見出し画像

駆け込みのアルペンルート通り抜け旅行①計画~1日目白馬編

テレビで幾度も観た黒部ダムの特集番組から、黒部ダムとその道程の立山黒部アルペンルート上の様々な乗り物に惹かれること、恐らく5年以上。
アルペンルートを構成する乗り物の1つにして、日本で唯一のトロリーバスである、立山トンネルトロリーバスが今年で運行を終了すると知り、何が何でも今年中に行かねばと、2024年10月の3連休の一人旅を計画・実行した。

本文が大変長いため、取り敢えず旅程だけ知りたいという方は目次の「おおまかな旅程」のみ読んでいただければ。

おおまかな旅程

立山黒部アルペンルートは富山県と長野県を跨ぐ、37kmほどの山岳観光ルートである。
富山県側から入る人が多いと聞くが、私の最大の目的は前述のとおり黒部ダムのため、黒部ダムに辿り着くまでに寄り道しすぎない長野県側から入ることにした。

立山黒部アルペンルートの公式HPから抜粋。画像をクリックするとHPに遷移する(はず)

なお私のこだわりの1つだが、旅行の際には毎回ことりっぷを購入している。
今回も計画段階からとても役に立った。

今回購入したのは富山編のみ

1日目

道中を楽しみながらアルペンルートを抜ける場合の所要時間は7時間程度、とことりっぷに記載されているため、1日目には長野県側の入口である扇沢に近いホテルを取ろうとした。
が、10月の3連休は立山エリアの紅葉を見る人が殺到するらしく、2週間前に確認した際には既に全てのホテルが満室だった。
アルペンルートの公式HPには長野駅からの時間と距離が記載されているが、長野駅からの始発バスは扇沢着が午前10時とやや遅いため、信濃大町駅から近い(とはいえ電車で30分程度かかる)白馬エリアのペンションを予約。
朝8時にJR新宿駅を発車する特急あずさ号で信濃大町駅まで、信濃大町駅から神城駅まではJRの特急しなの号で行くと、正午ごろに神城駅に着く予定。
神城ではペンションのチェックインを待つ間、白馬五竜高山植物園を楽しむ。

2日目

神城駅からJR大糸線の始発電車に乗り、信濃大町駅で扇沢駅行きのバスに乗り換え、アルペンルートへ。
黒部ダムのレストランは開店時間が遅いようなので、扇沢駅のレストハウスにて朝食としてダムカレーを食べてから黒部ダムへ向かう予定。
黒部ダムでは、こちらも今年で運行終了の黒部湖遊覧船「ガルベ」に乗ることを目標とした。
昼食は室堂ターミナルにある「レストラン立山」またはみくりが池近くにある「レストランみくり」で摂りたい。
本当は室堂~立山駅間近辺で1泊したかったが、前述のように繁忙期のため、残念ながら富山駅近くのゲストハウスを予約。
酒飲みゆえ、富山県と言えばホタルイカと寒ブリ!と思ったが生憎どちらもシーズンではないため、夕食の予定は決めきれなかったが、富山湾鮨を食べてみたいと薄っすら考えた。

3日目

「世界一美しい」と評されたこともあるスターバックスコーヒーの店舗が富山駅近くにあるため、そこで朝食を摂り、その後近くから乗船できる富岩水上ラインで岩瀬地区に行こうと考えた。
岩瀬は江戸時代後期から明治時代にかけて交易で栄えた地区で、当時の街並みが残っているとのこと。
ここには日本酒「満寿泉」の蔵元である桝田酒造店があるため、あわよくば日本酒に溺れたい。
その後富山駅まで戻り、北陸新幹線で帰京の予定。

1日目

新宿駅8:00発のあずさ5号南小谷行きに乗車。
2024年10月現在、唯一大糸線直通のあずさのため、これを逃すわけにはいかない。
なお1週間前には指定席券は完売しており座席未指定券を購入し乗車、電車が小淵沢駅に到着して初めて空いた席に着席できた。

松本駅で後方3両を切り離し、大糸線へ。
車内アナウンスが、地元の高校生による大糸線沿線の観光案内に切り替わったり、「北アルプス国際芸術祭2024」の期間中のためこれまた地元の高校生がチラシを配りに来たりと、ちょっと珍しい体験をした気がする。
中学~大学が私立だったためか、地元に根差した活動はしたことがないなと考えたり。

松本を出て見かけた謎の建物。「山と自然博物館」らしい。
Googleで「松本 山頂 建物」と検索してヒット

あずさ5号は神城駅に停車しないため、信濃大町駅にて特急しなの81号に乗り換えたが、あずさ5号もしなの81号も、大半の乗客が信濃大町駅で降車していった。
乗り換え後、仁科三湖あたりでパラグライダーをやっている人を複数名見かけた。
パラグライダーができるスクールが複数あるあたり、人気なのだろうと推察。
一生に一度はやってみたい、だが飛行中に写真やビデオを撮影できるだろうか、などと考えながら、11:54に定刻で神城駅に到着。

駅を出たところで白馬五竜高山植物園の名前を冠したシャトルバスに遭遇。
12:00発で、無料で植物園下のエスカルプラザまで行くというため乗せていただいた。
到着後、1階でゴンドラの往復券のみを購入し、いざ植物園へ。
観光客はそこそこいたが余裕があったのだろう、8人乗りゴンドラは貸し切りで案内された。

標高1515mのゴンドラ山頂駅到着後、まず昼食を摂った。
レストランはエスカルプラザにもあるが、ゴンドラ山頂駅併設のレストランの見晴らしが良いと聞いていたためスルーしたのだが、
エスカルプラザのメニューは蕎麦やガレット、一方山頂のメニューはイタリアン・洋食。
旅行の際には現地ならではのものを食べることにこだわっているため、山頂で蕎麦をいただきたかったが、残念ながらメニューになかった。
悪あがきして、信州産きのこをふんだんに使用したクリームパスタを注文し、せっかくなのでテラス席でいただいた。
雲は出ていたが青空で、少し寒かったが見晴らしは最高だった。
植物園近くにもスクールがあるためか、パラグライダーを沢山見た。

昼食後はいよいよ植物園へ。
私は徒歩で散策したが、ゴンドラ券と同時にリフト券も購入すれば、リフトから植物園を楽しむことが出来る。
植物園はスキー場のコース上にあり、ゴンドラ山頂駅からはずっと上り坂である。(ゴンドラ「山頂」駅なのにまだ上るのか、と思うが……。)
個人的には、高山植物は春夏に綺麗な花を咲かせるイメージがあり、秋は地味だろうと期待薄で行ったが、
ヤマオダマキやヒマラヤトラノオ、ノコンギク、オヤマリンドウなどの花やシラタマノキなどの果実を見ることが出来た。

ヤマオダマキ
ヒマラヤトラノオ

植物園を上っている間に、アルプス平自然遊歩道への分かれ道を見つけたため、そちらへ向かったところ、少し紅葉を見ることが出来た。
この遊歩道は一周片道30~60分で、地蔵ケルンという当該植物園・スキー場の頂上(標高1676m)や、リフトの終点を通る。
写真を撮りながら歩いていたのと、靴がスニーカーでトレッキングに適しているとは言えなかったため、ゆっくりと70分ほどかけて一周した。
道中には鐘が複数あったが、霧鐘の一種なのだろうか。

地蔵ケルン
薄ら白く見えるのは氷河か否か…

植物園を後にし徒歩で、予約していたペンション「わたぼうし」へ向かう。
Booking.comの選択肢は素泊まりのみだったが、公式HPによると予約すれば夕食・朝食を付けられるとのことで、チャットし夕食を追加いただいた。
少なくとも夏季は、周辺には開いている飲食店がほとんどないためである。
また、チェックイン時に聞いたが、事前に連絡を入れていればエスカルプラザまでの送迎が可能とのこと。
翌日は朝早いがJR神城駅まで車で送ってくださるとのことで、お言葉に甘えさせていただくことにした。

泊まった部屋。1人向けのお部屋が多いらしい

夕食は写真に撮っていないがなんとコース形式で、本当に2000円で良いのかというボリュームのお料理をいただいた。
ご夫婦お二人で経営しているペンションなのにすごい。
昼に逃して悔しい思いをしていたお蕎麦(しかも手打ち)もいただくことが出来た。
川魚(イワナだった記憶だが、ヤマメだったかも……)の塩焼きも美味で、良い意味で田舎体験ができた。
デザートにはスイートポテトとリンゴ「秋映」が出され、秋映は初めて食べたのだが、果汁たっぷりでとても好みだった。
なぜ皮があんなに黒っぽいのかが気になる。

夕食後にわたぼうしのご夫婦と少しお話をした。
旦那さんはバイクに乗られていて、なんと受賞経験もあるとか。
2010年代には奥さんとお友達の計4名で、バイクでスペインを旅したらしい。
道理でHPの所々でツーリングやバイクが推されているのだと、納得。
長く楽しめる趣味があるって素晴らしいし、ご夫婦共通の趣味があるのも素敵。

館内に素敵なバイクも飾られていた。スペインを廻ったときの、と聞いた記憶

少し前にリニューアルしたとのことで館内はとても綺麗、食事にも大満足、ご夫婦はとても素敵、なのでまた冬のスノボシーズンか春夏の高山植物シーズンに泊まりに行きたい。

ペンションの前で撮った星景。開けた場所ではないため、レンズは真上に向けるしかなかった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?