「世の中が冷たい」と思うのはすべて自分の見え方次第。
ずっと「冷たい世の中だな‥」そんなことを感じて生きてきました。
電車に乗れば、同じ電車に乗っている人たちが携帯の狭い画面を見つめている。
優先席に座っている若い男の子は目の前にいる老人に気づくこともなく、携帯の中の世界だけで生きている。
エレベーターはたくさんの肥満体型のおばさんやおじさんで溢れている。
本来、1番エレベーターを利用しなければならないのに、ベビーカーを押しているお母さんや、杖をついているおばあさんがエレベーターには乗れずに後ろに並んで取り残されている。
困っている人がいても、体調が悪い人がいても、みんな見て見ぬフリをして急ぎ足で通り過ぎていく。
東京という街は、何か温かさに欠ける、自分は自分、他人は他人とはっきり切り分けられているようなそんな街だなと感じていました。
自分が結婚して、妊娠して、今では妊娠7か月にもなりお腹も随分大きくなってきたのですが、電車やバスに乗ると多くの人がそんな私に気がついて「席、どうぞ座ってください。」と声をかけてくれる。
全員が全員、みんな心地よく席を譲ってくれるわけではない。
時には、妊婦マークを見て慌てて寝たふりをふるおばさんもいるし、絶対に席を譲らないぞという態度で優先席でお菓子をボリボリ食べはじめるような強気なサラリーマンもいる。
きっと数年前の自分だったら、そんな人たちにばかり目が行って「冷たい世の中だな‥。」そう感じてしまっていたかもしれない。
でも、私は結婚して自分が満たされる生活を送れるようになってから、人の悪いところよりも良いところ、良い出来事にしか目を向けなくなってきたように思う。
席を譲ってくれない人より、今までたくさん温かく席を譲ってくれた人々の方が鮮明に覚えている。
特に印象に残っているのが、バスに乗っていたとき、バスは満員ギュウギュウで人の流れに押されるように優先席前あたりに立っていました。
優先席に座っていた20代後半くらいの男子2人がずっと携帯でオンラインゲームを無我夢中にしていたのです。
わりと声が大きく、2人でゲームの内容を話しながら楽しく対戦をしていました。
すると、私の隣りに立っていた大学生くらいのお兄さんがその優先席でゲームしていた男の人2人に何やらコソコソと話をし始めたのです。
私のカバンに付いていた妊婦マークを何やらチラチラ見ながら、とても穏やかな態度で「妊婦さんがいるから、ここの席譲ってあげられたらと思うんだけれど‥」と優しく交渉してくれている声が聞こえてきました。
慌てて、悪いと思ったのか立ち上がる男子2人。
「ここどうぞ。」とすぐに私に席を譲ってくれました。
ちょうどその頃、悪阻がひどく、荷物もたくさん持っていたので、優しく席を譲るようにお願いしてくれた大学生のお兄さんに感謝の気持ちでいっぱいでした。
「世の中、捨てたもんじゃないな‥」と、涙がでそうになるほどうれしかったのを今でも覚えています。
どんな時でも、どんな時代でも、
冷たい人もいるかもしれないけれど、
心温かな人もたくさんいます。
自分が世の中の悪いことや冷たいことにばかり目を向けていたら、世の中は冷たく感じるけれど、不満ばかり思うけれど、自分が温かい出来事や良いことに目を向けられるようになれば、自然と「素敵な世の中だな。」「温かい世の中だな。」と感じることができるようになります。
不満ばかりの人。
常に文句だらけの人。
それは、自分の見方が常にネガティブモードになっている可能性があります。
どうせ同じ世界を生きていくなら、良かったことや温かいと思えることに目を向けてみてはどうですか?
私は今「こんなに温かな世の中はないな」と思って毎日幸せに溢れています。