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自分にないものだから

自分にないものだから、
あなたは私の股間に顔を寄せて、
珍しそうに、愛おしそうにしっかりと見つめ、
手で触れ、握り、頬を寄せ、
ついには舐めて、飲み込んでしまう。

自分にないものだから、
私はあなたの股間を大きく広げ
不思議なそのかたちと、入り組んだ襞を見つめ、
指で触れ、入れ、鼻をつけ、
ついには舐めて、舌先を入れてしまう。

自分にはないもので、
それは人によって顔のように大きさも形も違うから、
あなたも私もそこにはいつも夢中になってしまう。

そして自分にないものをお互いに重ね合わせ、
交わって行くに連れて、
自分にないものを、
自分のものにしていく悦びは一入。

そしてそうなれば、
お互いの自分にないものは、
二人一緒にいなくても、
体のどこかに残っていて、
ずっと自分のものにしてしまっている。

しかしその残像が、
また自分にないものを。
早く見たくて、
早く触れたくて、

早く逢いたくなる。

自分にないもの、
それを自分のものにしたくて。

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