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成人式の髪飾りが出来るまで(事例紹介)

こんにちは
つまみ細工作家の蒼菊です。

2022年1月もはや中旬に。
遅くなりましたが今年もよろしくお願いいたします。


今年の成人式もコロナ禍でなかなか以前のようにはいかないかと存じますが、無事に終わってほっとしている親御さんも多いのではないでしょうか。
また、来年に成人式を控えている親御さんは色々と計画や準備に忙しくなってくることかと思います。

今年も成人式用のオーダー予約はいくつか賜っており、ちょうど調整に入っているところです。
この記事では、昨年お作りしたケースの1つをご紹介いたしますのでご関心ある方はご覧いただければと思います。

※これまで成人式のオーダーはたくさんありましたが、近年は以下の流れにて定着しつつあります。(オーダーによっては違う場合もありますのでご了承ください)

成人式用髪飾りオーダー A様のケース

1 )ご要件の確認

振袖の画像を拝見させていただき、ご要件をお聞きいたします。

A様の場合、以下のようなご要望でした。
「過去作の八重桜をいれて欲しい。」

拝見させていただいたお振袖の絵柄にはふんだんに流れるような桜が描かれており、上前には碧の蝶が舞っている美しいお着物でした。

お着物とご希望の八重桜をもとにメインの色味はお振袖の桜を合わせ、アクセントに蝶々を加えたデザイン画をおこし、お客様とイメージをすり合わせていきます。

デザイン画


2)制作開始

ご要件が確定し、ご発注(入金)いただきましたら制作に入っていきます。

■生地を染める
イメージした色がでるよう絹の羽二重を染めていきます。
濡れている段階と乾いたものでは色のトーンが違うので悩ましいですが、私の方で扱う羽二重は非常に薄く、摘むとまた色の濃さが変わるので、それらをふまえた上で染めていきます。

手染めで染めていきます

■試作
作品の大きさや分量に合わせて無駄なく生地を使用する為、まずは同じ厚さの余り生地などでまず試作します。試作の中で、生地の裁断する大きさや枚数などを決めていきます。
ここの試作がかなり重要です。

桜の試作

■生地の裁断
染め上がった生地は糊かけし、試作をもとに生地を裁断していきます。

■おちりん作成&摘み
材料が揃ったら、試作のポイントを踏まえ、土台となるおちりんを作り、カットした生地を摘んでいきます。
場所によっては部分染めや暈しなどもここで制作しながら加えていきます。

蝶の作成中
下がり

■仮組み
パーツが揃ったら輪ゴムで仮組みして、組み上げ前のボリュームや構成などを固めていきます。ボリュームや色味、当初のイメージと合わないところはここでもう一度見直します。そして作り直したり染め直しして調整していきます。
完成形が見えてきたら、このタイミングでお客様に画像でご確認いただきます。

仮組みでバランスを見ます


■組み上げ
糸で仮組みのものを本組みしていきます。金具に合わせてそれぞれを組み上げていきます。

組み上がった後の全パーツ

■検収チェック
不備や問題はないか、パーツひとつひとつ確認していきます。

3)撮影

完成した物は記録や広報用に撮影します。



4)梱包・納品

作品のサイズに合った桐箱に梱包していき配送いたします。
作品にもよりますが、早くて1,2ヶ月、長くて3ヶ月はご要件確認から納品までお時間をいただいています。

納品後

お客様より前撮りや着用いただいたお写真をいただきました。
髪飾りに合わせて帯揚げなどカラーを合わせてご用意いただいたとのことでよりぴったりなコーディネートに!
あらためて、振袖と髪飾りでオーダーならではの良さを表現できたと感じております。
また成人式のときだけでなく、バレエのご衣装の時にもご着用いただけましたので作家としても嬉しいかがぎりです。

前撮りのお写真
バレエのご衣裳とともに


そして先日、無事成人式を迎えられたとのこと。
ご連絡いただき私も嬉しかったです。
この度は貴重なご縁をいただき本当にありがとうございました。

成人式当日のお写真

最後に


成人式に限らず、婚礼用や七五三などの髪飾りでも概ねこのような流れで制作しております。参考になればと思います。
オーダー予約されております皆様、大変お待ちいただいており心苦しい限りですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
またご予約はあと2年先ほどまで埋まっておりますので、予約再開をお待ちの皆様にもお詫び申し上げます。

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自身の作品創作の材料費として大切に使わせていただきます。心に残る作品を発表できたらと思います。