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プログレ好きが初めてフジロックに行ってみた話 1日目 2024.07.26

普段ごく偏った音楽しか聴かないロック初心者が、30代後半にして初めてフジロックフェスティバルに行ってみた。
行こうと思ったきっかけは普段聴いているプログレバンドが出演するからだったが、いざ行ってみるとお目当て以外のアーティストも最高に素晴らしく、自分体験史上最高のフェスの思い出となった。そして、人生を変える・・・とまでは行かないものの、フジロックに行くことによって、明らかに180度自分の音楽観が変わってしまった。
どう書けば迷ううちになかなか筆がすすめられず時間が経ってしまったが、自分の心はまだ標高900mの苗場の大自然にとらわれている。
まだ頭が感動を覚えているうちに、書き記しておこうと思う。
ただ、楽器や音楽の歴史・普段自分が聴いていないジャンルの知識に乏しいため、全体的にライブの感想の精度と品質は低めです。また、アーティストにより文章量にだいぶ差がありますので、個人の日記帳感覚でお読みください。


自分が観た1日目ラインナップ(ちょっと見も含む)


苗場へ向かう


通勤ラッシュ回避&ツアーバス乗り場が分からないため、朝4時に起床。なんだかんだで前日荷造りがギリギリまで終わらなかったり気が昂っていて寝付けたのが多分0時半過ぎくらいだったので、とても眠い。新宿駅西口で降りて、東京都庁都民の広場とやらへ向かう。
都民の広場はグーグルマップで出てくるが、ツアーバスチケットには「高架上」としか書いてないので、詳細が分からず不安。しかし、階段を上って高架上へ行ってみると、フジロッカーっぽい人がすでに集まっていてバスが何台か停まっていたので、集合場所はすぐに分かった。この時のツアーバスのスタッフが超親切で、「まだ出発まで時間があるのでトイレ済ませておくといいですよ。ここからまっすぐ行って、あのホテルになります」と教えてくれた。新宿ワシントンホテルでトイレを済ませ、バス停に戻る。
フジロックはグループ参加の人が多いイメージだったが、ツアーバスで並んでいる人たちはソロ参戦の人も結構いる。Tシャツは単体アーティストのものよりも公式Tを着ている人が多い。個人的には、子連れで「コーチェラ」Tシャツを着ていた人が一番強いと思った。
集合時間になり、スタッフさんの案内に従ってバスの中へ。初めに何人参加なのかを聞いてくれるので、女性ソロ参加でも隣に女性が並ぶように調整してくれる気遣いが本当にありがたい。
出発の際にいきなり「関越自動車道で事故の影響により渋滞が発生しているため、東北道経由に変更します。到着は14時を予定しています」と衝撃のアナウンスが。ただまあ、朝発のバスは遅延するだろうなと予測していたのでこれは想定の範囲。さすがに19時半の曇ヶ原には間に合うだろう精神で、暑過ぎず寒すぎないちょうどいい空調の聞いた車内で少し仮眠をとることができた。
東北道経由だったので、佐野PAと赤城高原PAの二か所で20分ほどの休憩をくれた。特に赤城高原PAは自然豊かで、遠くに谷川岳を望むことができたので、とても良かった。
赤城高原PAを出発して30分ほどで、新潟の豊かな自然風景が見えてきてテンションが上がった。途中道路の地名標識を「えっ、猿ヶ原って地名あるの!?曇ヶ原みたいで面白い偶然!」と空目したが、正確には「猿ヶ京」という地名で「ヶ」しか合っていない。猿ヶ京あたりから湯沢スキー場へ向かう道は本当に山道でくねくねしているので、車で行く人はドライブしていて楽しいだろうな、というのが元険道・酷道ラリー家としての感想。ただ、バスだと結構ウッとなったので、車酔いしやすい人はバスは避けたほうがいいかもしれない。
そんなこんなで、遅れるとアナウンスがありつつも迂回が上手くいったからか、11時10分ごろに苗場に到着。バスが到着する地点がすでに標高850mなので、空気がとても涼しい。もともと方向音痴なので、最初はピラミッドガーデンのほうへ歩き出してしまった。ここでもステージがあり、バンジョーが混ざった編成の楽しそうな民族音楽風のアーティストが演奏されていて、1曲だけ聞いて楽しんだ。


