300ブル(約1200円)と言われた。アプリのタクシーなら1/3以下の金額やで。
呼んだタクシーが到着したので、ドライバーに挨拶し、後部座席に荷物を入れる。と…。タクシーが動き出した。
私の左足に乗り上げる車の右後輪。
い、た、痛いイタイいたい!!
…っおっまぁえぇはアホかぁぁぁっ!!!!!
思わず日本語で怒鳴ったわ。
「そう叫ぶな、どうしたんだ」とやってくる駐車場の管理員のおじちゃん。
いやだってこの人私の足轢いたんですけど!!?とものすごい剣幕の私におじちゃん押されたのか、降りてきた運転手と激しい口論を始めた。アムハラ語なので内容はよくわからん。
その合間に私は荷物を降ろし、ちゃっかり管理員のおじちゃんの後ろにまわって「あんたの車には絶対乗らん」アピール。
運転手も轢いたのはヤバいと思ったのか、あっさり謝罪して大人しく引き下がった。
我ながらビックリしたんだけど、足って轢かれても平気なんだ…。ごついトレッキングシューズだったのも良かったのか、タイヤの跡すら残らなかった。でも車にのられてる最中は、翌日行く病院1つ増えたと思った。
仕方なく別のタクシーを再手配。
繰り返しますけど、私の熱、38.5℃。
もうしんどい。早く寝たい。
やっと来た2台目に乗るとき「Don't move」って運転手に言ったけど、それ、タクシー強盗のセリフやったな。
ようやくホテルにチェックインして、調整員さんに到着報告をしたのが21:30。
ちょうど半日。
長かった。よく乗り切った。
熱を測りなおしたら38.6℃。すぐ寝た。
こんな感じで私の移動トラブルエピソードに「38.5℃で7時間空港待機、車に轢かれる」が追加された。
※注)発熱しても今移動する!と決めたのは所属組織ではなく私です。念のため。
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