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喘ぎ声の合唱


快感にむせび泣く女の声は、
天上から聴こえる天使の声、
羽衣をまとった天女の琴の音色、
朝に窓から聴こえる鳥のさえずり。

その声は、
時におどろおどろしく、
時にかわいく、
時にはしたなく、
時にみだらで、
時にかなしそうだけど、
どの音色も美しくて、
それを聞けば聞くほど愛おしくなり、
もっとその声を出させたくなってしまう。

どうしてそんなに声が出てしまうのか。
私に抱かれてとっても嬉しいからか、
私に貫かれてとっても感じているからか。

そんな疑問は、
あなたが私のものを口に含んだときに、
あっという間に解消する。

あなたはいつも美味しそうに、丹念に、
私のものを先から根元まで、そして袋の付け根まで、
はたまた禁断の門にいたるまで、
そのかわいい舌でまさぐってくれる。

あなたのその技量は、私の感じる場所を巧みに捉え、
その場所を捕らえたとたんに、
容赦なく、無慈悲に、
徹底的に責めてくるから、
私は身をよじらせ、あなたの髪を掴み、
腰を浮かし、あられもない声をあげてしまう。

暴発してしまうのを必死にこらえる時は、
獣のような唸り声をださなければ耐えられず、
乱暴にあなたの喉元を突き刺してしまうこともある。

私のものを咥えながら、
あなたは私の喘ぎ声を耳にして、
私があなたの喘ぎ声を聞くのと同じような気持ちになっているのだろう。

それは男と女の喘ぎ声の合唱。

男と女が交互に喘ぎ声を出し合いながら、
交わりの最後の最後を迎えたとき、
二人で最も大きく、激しい唸り声を上げるのが、
最高の幸せ。

私が張り裂けるほどの大きな声を出しながら、
あなたの中に夥しい精を注ぎ込む。

あなたは狂女のように叫びながら、
それをすべて受け止めてくれる。

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