ポケモン不思議のダンジョン 空の探検隊 スペシャルエピソード5「あんこくのみらいで」感想
ダイパリメイク発売して以降中学生時代以来ポケモンにのめり込んでいます。ダンジョンは時の探検隊以降やってなかったんですけど、空の探検隊のストーリー読んで巨大な感情になりました。特にスペシャルエピソード5「あんこくのみらいで」を読んで昂ってます。
物語の大筋は歴史が改変されたら未来に生きていた者たちは消えてしまうというものでした。元々未来に生きていた主人公やジュプトルは消えることが前提で覚悟をもって、ほしのていしを防ごうとしていました。対して、自分の存在自体が消えることを恐れていたヨノワールは最後の最後まで抵抗し続けています。
ヨノワールが、歴史が改編され未来が消されれば、自分達の生きている世界が否定されることと同義のように捉えられているのが非常に印象的です。暗黒の未来に意味はあるのか?ジュプトルは心を病んだポケモン達を憂えてほしのていしを防ごうとする覚悟を決めました。
ジュプトルが今という瞬間に生きること、成し遂げることに意味を見出していることに対して、ヨノワールは自分達の生きる世界の存在自体に意味を見出そうとしていました。
スペシャルエピソード5はそんな未来に生きようとするポケモン達が力を合わせて、より良い未来を紡ごうとする物語です。それぞれ意見があって、立場があって、苦しい現状に打ち勝つための力が欲しくて、高い壁にぶち当たっても闘おうとする彼らの姿には心を打たれます。
主人公達は未来をより豊かなものにするために戦ったのだろうけれど、ジュプトル達は未来に生きる者ととして、現状の問題に立ち向かおうとしたのでしょう。
最期はやはり未来のポケモン達は歴史改変が起きたことによって消えると思いましたが、結局消えることはありませんでした。ディアルガ曰く、もっと上の存在の力だ(神話に出てきそうなポケモン?)といっていましたが、正直驚かされました。
歴史の改変は結果となりうる未来に影響するというのが物語の大筋で、特異点であるほしのていしの回避はその後の未来を大きく変えうるものです。しかし、未来世界のポケモン達が消えなかったこと、これはすなわち過去と未来のポケモン達が気持ちを通わせたことに由ると思います。
過去が良い方向にいったことで未来もより良い方向にいくだけではなく、より良い方向に向かおうとした未来にも意味がある。結果としての未来ではなく、未来と過去がそれぞれ意志を通わせて存在意義を求めた。どれだけ悪行を重ねても、最終的に良い方向に向かおうとした未来は主人公達の生きる過去とリンクしたとみなされ、生き長らえることを許されたように見えました。
未来世界に生きるジュプトル達はより良い未来をつくっていくのが使命であると最後に言いました。これが神が未来という時代を残した意味だと思います。暗黒の未来は選ばれた一つの可能性であったと同時にその先に見えるものを掴み取った素晴らしい者たちが生きた時代であったのですね。
時の探検隊ではスペシャルエピソード5はありませんでした。空の探検隊の存在は知っていたものの、幼少期の自分はあまりストーリー性にのめり込んでいなかったせいか、あまり興味をひかれませんでした。20代になった今読み返してめちゃくちゃ面白いと思えるダンジョンのストーリーには本当に感服しました。
色々な考え方や価値観を持つ、時にはいがみ合ったり、争ったりしても、最後はより良い時代を切り開こうと、生きている時代に意味をもたせようと行動することの素晴らしさに気が付かされました。誰が正しいとか、誰が間違ってるとかではなくて、同じ時代に生きる者としての責務としてのあり方は考えさせられるものがあります。