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日本人の医療に対する考え方について徒然なるままに以下略
イギリスで勤務している医者の友人と話していて海外との違いなど改めて感じたことなど、徒然なるままに記載しました。
スマホでぽちぽちメモしてるだけなので誤字脱字多いと思います。またただの雑談みたいなものなので大した内容ではありません。
色々ご了承ください。
口悪い表現もありますが本意ではありません。
イギリスと日本の医療制度ってアメリカと比べると比較的似ているところがあって。
日本は国民皆保険制度っていう、税金で医療は概ねまかなわれていて、個人の医療負担が2-3割で済むというご存じのやつです。
細かいところをいうと他にも高額療養費制度や生活保護、指定難病の医療費助成など色々ありますが複雑になるので一旦は置いておきます。
一方イギリスはNHS(National Health Service)と呼ばれる国営の国民保健サービスがあり、なんと驚きの医療費は0割負担です。
正確には薬代は別にかかりますが。細かいことはここでもとりあえずおいておきます。
当然と言えば当然ですが0割負担である代わりに日本と違って、わがままに患者が望んだ治療を行えるわけではなく、ガイドラインでギチガチに決まった中での診療ということにはなります。
こちらはこちらでNHS crisisなんて言われており、医療崩壊のカウントダウンが始まっていますが、なんとか絶えているようです。
当然どちらのシステムが正しい、なんてものではなく、国の制度や時代によって変動していくべきものではありますが、全世界的の共通認識としては
医療費は上がっていく
という根本的な前提があります。それは当然のことで、医療技術の進歩でさまざまな病気を高度かつ先進的な技術で診断、治療できるようになり、
難病といわれる病気についても新薬と言われるものの開発が進んできたことで、総合的には結果として高齢化も進んできて、医療にかかる金銭はとんでもない額になってきています。
という中、
残念ながら今の日本はとち狂っており、これに対して医療費をなんとか下げようという暴挙にでており、医療関係者の給料を下げることで医療費を減らす作戦に今年から出るようになりました。
物価が上がってる中で給料下げるって役人ってほんと面白いですよね。
細かいことはまたまた省きますが、今年度から生活習慣病などの予防医学に対して医療費を引き下げるという方針になってしまい、時代と逆行する形になりました。
正確には同意書を取れば、診療報酬の請求ができるわけですが、
この同意書にサインしてください、そうしたら診察料が上がります。という書類に快くサインする患者さんいますかね?
周りの医療者たちもいってますが、一度医療崩壊しないと国は気づかないよねということで働いている医師は半ば諦めで傍観しているわけですが、果たしてどうなるやら。
けどたぶん今のままだと内科と外科はかなりしんどいことになるかなと個人的には思ってます。
患者多くて給料減って意味不明な訴訟と戦うリスク抱えながら働く人はさすがに減ってきており、眼科、皮膚科、美容整形や、起業という道に流れる人が絶えないです。
単なる人材不足などであれば10年程度で復活できますが予防医療を放棄した政策については30年以上の借金になるかと思います。
日本だといまだに医師は高級取りという認識が残っており、世間的にも嫉妬の対象となるので、給料を減らすとなるとまぁ世間から反対もなく国も喜んで実行するわけですが、
イギリスはやはり金融の国ということもあり、銀行マンが高級取りのイメージが強く、医療関係者はどちらかというと国のために貢献している職業として扱われるそうです。
まぁ羨ましい。
と、ここで話は変わって
なんで日本は平均寿命が長くて、例えばイギリスなどはそうではないのか。
遺伝子?食生活?
