八方美人マシーン
”話していると自己肯定感が上がった気持ちになる”、と言われたことがある。
最初は嬉しかった。悩み事に対して、本当に素直な気持ちばかりを返していたからだ。自分なぞと話してポジティブな気持ちに向き直ってくれたなら、凄く嬉しいことだ。
一方で、自分のことは八方美人であると感じた。それも深刻だ。
何かを話していても、相手が今欲しい言葉を考えてしまう。
それの何がいけないのか?
対等に会話をできていないことがいけない。
それってつまり、相手と自分の中に上下関係が出来ている。自分は、おべっかかくコミュニケーションばかりをするということだ。
確かに。(上手く話を飲み込めていないが)
分かる。(何も共感できていないのに)
あーなるほどね。(何も理解出来ていないのに)
ここ数年自己分析を行い、自分の口癖というべきか、会話の中での癖を自覚した。
私は、共感し同調ばかりするのだ。
字面だけじゃわかりにくいが、SNSでのやり取りやチャットもそうだ。履歴を見ると返事の語彙が似通っているし相手軸でばかり話している。それはもはや対話、ではない。
勿論、別方向からも自分を見た。私は感受性と共感能力高い。そのお陰で人1番めんどくさい性格をしているなと俯瞰して見ているが、相手の気持ちがわかってしまえばそれは共感になる。
そもそも、毎回本気で討論する必要も無い。
だがしかし、私は私の気持ちが分からなくなる。
相手の気持ちとリンクしすぎるためなのか、自分が焦って最善の言葉を繕うために気持ちを想像しているせいなのかは分からない。
しかし、自分が今どう感じているのか、何を考えているのか時折分からなくなる。そうして、つまらない程にひらべったくて、当たり障りのないことを言ってしまう。
オマケに、本心で言えた時もおべっかをかいてる時と似たような動きをしてしまうから、自分が混乱する時もある。
本気で人と話したくて会っても、相手の考えに呑まれてしまっては本末転倒だ。
でも、どうしたらいいかわからない。
まるでプログラムでも組み込まれている八方美人マシーンだ。