そろそろ重い荷物を持って移動するのが辛かったので、ピラミッドガーデンエリア入口すぐにある荷物預かり所で、一つ荷物を800円で預ける。実はここは初心者が陥る罠ポイントその1だった・・・。結論から言うと、ここは帰りに湯沢駅までのシャトルバスを利用する人にはお勧めできない。理由は、シャトルバス乗り場までが遠いし、荷物回収が24時半を超えると延滞料金が発生するからだ。
とりあえず他のフジロッカーへ付いていったらなんとかなるやろと、「安易に他の客についていってはならない」という登山の心得を忘れて苗場プリンスホテルのほうへ歩き出してしまう。「ここから先は出演者のみしか通れません」とスタッフに止められていたフジロッカーは外国人だった・・・。
初心者丸出しでスタッフに迷ってしまったと伝えたら、ちゃんと道を教えてくれた。川を越えて道路沿いに歩き出すのが正解。フジロックのスタッフは本当に親切でありがたい。
そこから歩き出すこと徒歩20分で、ようやく入場ゲートへ到着。これはツアーバスの最大の利点で、すでにリストバンドが配布されているので、リストバンド交換待ち時間が発生せずにスムーズに入場ゲートをくぐれるのが嬉しい。


もしかしたらちょっと渋さ知らズオーケストラを観れるかも、と思ったが甘かった。事前に会場の広さは4kmというのは聞いていたが、会場間の距離間をなめ腐っていた・・・。
入場ゲートからグリーンステージまで7分、そこからホワイトステージまで12分。「やっとField of heavenへの矢印看板を見つけた!」と喜ぶもつかの間、ステージにたどり着くまで9分。いろいろと景色に見とれていたり写真を撮ったりしていたせいもあるが、なんとバスを降りてからField of Heavenまでは片道徒歩50分である。もはやトレッキングだ。
しかし、苗場の自然が、とにかく美しい。川の水もとてもきれいだし、特にホワイトステージ横からField of Heavenへ向かうボードウォークは自然とアートが調和した非常に美しい道なので、何度も通りたくなる。フジロックの魅力のうち、自然と音楽のレジャーランドな要素は大きいと思う。


そして、Field of Heavenに到着。渋さ知らズは当然終わっていて何もやっていなかったので、奥のOrange Cafeへ向かう。
ちょうどお昼時なので、どのフードも混んでいる。クラフトビールにひかれて、今回はWilliams Breweryを選択。自分の前に軽く20人は並んでいる。ちなみに、この時最も空いていたフードはうな重4500円ととんでもない値段である。ただ、これは他の人の意見によると、本当においしいらしいので、お金に余裕があれば食べてみたい。
アメリカンなベーコンチーズバーガーと、ハイビスカスのフレバーが付いた甘目のクラフトビールを注文してプログレに乾杯。

実はこのビールの写真を撮ろうとして3口くらいこぼしてしまったので、もったいないことをした。飲み物の写真を撮るときは、2~3口くらい飲んでから写真を撮るのが事故らないコツだ。
Orange Cafeのフードはどれも混んでいるし高めだけれど、飲食スペースに屋根があるので休憩変わりにもちょうどいいかも知れない。隣に座っていたカップルはお互いに全く喋らずにずっとスマホゲーをやっていた。フジロックで、そんな勿体無・・・贅沢な楽しみ方もあるのか。

そうこうしているうちに、なんだかとてもかっこいいロックバンドの音が聴こえてきた。特にギターの音がいい。気になってField of Heavenに行ってみると、家主というアーティストが演奏していた。

