【TXT】I'll see you there tomorrow 歌詞の和訳と詩の解釈
グルーヴィーなナンバーに心を鷲掴みにされてしまった「내일에서 기다릴게 I’ll See You There Tomorrow 」(明日で待ってる)。ショーケースはじめ音楽番組のステージでもかなり盛り上がってましたね。トゥバたち、以前に歯をくいしばってアルバムを準備したと話してくれていましたが、ヨンジュン、ヒュニンカイ、テヒョンの3人が制作者に名を連ねていることも、いろんな思いが胸にこみあげてきます。
彼らはどんな気持ちで曲を書いてくれていたのだろう─そんな思いを馳せながら歌詞の世界へダイブしてみました。 ※和訳にあたっては「Deja Vu」MVやコンセプトトレーラーで表現されていたストーリー、振り付けなどからも解釈をふくらませ、一部意訳をしている箇所があります。ご了承ください。
내일에서 기다릴게 (I’ll See You There Tomorrow)
Produce: Shift K3Y
Songwriting: Lewis Jankel, Uzoechi Emenike, YEONJUN, 김인형, Ellie Suh(153/Joombas), Maiz, 이이진, "hitman" bang, HUENINGKAI, TAEHYUN, 전지은, Danke, Stella Jang
MINOSODE:3 TOMORROW 収録(2024.4)
君はこの世でたったひとりの大事な人
僕らは 互いを飼いならしたよね
ずっと逃げ出したかった僕に
"明日また会おう"って、いつも言ってくれてた
眩さに目がくらみ
君の手から逃れたまま
長い間さまよって
やっと気づいたんだ
ずっと伝えてくれてた君の言葉
僕たち運命なんだって信じてる
遅れたっていい 僕はいつもここにいるよ
明日で待ってるから
涙の日々はおしまいにして
また明日、あの場所で会おう
悩みごとなんて溶け落ちるさ
また明日会えるなら
悲しみはもう要らない
また明日 落ち合おう
互いに手を差し出せば
また明日会えるから
悲しみよさようなら
また明日 君を待ってるよ
君の金色の髪を思わせる
輝く麦畑が愛しくなるように
君が奏でる足音や声が
聞こえてきたら 僕は幸せになるんだ
その平凡な約束は
ありふれた言葉だけど
耳にするたび ときめいて
まるで君がくれた
魔法の言葉みたい
僕たち運命なんだって信じてる
遅れたっていい 僕はいつもここにいるよ
明日で待ってるから
涙の日々はおしまいにして
また明日、あの場所で会おう
待っているから
もう涙をふいて
また明日会おう
悩みごとなんて溶け落ちるさ
また明日会えるなら
悲しみよさようなら
また明日 落ち合おう
思い出してみて 僕らの約束
きっと君を見つけ出すから
明日に出会う僕たちは
ともに はるか彼方へ
また明日会おう
一緒に 雲の向こうへ
また明日会おう
僕と 虹のかなたへ
また明日会えるなら
君とともに行く
また明日 落ち合おう
一緒に 夢が叶うところへ
また明日 あの場所で君を待ってる
'飼いならす'とは
星の王子さまから引用された言葉
「The Killa(I Belong to You)」の歌詞冒頭にも登場する、一瞬ドキっとするワード「飼いならす」とは。これは見出しどおり「星の王子さま」に書かれているもので、フランス語の原書にある ”apprivoiser” をそのまま訳した言葉です。王子さまに語りかけるキツネが「仲良くなる、絆を結ぶ」ことを”飼いならす”と表現し、そうすれば、僕らは互いになくてはならない存在になるのだと話しています。
ならば代わりに「仲良くなった」や「絆を結んだ」としたほうがわかりやすいのですが。おそらくこのフレーズ、THE DREAM CHAPTER: STAR の「Cat & Dog」にも掛けているのではないかと。曲中では「떨어지기 싫어 너와 can I be a pet(離れたくないよ、君と。ペットになってもいい?)」と、こんな歌詞もありましたよね。ゆえに’飼いならす’をそのまま生かしました。
さて。星の王子さまと言えばもう一箇所、引用されている歌詞があります。
絆を結んだら、君に似たものや君の気配を感じた時、それだけで僕は幸せになる。子どもの頃は、そんなところまでは読みこめず(ウワバミの絵にばかり気をとられ、そのページを見ては、あれこれ空想してました)、大人になってこうして読み返してみると、サン・テグジュペリ(星の王子さまの作者)って、とても繊細でロマンティックな感性の方だったんですね。
歌詞の「~君の髪の毛のせいで」の言葉は、”飼いならす”と同様にちょっぴり刺激的に感じます。恋の病いで僕を夢中にさせて欲しいと歌う「The Killa」にもつながるセリフのような。
が、この曲が少年たちの再会の約束でもあることも踏まえつつ、ここでは少し柔らかくほぐして「君の金色の髪を思わせる/輝く麦畑が愛しくなるように/君が奏でる足音や声が/聞こえてきたら 僕は幸せになるんだ」と言い換えてみました。
繰り返すキーフレーズからたどる過去
とらわれていた痛みと孤独
このフレーズ、曲中に何度も繰り返されることから、少年たちが過去、互いにケンカしたり、失恋したり、失業で困窮したりと、誰もが経験する痛みを何度も抱えていたことを示唆しているように思えます。
また前半では「眩さに目がくらみ」とも話していたことから(以前のMVや楽曲で表現されていた)札束のバッグや幻想など…目先の誘惑にとらわれ、いつしか孤独から抜け出せなくなっていたことも暗示しているよう。
けれど、星の王子さまが放浪の旅の終わりにようやく、ケンカ別れして自分の星に残してきたバラの花の大切さに気づいたように、少年たちも忘れていた過去の約束を思い出したのですね。
