私たちに必要なものは具体的なアクションだと思うんだ
昨日の話。
先日丸1日かけるような会議があった。アムハラ語で行われ、正直内容がなんの話をしているかくらいしか分からないので、私は長い会議には出ていない。そこで、事務所で一番インテリなおっちゃんに「なんの会議だったの?」と聞いた。
「二部構成でね、前半はスタッフが上司の業務評価をしたんだよ。」と。
意外だった。とてもトップダウンな社会に見えていたけれど、そんな風に一般職から上司を評価できる制度もあったんだ。
なんでもまず本人の自己評価を発表したのち、一般職からの意見を聞いていき最後は投票で決まるとのこと。結構シビア!評価はABCの3段階で、うちの上司3名は全員Bだったらしい。
後半は?と聞いたら「今度は逆だよ。一般職一人一人の評価を皆で議論するんだ。」と言われて二度驚いた。個人評価の公開ディスカッション、強いハートが求められている…。
ちょっと気になったのは、自己評価に対して意見を述べることをおっちゃんが'criticize'と言っていたこと。なかなか殺伐としそうな会議である。次回はちょっと出てみたい。
今回全体的にB評価で、理由を聞いてみたら「A評価がつくのはパーフェクトな時だけだ。今の事務所のサービスに市民は誰も満足していない。」と副市長が語ったそうである。
日々眺めていたらゆるゆるだと思っていたのだけれど、思わぬところでシビアなのだな。
―でも満足度調査とか一切してないのに、どうして市民が満足してないって断言できるの?
「2011年度(エチオピア暦)はセイドーでタイヤを燃やすデモがあり、カバレ05(地域オフィス)も襲われた。学生による求職デモも多かった。こんなこと今までのディレダワでは考えられない。最悪の年だったからだね。」
そうだったのか。タイヤ燃えたのも05の襲撃も私の赴任前だったけど、小さなコンフリクトはそこここで起こっていたから、そんなものかと思ってた。普通じゃなかったんだ。自分の慣れ方もちょっと怖い。
―じゃあ市民が満足するために何をするの?
「仕事を作るんだよ!」
―うん、具体的に何するの?
「人々の意識を変える。」
―うん、で、具体的には?
「政府のポリシーを変えるか、意識向上(awareness raising)だね…」
うーん、以前も似たようなやり取りしたな。
私が期待していた答えは
「企業誘致をする」
「起業家を育てるためにセミナーをする」
「起業をサポートする窓口を設置する」
というようなアクションなのだけど、彼らの口からこういう具体的なアクションは出てこない。
ずっと抽象論を繰り返している感じ。
何でだろう。具体的な仕事にすると彼らの仕事が増えるからか、抽象的な答えだけで満足してしまっているのか。
過去2回くらいこんな流れの会話をした時は「そんな綺麗な言葉使っていても具体的なアクションなかったら何も変わらないでしょ」と言っていたものだけど、もうこれは習慣として具体性がないのだなと漸く理解した。
今すぐどうこうするのは難しいけれど、具体化の練習は一緒にできるんじゃないかな。
そして政府のポリシーは市役所じゃ絶対変えられないでしょ。
もう1つ気になるのは彼らが「仕事がないからいけないんだ」で思考を止めていること。
「市民が満足していないなら、ニーズを調べた方がいいんじゃない?」と提案すると、「いやいや、調査しなくても自明だろ?仕事がいるんだ!」と。
最終目標はそこなんだけどさ、考えるポイントはたくさんあると思うのよ。
仕事の割り当て(distribution)するにも情報の提供の仕方とかさ。大学生なんかは割とスマホ持ってるのに掲示板だけとかは不便じゃないかしらとか、起業は促すのに起業に必要な手続きがまとまってないとか、起業ローンの比較がしづらいとか。
どこから手をつけるか優先順位を考えるのに、調査はある程度必要だと思うよ…。
ということで、この調査を提案して実施するところまで持っていきたい。
書いたからにはやらねば…と自分を追い込むスタイルだ。
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