家主

恥ずかしながら知らなかったためこの日が初聴きだったが、ギターが上手い。なんだかこのバンドの演奏を聴いただけで、レベルの違いを感じた。ギターソロが絶品なのだが、動画を撮ろうとしてもプログレじゃないのですぐに終わってしまう。ギターソロのタイミングでカメラを掲げている人が何人かいたので、やはりこのバンドの特徴はギターなのだと思う。
フロントマンのMCでは、「トンボがずっと止まっているので、皆さん一緒に記念写真撮影してもいいですか」とステージアンプにとまったトンボと観客を写真に撮ろうとしていてかわいかった。もっと聴きたかったが、本日最初のお目当てである大貫妙子のステージの時間が迫っていたため、途中で切り上げてホワイトステージへ。

大貫妙子

大貫さんの歌声は衣装も含めてドリーミングな音世界で、ブルーノートやビルボードで聴くような雰囲気のアーティストだ。トンボが舞う大自然の屋外でカクテルを飲みながら聴けるという、極上の贅沢。椅子に座ってゆったり聴きたかったが、とにかく客入りが多かったため、立ち見に。ベテラン常連のイメージだったが、意外にもフジロック出演は初めてだったらしく、「25年活動してきましたが、やっと私がロックだってことが分かってくれて、嬉しいです」というようなことを大貫さんがおっしゃっていたのが印象的だった。今やシティポップの代表格となり大ヒットした名曲・「都会」が演奏されると、会場からは歓声が上がる。やたら若くて上手いキーボーディストが気になったが、網守将平さんという方で、坂本龍一が作曲した曲の編曲に携わっていたり、東京藝大の大学院卒という経歴からも、実質正当な後継者のようだ。
大貫さんのマイクにもたびたびトンボがとまっていて、大貫さんがとんぼを指で寄せたりマイク近くのテーブルにおろしてあげたりと可愛い。ここまでのベストアクトは実質苗場のトンボ。

大貫さんが終わったあと、グリーンステージへ戻る道も一方通行のボードウォーク的なルートがあった。途中で水芭蕉群生地の札を見かけて寄り道したが、まあ季節外れなので水芭蕉は咲いていない。しかし、ここは人通りが少なくて、木陰があって川のせせらぎが心地いいので、チェアリングして休憩するのにちょうどいい穴場スポットだ。

車道に出て、歩き・・・迷う。グリーンステージの裏側を通り、なんとかレッドマーキーステージ付近へ合流。
苗場食堂ステージの下見をするのを忘れていたのを思い出し、ここで確認。渋谷クアトロくらいの大きさと聞いていたが、ステージ自体は半分テントなので思ったよりもこじんまりとしていて、東高円寺U.F.Oくらいかも知れない。しかし、すぐ近くにフードスペースがたくさんあるし、レッドマーキーステージへ抜ける道の途中にあるので、多くの人の目につきやすい場所なのはとても好チャンスと思う。ここで今から数時間後に曇ヶ原が演奏すると思うと胸が熱い。

THE SPELLBOUND

レッドマーキーステージからやたら響いてくる音がかっこいいので中へ入ってみたら、THE SPELLBOUNDというアーティストが演奏していた。全然知らなかったのだが、これがとてもかっこよくて魅入ってしまった!ダンサンブルなエレクトロニカ系の音楽だが、各パート人力で演奏していて、ドラムが二人いる。このリズムセクションがかなりタイトで、エレクトロニカルな音に縦の線がビシッと輪郭が明瞭で、夢中になって踊れるのにロックな風も感じる。これはちょっと自分のライブラリにはない音楽性で、気になってしまった。

ここでちょっと続けてお酒を飲み過ぎたからか涼しさに油断して水分が足らなかったか、軽い熱中症気味で頭痛と吐き気に襲われる。フードでやたら牛すじビリヤニが目について気になったが、スパイシーなものを受け付ける自信がなかったので苗場食堂へ。とろろ飯と豚汁を頼む。体調が悪い時にこのような優しいメニューが食べられるのは本当に助かる。フードはどれも美味しいが、衛生管理上難しいのかもしれないがフェス飯重たいスパイシー系が多い問題はなんとかならんかな。

