キレイゴト
綺麗な人、顔、髪、体、
綺麗な景色、絵、写真、海、山
綺麗な服、宝石、部屋。
人は綺麗なものが大好きで、
特に女性の場合は自分が綺麗でありたいと常に願い、
綺麗であるがための努力が女を磨き、
男はそんな綺麗な女に惚れる。
しかし日本語は不思議で、
こんな綺麗な言葉も、
「綺麗事」となれば、
逆に悪い響きとなってしまう。
キレイゴトばかりでは世の中通用しない。
キレイゴトばかり言っている人は信用ならない。
せっかくのキレイな言葉がかわいそう。
だからせめてあなたと私の間のキレイゴトは、
綺麗な情事にしてしまおう。
二人が交わる時の情景は、
あられもなくはしたなく、
私のものを咥えしゃぶり尻と腰を振り、
足を広げて私を迎え入れ、
シーツは乱れ、濡れて汚れ、
あなたは髪の毛を振り乱し、化粧は崩れ、
ふしだらな遊女のように悩ましい声を出し、
やがて叫び狂い汗と潮を吹き飛ばす。
それは、はたから見れば決して綺麗なものではなく、
むしろおぞましいとすら見えるかもしれない。
でも私たちにとってはとっても神聖で尊いキレイなコト。
たとえキレイゴトに囲まれた世の中に生きていたとしても、
二人で裸になるときは、
とってもキレイなコトに夢中でありたい。
だからあなたは、
いつも私の前では綺麗な女でいてくれる。