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【2】完璧主義ライターさんたちと、どう向き合う?- 「報酬が見合わない」という壁

【前回のはなし】
完璧主義なライターさんとの仕事について悩んでいます。公務員出身のライターさんは素晴らしい記事を書いてくれますが、その完璧さゆえに時間がかかりすぎて、報酬が見合わないんです。
結果として、完璧主義なライターさんは長続きしません。でも、高品質な記事を書いてくれる完璧主義なライターさんに続けてほしい気持ちと、低報酬でやりがい搾取になってしまう現実との間で葛藤しています。
そこで考えついたのが、完璧主義なライターさんに「編集者」として働いてもらうこと。でも、これも経験を積むための低報酬な仕事になってしまい、「やりがい搾取になるのでは」と葛藤しています。
完璧主義ライターさんとどう向き合えばいいのか、答えが見つからない状況です。

結論からいうと、「編集者」としてチームで働くことを提案しました。税金の記事に限定すれば、元公務員の方は編集者向きだからです。

元公務員のライターさんは、正しい日本語で正確な内容のライティングをしてくれるだけではなく、実は、コミュニケーションがとても丁寧です。文面が謙虚で、わからないことはきっちり質問してくださいます。

編集者は、「ハブ」としての役割を担っています。読者・クライアント・ライター・税理士さんたちの橋渡しも重要な仕事のひとつなので、丁寧でわかりやすいテキストコミュニケーションのスキルは不可欠なんです。

ただ、前も書いたとおり「やりがい搾取」が気がかりでした。税務会計の基礎知識がなく、編集・校閲経験もない場合、記事の編集には多くの時間がかかります。

結局、編集者として働いても、労力と報酬は見合わないんです。


ところで「やりがい搾取」とは、一体何を指すのでしょうか。

仕事は、価値と価値の交換だと思います。私がライターさんから提供してもらう「価値」は、記事を納品してもらうこと。

私が提供できる価値は、報酬、スキルアップの場、ポートフォリオに掲載できる実績、チームという居場所です。これらが、ライターさんにとって「やりがい」につながると思います。

ただ、やりがいは「個人差」が大きく、何がライターさんのやりがいになるかは、長く一緒に仕事をしないとわかりません。

たとえば、チームのメンバーには、法人の経営者がいます。スキルも抜群でテキストコミュニケーション能力も高く、人柄も素晴らしい方です。

おそらく、どこで働いても引く手あまたで、本業で十分な収入があるはずなので、このチームに報酬を求めているわけではありません。

報酬以外に私が提供できるのは、スキルアップの場、チームという居場所、本業の気分転換として良好な人間関係の中で働ける環境だと思います。

このケースは、「やりがい搾取」になるでしょうか?

わたしは、ならないと思います。やりがい搾取という概念は、「報酬」のみに目が向けられがちですが、「受け取る価値」が「提供する価値」に対してイコール以上であれば、やりがいを搾取されているとはいえないはずです。

そして、それを決めるのは私ではなく、ライターさんです。

だから、私にできるのは、提供できる価値・提供できない価値をはっきりさせ、ライターさんのメリット・デメリットも提示し、現状をありのままに理解してもらったうえで、納得して契約してもらうこと。それに尽きると思うんです。

結局、ライターさんは、チームで編集者として働くことを選択されました。今後どうなるかわかりませんが、チームにとってもライターさんにとっても「これでよかったんだ」と思える経験につながればいいなと思っています。


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