曇ヶ原

19時過ぎの苗場食堂ステージではすでに曇ヶ原がリハで音出ししていたが、すでにアグレッシブで壮絶なプログレの音が鳴っていて、聞きつけた人も何人か集まっていた。小さなことだが、専用のテックが付いてくれているのが嬉しい。全然どうでもいい話だが、すぐ近くのBlue Galaxyステージでは陽気なスカが演奏されていて、緊張感あふれる曇ヶ原のリハ演奏と陽気なスカが交互に聴こえてきて対比がめちゃくちゃ面白かった。苗場食堂ステージはお目当て以外あまり観ていなかったが、場所的にも本来はこういう感じのちょっと緩めの音楽が演奏されている場所なのかも知れない。

そして、定刻の19時半になると和太鼓のSEが流れ、苗場食堂ステージ横の貼り紙がめくられて曇ヶ原に変わる。ショウタさんが「4番、豊島区代表曇ヶ原!はじめます!」と恒例の口上を告げ、プログレッシブ・ハード・フォークのステージが始まる。

上記公式最速レポ内にもセトリはあるが、一部セトリ表記に誤記があったので改めて補足しておく。

Setlist:
1.うさぎの涙
2.くじらの歌はきこえない
3.雪虫
4.ペンタブラック
5.Impro session

最初に演奏されたのは、ネット記事でも動画が紹介されて話題になっていた、彼らの代表曲とも言える「うさぎの涙」。パワフルで手数が多いムJapanさんのシンバルワークが素晴らしい緊張感溢れるイントロから始まり、生まれ落ちた悲しみをショウタさんがシンプルにギター弾き語りで歌い上げるフォークパート、そしてa_kiraさんのキーボードとヴァイオラさんのギターソロバトルと緩急に富む11分の楽曲だ。
Voのショウタさんも気合十分といったところで、原曲よりも多めの箇所で飛び跳ねて銅鑼を叩いたりとフロントマンとしてロックなステージングを魅せる。

「うさぎの涙」の演奏が終わると、会場からも歓声と拍手が沸き起こった。
自分はこの時2列目とだいぶ前方で聴いてしまっていたため気づかなかったが、ステージの後方まで人が集まっていたようだ。いつも彼らのライブはもの凄い熱量なので、この場でもいつもと変わらない爆裂音量とものすごい熱量の演奏だった。お腹を満たそうとふらりと立ち寄った人が聴いた人はさぞびっくりしたことだろう。ショウタさんも「苗場ー!」と声をかけたりと普段では見られないフェスらしいテンションで会場を盛り上げる。

「くじらの歌はきこえない」のイントロが始まったとき、「やるんだな!?今!ここで!12分のプログレ曲を!」とテンションが上がったが、陽炎の歌詞パートまで歌い上げたあとすぐにインスト変拍子バトルパートへ移行とうまくアレンジし短いVer.に端折っていた。プログレでは短縮は絶対NGだが、プログレがメインではないこういったフェスの演奏では、こういったアプローチは有効かも知れない。拡声器をショウタさんが持ち込んでマイクにセットしたりとこれまでのライブでは見られなかった新しい仕掛けも用意されていた。ヴァイオラさんがヴィンテージなギターで奏でるソロは、まさに70年代からタイムスリップしてきたギターヒーローのようだ。
今回端折られた冒頭のPink Floyd的アプローチのa_kiraさんのキーボード音色へのこだわりと演奏も素晴らしいので、今後のライブにも足を運んでフル尺のくじらも是非聴いてほしい。

そして、3曲目には曇ヶ原で一番古い曲ですとショウタさんに紹介され、雪虫が演奏される。演奏力が高いメンバーが揃っているので技巧的で"プログレ"な面を強調して評価されがちだが、曇ヶ原は「プログレッシブ・ハード・フォーク」の「フォーク」の要素が非常に重要なので、ここでしっとりとしたフォーク楽曲の雪虫を持ってきたのは正解だった。a_kiraさんのピアノ音色とショウタさんのアコギ弾き語りから静かに大切に演奏され、ドラムとベースが加わるとヴァイオラさんのギターソロがエモーショナルに盛り上げる。
そこには、ショウタさんが一人で弾き語りから始めた14年前から現在に至るまでに積み上げられた、歴史の確かな重みを感じた。2月に某所で観たショウタさんの弾き語りの姿を思い出し、自分も胸が熱くなった。間違いなく、本日のライブでのハイライトとなった瞬間だ。
今後発売されるアルバムでも、こういったショウタさんの切なく儚いメロディセンスが光るフォークな楽曲は盛り込まれていてほしいものだ。

