互いの趣味

「共通の趣味がないとやっぱりだめなんですかね。」リハビリで通ってる先の療法士さんが、ぽつりと言った。
この子は、私より10も年下で、最近結婚したばかりのほやほやさんだ。
私が結婚三年目というのもあるし、ただでさえマスクをつけてることで、童顔に拍車がかかってるから話しやすいのだろうと思う。

時々、リハビリの合間にこういった話をしてくる。早く結婚をするとまわりに結婚してる友人などいないので、相談することが出来ないと言う。

「共通の趣味がない」私も悩んだ覚えがある。そう伝えると「本当ですか?!」とちょっと安堵した声を出していた。

私のパートナーは、MARVELのアメコミが好きだ。アイアンマンとか、スパイダーマンとか、アベンジャーズなどが代表作。
バッドマンやスーパーマンなどは、DCコミックといってまたちょっと違うらしい。

付き合いたての時は、好きな人のことは知りたいので、一緒に映画など行っていたが、聴覚過敏や多刺激で負荷ががかるとぐったりする私なので、アメコミ作品と相性が悪いことは比較的すぐわかった。

好きなものを否定している訳では無いけれど、やはり共有できないことにはガッカリしているのがわかった

結婚してからも「俺たち趣味は合わないよなぁ」とぽつりと言うようになった

どうしたものか。と思った時。私はなるべくアメコミの話を聞くようになった。キャラクターの特徴やバックボーン。話のあらすじなどだ。
そうすると、ちょっと面白いなと感じるようになった。映像は相も変わらずダメだけど「お話」なら受け入れられた。

なので私も、最近は自分が読む本の話をするようになった。
パートナーは、漫画は読むが、小説は全く読まない。
私は小説が好きだ。
この本はこんなとこが面白かった。この本は、なんだか胸がざわついた。など話す

互いに直接見れなくても 読めなくても、互いの趣味の否定をしないことの大切さが、この数年でよくわかった。

好きな物の話をしてるときはやはり楽しい。
知らないことだからと、切り捨てず ふむふむ。と互いに耳を傾ければ 共通の趣味がなくても大丈夫な気がする。

彼女にもそのように、かいつまんで話したら
なるほど!と「目からウロコです!」と言っていた

新婚さん がんばって!