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どんな気分でいるかは、選べる

思い通りに事が運ばなかったとき、嫌なことをされたとき。

「もうやだー!何でこんなことになるんだー!!!むきー!!!」と怒ったり、「こんなはずじゃなかったのに。ぐすん。」と悲しんでもいい。その気持ちを、なかったことにしてはいけない。思いっきり浸って、漬かりすぎてしわしわになった漬物のようにしなびてもいい。

「なんでー!?!?」という嵐のような感情が過ぎ去ったら、「自分はこの後どうしたいのかしら?マダム?」と問いかけてみる。すると、帰ってアイドルの動画見て寝よう。とか、誰かに電話しよう。とか、カフェで美味しいケーキ食べてコーヒー飲もう。とか、結局自分の気分が上がる方向へシフトしていく。

どんな感情も、大切だ。自分の心が動いたしるし。生きているしるし。

だけど、今この瞬間にどんな気分でいるかは、自分で選べる。

人は良くも悪くも、一緒にいる人に影響されるものだ。誰かと暮らしていると、巻き込まれ事故も起こりやすい。そんなときこそ、自分の気分を舵取りする、自分船長の腕が試される。

先日旦那と「久々に外でご飯を食べよう!」と車で出掛けたら、幹線道路は渋滞真っただ中だった。業務スーパーの駐車場待ちの車が、左車線を占拠している。混んでいる場所が大嫌いな旦那は、あからさまにイライラして悪態をつきはじめた。道路に並ぶな、行政は店に指導しろ、警備員は何のために立っているんだ、云々。さらに間が悪いことに、出掛けた時間が遅かったから、ようやく到着したお目当ての台湾ラーメン屋さんはランチタイムを終了していて、旦那はプッツン。「もういい、帰る。ご飯なんかどうでもいい、寝る。」

はぁ?

とりあえず努めて明るく「あぁぁ悲しいねぇ。仕方ないから、裏道抜けて他に行こう?」などと言ってみるが、旦那の機嫌は変わらない。残念ながら、頑固モードに入ったら何を言っても無駄だ。旦那はしばらく、イライラモードを堪能したいらしい。

相手の感情の波をダイレクトに受け止めると自分にまでイライラが飛び火して火傷するので、こういうときはさっと受け流すに尽きる。車の窓を開けて外の空気を浴びて深呼吸する。旦那は、透明人間ということにしておく。自分の気持ちを思い出せ。さぁ、心よ凪げ。

実際自分はたいして腹が立っていないので、さて、じゃあ、どうしよっかなー。と考え始める。「近所のコンビニに降ろしてもらって、コンビニパーティーでもしようかな。あ、Twitterでみた新商品のプリン、あれ食べたい。そういえばこの前クオカードもらったから、贅沢しちゃおう。」などと思考が加速し始めたら、しめたものだ。

こちらがひとりウキウキしていたら、透明人間となっていた旦那が息を吹き返したのか、「やっぱりあの定食屋さんに寄ってご飯食べよう?」などと言い出した。おお、ナイスアイデアではないか。

結局定食屋さんの季節限定品を堪能し、向かいのミスドでドーナツ買って帰った。全然思い通りじゃなかったけど、いい日だ。

どんな気分でいるかは自分で選べるのだと知ったときから、私のなんでもない毎日は鮮やかになったなぁと思う。黒い気持ちに飲み込まれてもいい。すぐに気が変わってもいい。どんな日もあっていい、と思えるからかもしれない。

さぁ、今日はどんな日にしようかなぁ。

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