次は新しい曲をやって終わりとのことで、西平さんのスラップも混ぜた超絶なベースラインから始まる、ペンタブラックが演奏される。やはり西平さんの強力なベースラインがあって、より完成に近づいたように感じる。
そして、曲の途中で、なんと4月の単独フェス以来のインプロバトルセッションパートが!a_kiraさんはピアノ音色で戦場のメリークリスマスを演奏するというサプライズ。坂本龍一への哀悼は苗場だからこそハマっていたし客席からも大きめの歓声が上がった。大貫妙子がステージで坂本龍一とのエピソードを話していたりと、「今ここにいないあなた(Wish you were here)」という思いをジャンルを違えど共通するものを感じて胸が熱くなった。
そして、叩きまくりのムJapanさんのドラムソロに続くは、曇ヶ原最終兵器の、キーボードを取り外して担いでステージ前方へ出てきたa_kiraさんとギターヴァイオラさんとのソロバトル!この日の苗場で一番最高にロックしていた場面だったと思う。何度見ても毎回違う展開なので、胸アツだ。また、そのあとショウタさんが歌詞をつけ足してボーカルパートを披露し、このセッションパートに続きができていたのも新しい発見だった。リズムパートでありながら準フロントマンとして魅せるステージングで支えてきた西平さんがステージ前方でベースを弾き、そして再びムJapanさんが熱いドラムソロを披露し、曇ヶ原のアクトは割れんばかりの拍手と声援で終演を迎えた。

ここからが1日目観たいアクトかぶり祭りである。迷いに迷ったあげく、やはりどうしてもFloating Pointsが気になるため、まさかのほぼ知らないThe Killersを捨ててFloating Points→上原ひろみという無茶チャレンジに挑む。
プログレッシブ・ハード・フォークのTシャツを着て、リズムの海へ沈みにレッドマーキーステージへ向かう。

Floating Points

自分がフジロックで一生のうちに観たいアーティストは、RadioheadとUnderworldである。そして、Apple Musicのフジロック出演アーティストのプレイリストを聴いて、ちょっとUnderworldのような暗めでエクスペリメンタルな要素を感じ、気になっていたのだ。普段たばこ臭い地下の狭い箱でアングラな音楽のバンドのライブばかり観ているので、実はこういったクラブミュージックにもちょっと興味がある。音楽で踊るという体験が分からない自分も、最高の音響で聴いたら踊れるようになるんじゃないか、という実験だ。
そして、やはりその予感は大正解で、幸運にもPAのすぐ後ろという音響的にも照明的にも最高で、かつ人が混み過ぎていない場所を取ることができた。キラキラと輝く照明、踊る人々、曲の展開によって変化する音圧と、沸き起こる歓声。ああ、これがバイブス上がるってやつなのか。
にわかすぎてどれがどの楽曲とかは分からなかったが、最高に楽しくて、結局途中で抜けてThe Killersを観るつもりがラストまで魅入ってしまった。

そのあと、20分だけでももしかしたら上原ひろみが観れるかも知れないと知り、泣く泣くThe Killersを横目にField of Heavenへの道を急ぐ。急いでいたので写真を撮り忘れたが、Field of Heavenへのボードウォークは夜の姿もライトアップしてとても幻想的だったので、フジロックを訪れたならば一度は歩いてみてほしい。

上原ひろみ

セットリスト:
※参考:
1 Wanted
2 Sonicwonderland
3 Polaris
4 Up (Forward)
5 XYZ

encore
6 Balloon Pop
7 Yes Ramen

• Hiromi(p,key) 上原ひろみ(ピアノ、キーボード)
• Hadrien Feraud(b) アドリアン・フェロー(ベース)
• Gene Coye(ds) ジーン・コイ(ドラムス)
• Adam O'Farrill(tp) アダム・オファリル(トランペット)

