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ヨーグルトと、新しい自分。

初めてのヨーロッパ旅行で、数日プラハに滞在したときのこと。

パンにも肉にも飽きてしまって何も食べる気が起こらず、日本食に焦がれていた私を救ってくれたのが、ホテルのビュッフェにあるヨーグルトだった。

りんご、メロン、ぶどう、スイカ、バナナ、パイナップル、、、どっさりのフルーツポンチをお皿にとって、その上からヨーグルトをかける。たいていはプレーン、時々いちご。マーマレードやプルーベリーのジャムを添えるのも美味しかったな。

日本に帰ってきてからも、ついついヨーグルトを手に取ってしまう。それまではヨーグルトとは縁遠い生活を送っていたのだけれど、今や冷蔵庫にいつもいる、レギュラーメンバーにまで昇格した。

常にフルーツたっぷりとはいかないけれど、ヨーグルトを食べるたびに思い出す。異国の生活。街中に溢れる歴史の跡、立ち並ぶキュートな赤いレンガ屋根、楽しそうなおじさんのギター、踏み歩く石畳の感触、乾いた風。

はっきりと自分の意思を言葉にしないと、相手には伝わらないということ。言葉にしなくても察することが出来る、日本人の心遣いの凄さ。

文化が変われば、考え方も変わる。”こうしなければならない”って決められていることなんて、何もないんだということ。

ヨーロッパでの毎日がもたらしてくれた新しい見方が、新しい自分の一部になっている。ヨーグルトとともに。

#ヨーグルトのある食卓 #エッセイ #旅

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