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ふわふわの日

用事を終えて、さて、帰るか、と電車に乗っていました。電車に乗ってから、ふと、そうだ、ちょっとウインドウショッピングでも、久しぶりにしようかな、という気になって、寄り道をすることにしました。

特に何とも思いつかないまま日本橋で降りて、そういえば、帯揚げでも見ておくかなと思ったのですが、最近はあまりそういうものの数を置いているところもなく。あまり見るものもありませんでした。

お昼時でもあるし、甘味処でお雑煮を食べることにしました。行った甘味処のお雑煮は鶉卵に小ぶりのお餅が三つ。かまぼこにタケノコがひらりと一つずつ。小さい椎茸一つに柚子の吸い口、三つ葉といったもの。お餅がふわふわでお店のお餅だなあと思います。ふわふわの小さめとは言え、お餅を三つ、食べたばかりだけれども、粟餅も頼んでみることにしました。

粟餅は暖かくて、これもふわふわに蒸した粟に熱々のこしあんがかかっているもの。風に吹かれた後だったので、あつあつふわふわの食べ物がうれしくて、するすると食べてしまいました。
お餅っぽいものばかり食べてしまったな、という罪悪感も少し。

帰りがけ、デパートの呉服売り場で今の季節だからか立ち雛の柄の染帯が飾ってあるのを見ながら「節句のものは可愛いけれど使いにくいなあ」なんて思ったりしてぼんやりし見ていました。見るからに買わなそうな客には他に人がいなくても店員は寄ってきません。
お陰で「これ、いくらなのかな、へー。」なんて、値段をみたりして。少しだけウインドウショッピングができました。

他に何かと思ったけれど、特に見たいものも思いつかず、この日の寄り道は、まるでお餅を食べに行ったみたいになって帰りました。お餅がおいしかったから、いいのです。



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するすみ
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