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言葉の瞬発力を高めるために

すっとぴったりの言葉が出てくる人に憧れる。

誰かと話した場面を家に帰ってから振り返ってみると、反省ばかり浮かんでしまう。

「あの人なんでこう言ったんだろう?」「あのことについて聞けばよかった」なんて思うことはしょっちゅうだし、言葉が出てこなくて頭が真っ白になっちゃうこともあるし、場を取り繕って思ったのと違う言葉を発して後悔することもある。

何か心に引っかかっているから、後々思い返すことになるんだろうな。せめてそれをなかったことにしないで、どう思って何を感じたのか、言葉化して掬い上げておきたい。

何か伝え足りなかったり、もっと深く分かりたいことがあるから、こうしてnoteを書いているのかもしれないな。


昔、当時の上司がぽろっと、「自分は口下手だから何考えてるかわからないと言われがちで、会話をしたあとでああ言えば良かった、と思うけど、それに気付くのはいつも数日後で、その頃には相手も忘れているだろうから、言っても仕方がないかな、と結局言葉を飲み込むことがよくあるんだ。」と、打ち明けてくれた。

確かにその上司はどちらかと言えば寡黙な方で、ただこちらの話を黙って聞いているだけのように見えるので、私も何考えてるかわからないなぁ、と思ったことがある。

でも、相談したら真剣に向き合ってフラットに考えてくれる人で、いつもここぞというときに背中を押してくれる人だって知っていたから、その発言が何だかもったいなくてもどかしくて。

「それは、絶対相手に伝えてください。その方か、相手も嬉しいと思います。少なくとも、私は嬉しいです。遅すぎるとか関係ない。気付いた時が、伝えるタイミングです。上司が気にしているということは、少なからず相手も気にしているところがあると思うから。言わずにいるよりは、言って相手の反応を受け取りましょう。」

つい、勢いに任せて、そう言ってしまった。

上司は目を丸くしたあと、笑いながら、「そうするわ。」と返してくれた。


これ、今の自分にもそのまま言ってあげたい。


コミュニケーションに正解はなくて、いつでも生モノだ。瞬時にぴったりくる言葉が出せるかは結局、普段から言葉へどれだけ真摯に向き合っているかに依るのだと思う。

だから、たとえ今日失敗したとしても、それをなかったことにしないで、もう一度きちんと伝えよう。そうやって毎回、格闘しよう。

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