当然一つの理由な訳はないですが、少し言われているのが医療に対する意識の違いです。
ここでのキーワードとして
health awareness 健康意識
health literacy ヘルスリテラシー
というのがあります。
健康意識は、健康に関する情報や問題についての知識や認識を持つこと、例えば、健康的な食事の重要性を知っている、定期的な運動の必要性を理解している、禁煙や適正飲酒の必要性を認識しているなどなどです。
これにより、健康診断を受けよう、人間ドック。受けよう、といった行動がうまれます。
一方、Health literacy(ヘルスリテラシー)は健康情報を入手、理解、評価し、適切な意思決定を行う能力で、例えば医療指示を理解する、薬のラベルを読む、健康に関するアドバイスを実行するなどです。
これによって単に人間ドックを受けるだけでなく、健康管理が効果的に行えることで予防や治療の成功率があがります。
簡単に言えば健康意識は健康に関する一般的な認識や知識の高さに関するもの、ヘルスリテラシーは具体的な健康情報の理解と活用能力に焦点を当てています。
一般的には、この健康意識が高ければ高いほど一般的には寿命が伸びるわけです。日本はその辺り気持ち悪いほど健康意識高い系国民で成り立ってるので自然と平均寿命が高い民族になっています。
逆に海外は何が体にいいのか悪いのか判断がついておらず、想像を超えたとんでもない生活をしている人が一定の確率を占めています。
ここで勘が言い方は気づいたかもですが、日本人は健康意識は強いがヘルスリテラシーが低いことで有名です。
健康になりたい!!酒タバコはダメ、運動をしなければ、といいつつ、実際には実行できず
よくわからない健康食品に手を出します。
医者の言うことは聞きたくないけど有名俳優さんが言ってたことはなんでも実行します。
そして体調崩して病院きます。
日本はとりあえず病院来たら高度な医療を受けることはできます。実感ない方多いかもですが日本の医療はとんでもなく高レベルです。これで文句言って海外のほうが、と言ってる人はぜひ海外の医療を経験してみたらいいと思います。
ようするに日本は残念ながら質の悪い高齢化です。薬漬けでなんとか寿命伸ばしてる。健康寿命が短いわけです。歩けない、自分で生活はできないけど寿命は長い。
ヘルスリテラシーの低さの原因の根本として、義務教育含め医療について全く学ぶ機会がないというところも大きいですし、インターネットやメディアに踊らされやすいというのもあります。
特に自己管理能力、責任能力が欠如しており、周りの人や医療関係者に頼りすぎている、という特徴が強いです。
例えばいま病院に通院されている方
自分が内服している薬の薬剤名、容量、なんのために飲んでいるか、気をつけなければいけない副作用を言うことはできますか?
おそらく日本人でこれを言える人はかなり少数です。そしてわからない方は口を揃えて、先生に教えてもらってないからわからない、といいます。
自分の体のことなのに他人に頼りすぎてます。
イギリスはその辺りは非常に優秀でみんな薬剤名だけでなくきちんと容量も把握しており、いつから量が増えた減ったなど患者さんが概ね説明できています。
GPというかかりつけのクリニック制度がきちんと導入されていることが大きい気がしますが他にも色々あるでしょう。
なんにせよ、日本のような困った時だけ開業医頼り、とりあえずおっきい病院に行きたがる国民性とは違うものがあります。
話は少し変わって
国民性といったときに話が出てくるのが臓器提供です。よく心臓移植をするためにアメリカに渡った子供のニュースが出てくると思います。
日本の医療が遅れてる、と考える人が残念ながら多いですが、当然そうではありません。
臓器提供数が少なすぎることが問題です。
例えば、
世界の臓器提供数(100万人当たりのドナー数)というのがありますが、
アメリカ 40-50程度
イギリス 20
フランス 25
ドイツ10
韓国 8
の中で
日本はダントツの0.88です。
そもそも移植にOKする人がいないので移植ができない。果たして、免許証の裏の臓器提供に意思表示してる人はどのくらいいるでしょうか。
これは国に強制力がないのも一つ原因があります。例えばイギリスは免許証を取る際に原則臓器提供の同意したことになります。逆に反対する人が署名をして提供しない表明をすると言うオプトアウト形式です。
日本でそんなことしたら意思の自由がなんとかいう人がでそうですよね。でもこのくらい強制的にしないと無理なものは無理。
そして次の問題点としては個人としての責任能力が欠如しています。
今の日本の医療の問題点としてよく言われていますが、本人が延命を望んでいなかったにも関わらず、家族の希望で延命治療を受けることになった、なんて話を聞いたことあるかと思います。
イギリスは全くそんなことはなく、本人の意思が全てです。家族がなんと言おうと、本人の意思を尊重します、と行動します。
臓器提供に同意していた人であれば適切な形で提供がなされますし、他人の命の役に立つということで、ポジティブに話が進みます。
病理解剖にしても同じです。日本は死因解明のための病理解剖を拒否する家族が非常に多いです。
可哀想、という感情が湧くのはよくわかります。
が、あくまで本人の意思決定の範囲で物事は進むべきことであって、本来家族や他人がそこに介入すべきではない、というのが海外の大まかな考え方になります。
単一民族でぬくぬく生活している日本が急に大人になれと言われても難しいところはありますが、少しずつ変わっていかないと、なところです。
何が言いたいか、と言われても何が言いたいわけではないです。
もしここまで読んでくれた方がいるようであれば
残念ながら今の日本の医療システムは改悪な方向に進んでいます。なるべく病院に頼らなくても済むように、
いわゆるヘルスリテラシーを高められるように
自分の体は自分で管理する、を意識してぜひ行動してみてください。
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