僕と君は、映し鏡 83
そして演技審査では、
連日各メンバーが
その日演じたい役柄に立候補していく。
今回の第二幕では本公演用にアレンジされた
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』が用意され、
そこでジョバンニ、カムパネルラ、サソリの3役に立候補。
当然メンバー間で打ち合わせなしで各自立候補するため、
公演によっては立候補者が1人しかいない役、
同時に6人も立候補する役などがあった。
この演技審査では立候補した役のセリフを
その場で2回読み上げるのだが、
1回目は通常の形で、2回目は指定された
シチュエーションで演じることになる。
その2回目は「舞台全体を大きく使って演技」
「猛吹雪の中か炎天下」「天国か地獄」
「3歳か83歳」「優等生かヤンキー」「ヒーローかヒロイン」と、
公演を重ねるごとに変化。
メンバーは最初こそぎこちなさを見せていたが、
日々成長を続ける彼女たちのこと、
公演後半になると独自のアドリブも加えられるようになり、
真剣なオーディションの場に笑いが起こることもしばしばありました。
演技審査を終えると、
彼女たちはそれぞれ各役に対する思いを吐露していきます。
ここでは力強く役に対する思い入れを語るメンバー、
たどたどしくも自身の思いを正直に伝えようとするメンバー、
涙で声にならないところを必死に
言葉を絞りだそうとするメンバーとさまざま。
立候補者が発表されたときに
演技力の高いメンバーや第二幕への出演率が高いメンバーと
一緒になったときは泣き崩れるも、
いざ演技審査に入ると豹変したかのように堂々とした演技を見せ、
最後の挨拶では再び涙ながらに思いを口にするメンバーもおり、
いかに彼女たちが連日追い詰められた環境の中で
プリンシパルと向き合っていたかが伺えた。
○○:(これがアイドル、乃木坂46か
これを1期、2期の先輩たちがやって来たのか)
そんな状況だけに、
3期生は満身創痍ながらも公演と格闘をしている。
が、どんなときにもトラブルはあり
スタッフ:○○さん!!
○○:どうしました?
スタッフ:実は・・・・・・・
ここにきて体調を崩すメンバーもおり、
中村は5日夜公演を欠席。
麗:○○さん、ごめんなさい😢
○○:いいえ、中村さんのせいではありませんよ。
とりあえず今日はゆっくり休んでください。
麗:はい
さらに梅澤美波がインフルエンザに感染したことで、
11日以降の4公演をすべて欠席する事態に。
○○:、と、ゆうことなので、梅澤さんは明日以降
公演をお休みになりました。
残りのメンバーに伝える○○
静まりかえる室内
それでも残されたメンバーは
常に「12人で一丸となって挑む」という心積もりで舞台に立ち、
ときには「12人で最後まで駆け抜けます」
と、力強く宣言するのだった。
続く