あの時の空想と感情と
もう20年近く前に京都で開催されたサラムーン展の写真集。ページを開くと、あの頃の自分が、現実の世界からの逃避を求めていた事を思い出す。
展示された写真を一枚ずつ時間をかけて見たこと。
写真に閉じ込められた異国の少女の瞳に、嫉妬に似た感情を持った事。
向こう側の物語の中へ私も行けたらと思ったこと。
もし、行けたなら。
そこから帰って来れなくてもいいと、頭をよぎった事。
その日、買ったばかりの革靴を履いて行った事。
そしてこの写真集をかかえて電車とバスに揺られ、家に帰った事。
ここに帰るしかないのだと、着いて思った事。
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