「長い間さまよって」のフレーズは「Dreamer」の「長い長い放浪の果てに」にも重なっていきます。Dreamer では、少年はようやく名前を取り戻したと話しています。
それは悲しみをぬぐい、明日(未来)への希望をつなぎ、心に温かい光をともしてくれる大切なもの、大切なひとだったのですね。
そこから、振り付けのムーブや過去の楽曲「Thursday’s Child Has Far To Go」の歌詞なども参考にしつつ、「There'll be no more sorrow/I'll see you there tomorrow」のイメージを広げて、繰り返すフレーズが単調にならないよう、大きく意味が外れない程度に意訳を試みました。
なお、I'll see you there tomorrow には”また明日”とは言及されていないのですが、歌詞の前半に「"明日また会おう"って、いつも言ってくれてた」とあることから、ここでの”明日”は、”また明日”としました。
運命のふたり
さて。このセクションでは「we are meant to be」の be の後に続く言葉(どうなることになっているのか)が省略されています。
が、ここはやっぱり、together ではないでしょうか。
We are meant to be together. 僕たちは一緒になる運命だ。
以前に「Sugar Rush Ride」で流れる口笛が、(一昨年の年末ステージでも披露された)BTSの「DNA」を連想させると書きました。残念ながら私の解釈したメッセージは違っていたのですが、「DNA」で歌われる”運命のふたり”というテーマが、この時すでに、仄めかされていたのかもしれませんね。この、一緒になる運命のふたりとは、少年と仲間たち、少年とモアとの関係を指しているのでしょう。
遅くなってもいい、僕はいつもここに
そして「遅れたっていい 僕はいつもここにいるよ」とは。
痛みや悲しみにとらわれて前に進めない時があってもいい。僕はいつもここで待っているからね。そう言ってくれているのではないでしょうか。
この言葉はどこか、過去に Weverse でモアへの投稿に返信していたテヒョンの名言も思い出されますね。胸にぐっときます。
そして、忘れてならないのが「물수제비(Skipping Stones)」です。
歌詞にあった「今日の君を明日の僕が抱きしめられるように」とは、ここに帰結していくのですね。
君が過去にとらわれたままで、前を向いて進むのが遅れてもいい。僕は明日もここで待ってるから、君がたどり着いたらふるえる手を握って抱きしめるよと。「Deja Vu」MVのラストシーンにもつながるようで、ジーンとして胸がいっぱいになります。
ありふれた約束は魔法の言葉に
ありふれた言葉ばかりなのに、その約束は君がくれた奇跡のようだと歌うこのセクションは、「Back for More」へ結びついてゆくよう。
Back for More は、”日常にも魔法のような奇跡の瞬間は存在し、自分にとっては「君」との再会がまさにそのような瞬間だろうというストーリーが盛り込まれて”いた曲でした(下記の記事より引用)。
そこから、「너로 인해/내게 온 기적 같아(あなたによって/僕に来た奇跡のようだ)」を「まるで君がくれた/魔法の言葉みたい」としてみました。
はるか彼方とは
さてさて。ここで登場する「저 너머로(はるか彼方へ)」とは、一体どこを指しているのでしょうか。
先ほどふれた「Dreamer」の歌詞には「ネバーランドの彼方に/愛した夢」とあります。また、記事の冒頭でもふれた「Cat & Dog」にはこんな歌詞が出ています。
さらに。トゥバたちが「カムバまでにたくさんネタバレをしたのでよく見てくださいね~」と話してくれていましたよね。
ここから、ヨンジュンとボムギュがKBS歌謡祭で披露したステージ「もう12時」の曲名、ある映画の宣材写真にも似ている気がした元旦のテヒョンの投稿画像などから推察を広げてみました。
それは、アキ・カウリスマキ監督の「労働者三部作」として知られる『真夜中の虹』(原題:Ariel)。失業した主人公が財産を奪われたり、投獄されたりしながらも、最後には愛する女性と船で旅立つというストーリーです。
この映画の最後に流れるのが、『オズの魔法使い』の主題歌でもある「Over The Rainbow」なんです。
いつも夢が咲き、本当の私がいる場所という歌詞(原曲とは微妙に歌詞が違っています)が、彼らの目指す”はるか彼方”を指しているのではないかと。
また、初恋の少女との約束を叶えるために飛行機で旅立つ映画『雲の向こう、約束の場所』(監督:新海誠)から、結末はさておきモチーフは引用されているのではないかと考え、そこから、「はるか彼方」とは、雲の向こうや、虹のかなたにある、夢がかなう場所のことではないかと解釈しました。
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昨日はショーチャンピオン1位や、ASEA 2024 四冠と、うれしいニュースが続きましたね。おめでとうございます‼️ どうかこの調子で1位が続きますように! イルモア悲願のドームツアーの抽選受付もはじまり、今年こそは現地に参加したいと、強く願う今日このごろです。
最後に、トゥバとモアちゃんたちの幸せ時間もうれしくなる「The Feelin' Live 」と、爽やかさいっぱいの彼らが何度でも観たくなる「Performance 37」、公開されたばかりのダンスプラクティスを添えて、記事を終わりにしたいと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございます。