ボクのある日の出来事⑤
ボクのある日の出来事。
ここは飛騨高山。穏やかな山間の街だ。
とは言え中心部は昔ながらの街並みが残り、小京都と呼ばれ観光客は多い。
昨日は観光地の非日常に浮かれ、飛騨牛に舌鼓を打ってしまった。
もう無駄遣いは出来ない。
「真っ直ぐ帰ろう。おうちへ帰ろう。」
宿を出て、愛車ボサノバホワイトのイタリアンカーに乗り込み、エンジンに火をつける。
心地よい小鳥のさえずりが聞こえる。
火は着いていない。
もう一度。
やはり小鳥のさえずりが悲しく聞こえる。
電池切れのようだ。
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