minamisenju/downt
音楽を辞めようと何度も思って、結局私は5年間それを繰り返しているらしい。
ライブは自己紹介みたいなものだなと思った。
だから競うべきではないのに、無駄なプライドが人と自分とを比べて劣等感を抱かせる。
ライブはどこからがライブだろう?
必要以上に期待値を下げるでも上げるでもなく、バンドの等身大で殴りたい。
難しくて弾けないギターに苛立ち、弱音を吐きながら練習し、当日の服装に頭を悩ませた私がステージで照明に照らされていていたい。
強くなりたい。
最低限の音程と、少し低めの声と、水色のきらきらのギターではきっと私の好きな人は振り向いてくれない。
それでもいいかなと思う。
辞めようと思う度に、私の記憶の中の人は私に弾かせる。
些細な一言に私はずっと囚われてきた。
私は貴方と繋がっていたくて5年間音楽を続けたわけだけど。
だけど私が込める思いを、私が抱く感情を伝えたくなった。貴方と繋がるためじゃなくて自己紹介をするために弾いて歌を歌いたい。
長かったな〜、5年間。
私が思いきり音楽に振り回されていいのはあと2年。
頑張ってみたい。
誰かに私の思いの丈をぶつけて、私のたどり着いた音楽を知って欲しい。
誰かと比べるより先に心に届けたい。
誰かと比べられるより先に心に届けたい。
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