【滋賀レイクス】2024-25シーズン 第6節 群馬クレインサンダーズ戦【展望】
第5節の横浜ビー・コルセアーズ戦は結果的にはどちら2ポゼッション以内の接戦となったが、試合内容としては真逆の展開。
GAME1では1Qに13点差をつけると、前半終了間際の#16野本のブザービーターもあり、良い流れが来たかに見えたが魔の3Qで2点差まで迫られると、最終4Qで突き放されての敗戦に。
GAME2は1Qで0-12のランを喰らう厳しい立ち上がりに。2-3Qと建て直しに成功するも、最初のビハインドが響き、最後はキーファー・ラベナの値千金の3Pで力尽きる展開となった。
とはいえ外国籍選手1名欠くなかで、接戦を演じたこと、特にGAME2の#6岡田や#7游の2桁得点の活躍は、今後のシーズンに向けて光明となるだろう。
第6節は引き続きアウェーの群馬戦。今季は川崎からエースガードの#0藤井、三遠から代表候補にもなったシューターの#29細川、ドイツ代表の#32ヨハネス・ティーマンなどを補強。HCも日本一となった広島からカイル・ミリングを招聘した。
例年、移籍戦線の中心となる群馬だが、今年は特に力の入った補強であり、悲願のCS出場、日本一に向けて役者は揃っているといえるだろう。
ここまでは5勝4敗とまずまずの戦績となっているが、従来とはゲームスタイルの変化が起きていることは見逃せない。
昨年までの水野HC体制では、攻撃的でPACEの速いバスケットを志向している印象が強かったが、ミリング体制では、PACEが下がり、ディフェンスに重きを置いているほか、3P試投数比率も大きく伸びている。
個人のディフェンスレーティング(DRTG/100ポゼッションあたりの失点数)でも、#1コー・フリッピン(108.11→96.61)、#3マイケル・パーカー(110.70→92.22)、#4トレイ・ジョーンズ(109.86→99.71)と100を下回る選手が3名。
いずれも昨シーズンは数字上ディフェンス面で貢献したとは言い難いだけに、ミリングHCのもとで、高いディフェンス意識が共有されていることが伺える。
対する滋賀はディフェンスレーティングはリーグ最下位の120.7。
岡田(110.3)、游(114.37)、カーター(117.92)とチームのなかでは相対的に上位であるが、リーグ内では下位。
あくまで殴り勝つが身上のチームではあるものの、群馬の選手は本来高い得点能力を誇る選手ばかり。特に優秀なシューターである#9辻(平均3P試投数:5.1本 成功率:47.8%)、#27細川(5.8本/44.2%)は試投数、成功率ともリーグトップクラスで、3P王を獲得してもおかしくないスタッツ。
滋賀の負けパターンとしてオフェンスのリズムが崩れると途端に失点も嵩む傾向があるので、2人を中心にワイドオープンでの簡単な3Pを打たせてしまっては、たちまち点差を離される展開になってしまう。
一方で、シューターに引き寄せられてしまうと、インサイドを攻めてくる外国籍選手たちの高いオフェンス能力を止めきれないことが想定される。今回の補強で、中外どちらかに的を絞らせない編成ができているのが群馬の強みの1つといえるだろう。
滋賀としては田原や常田を辻、細川にマンツーマンで対応させつつ、インサイドは江原や宮本を中心に凌ぎたい。
また、堅いディフェンスを誇る群馬相手に自分たちのバスケットを展開できるかも注目だ。特に横浜戦でも厳しいマークに合ってしまったモータムに依存しない組み立てがとにかく鍵になる。
ILリスト入りしたカミングスの代替について発表がない現在、横浜戦のような日本人選手のステップアップは不可欠。言うは易しだが、今節も苦しい試合になるだろう。選手たちにはとにかく怪我無く、乗り越えることで今後の長いシーズンに向けて1歩2歩でも成長してほしい。
予想スターティング5は以下。
群馬のビックラインナップに対抗したいので、本来であればSFにカミングス、Cに市岡が理想。補強があれば変更があるかもしれない。
PickUp Player:江原 信太郎
細川はガードとしては上背もあるので、滋賀のガード陣では付ききれない可能性も。また、マット・ボンズに見せたようなハードなディフェンスでトレイ・ジョーンズに対応することができれば、群馬のオフェンスをスローダウンさせられるだろう。
オフェンス面でも段々と開花の兆しを見せている。シューターとして花開けば、オフェンスの幅も大きく向上するだけに、攻守に渡っての活躍に期待したい。
【ご紹介】
個人レーティングの出所はimpactmetricsさま。昨シーズンに引き続き、個人では取得の難しいデータを無料かつ手軽に公開されています!
こちらを基に10月の滋賀の振り返り記事を作成予定です。
群馬についての詳細はbonafide-ballerさまの記事をぜひご覧ください。
毎試合のマッチレビューは本当に詳細に書かれており、試合を追体験しているような臨場感です!