機嫌よく生きる
パートナーが元気ではないことが、
こんなに苦しいことだとは知らなかった。
いや、もう学生時代から20年近く一緒にいるのだから、
知らなかったわけではないと思う。
2回転職して、たくさん悩んでいた姿も知っている。
ただ、わたし自身もずっと仕事があったし、
彼が転職しても、わたしが働いているから大丈夫。
そう思っていた。
けれど、専業主婦で、子どものことを優先している状態で、それを受け止めることは初めてかもしれない。
帰ってきても具合が悪いと目を合わせてくれなかったり、
会社に行く前に明らかにつらそうにしながら
笑顔を見せず出勤する姿。
深夜まで働いて、朝また6時に起きて出社する姿。
週末も仕事でまとまって休む時間がない。
そもそも今まで、無茶して働いてきたと思う。
彼は仕事が好きで、周りからも評価されてきた人だ。
困っている人を放っておけず、助ける人だ。
自分に余裕がなくても。
けれど、身体や心を壊したら、もうどうしようもない。
わたし自身が仕事のつらさと不妊治療が重なって、
10数年勤めた仕事を辞めたとき、
わたしはめちゃくちゃ病んでいて
何度も泣いたし、
パートナーであるわたしが仕事を辞めることで不安もあっただろうけれど、
彼はちゃんと受け止めてくれた。
こんどはわたしが力になる番だ。
いまは子どものことが優先だし、
すべてにおいて彼の意思を尊重できるわけでは
ないかもしれないけれど。
すくなくともわたし自身、自分の機嫌は自分でとりながらやっていくしかない。
やっていきたいと思う。
ひとりのときは主婦だし外食は遠慮していたけれど、とりあえずラーメン屋さんであたたかい塩ラーメンを食べ、ソフトクリームを食べた。
うん。元気出た気がする。
そんな状態で、ふと少年アヤさんの文章が読みたくなり、USOをひらいた。
少年アヤさんの、圧倒的な生の肯定に励まされる。
そして、このなかの、自由港書店の店主、旦悠輔さんの文章を改めて読んで、旦那のことを思った。
圧倒的な仕事中心のハードな生活から、自分の輪郭をとりもどす過程を垣間見た気がした。
そして、自分自身のことを思った。
わたしもいつか、本屋さんになりたい。