足元に気を付けつつ急ぎ足で歩き、なんとか4番目のUpでドラムソロを披露するところに間に合った!映画Blue GiantでForwardという曲で同じメロディで使われているが、あの映画自体も私自身にとってとても思い入れがあるので、こうしてライブで聴くと胸が熱くなる。そして、続いて演奏されたXYZは自分が上原ひろみを知るきっかけになった超絶技巧変拍子のプログレな楽曲なので、ついに生で聴くことができて感激!屋外でジャズってどうなんだろうと思っていたけれど、立って激しく演奏する上原ひろみのロックな部分がすごくフジロックの舞台に合っていた。てっきり酒でも飲んで椅子に座って観てるのかと思いきゃ、お客さんも立って聴いている人が多くて、超絶プレイが披露されると歓声が沸き起こったり煽るようなしぐさをしたりと、とても楽しい。ジャズって、腕組みして聴くだけじゃなくて、本来はこうやって聴いたほうが最高なんじゃないかと思った。あと、ドラムが変則ビートの嵐で、テクニカルすぎる。
この数日後にブルーノートでも上原ひろみを観たが、やはりこの時のField of Heavenの雰囲気が最高すぎて、こんな風に自由なノリで聴けるジャズは最高だなと思ってしまった。1日目フジロックの、最高過ぎる締めだった。

宿に帰るまでがフジロック

時刻はすでに22時半を過ぎていたが、ホワイトステージからバイブス上がる感じの音が聴こえてきたので、PEGGY GOUをちょっと立ち見。自分はまだ踊り足りないらしい。

23時にもなると、さすがにこの時間にシャトルバルへ向かう道は長蛇の列。ツアーバスの乗り場と、越後湯沢駅へ行くシャトルバスの乗り場が違うので要注意。
初めてフジロックに参加したらしい人も同じようにバス乗り場に戸惑っていたので、シャトルバスを待つ間と乗り込むまでの間、ちょっと話をした。その人は洋楽ロックをメインで聴く方で、自分もプログレ系以外ほぼ知らないアーティストばかりなのであまり話はかみ合わない。でも、ちょっと話をしただけでもフジロッカーがあらゆる幅広い音楽ジャンルに対して理解が深いことはよく分かったし、次の日に観るべきアクトとしてThe Last Dinner Partyを教えてくれた。正確な時刻は分からないが、バスに乗り込めたのは結局24時半くらいだったかな・・・。シャトルバスがトンネルを通過するときのロードノイズが、EDM系ミュージックのリズムに聴こえてしまう病気。
ふんわりと、越後湯沢駅から迎えがあるくらいしか知らなかったが、有名どころの大きめのホテルだったので、駅に着くとホテル行きの路線バスが停まっていたので迷うことなくホテル行きのバスに乗れた。15分ほどでホテルに着き、1時半にようやく部屋に入れる。5月末に予約したので39000円も宿泊費がかかってしまったが、とても部屋が広いし、綺麗で静かだし、一人なのに運良く最上階だった。温泉付きのホテルだったけど疲れすぎて大浴場に行く気力がなかったので、そのまま部屋のシャワーで済ませる。・・・。シャンプーが、ついてなかったので、水だけのアウトドアスタイルである・・・。
テンション上がり過ぎて寝れなかったので、たぶん3時半くらいにようやく眠りにつけたと思う。

フジロック1日目個人的ベストアクト

3:The Floating Points
2:上原ひろみ
1:曇ヶ原

J-Rock→シティポップ→J-Rockダブ→プログレッシブ・ハード・フォーク→テクノ・エレクトロニカ→ジャズ・フュージョン→EDMとバラエティに富み過ぎるジャンルのライブを一気観した一日であった。1日目は、レッドマーキーの音響がエレクトロニカ系との相性が良すぎて気に入ってしまった。

リアタイ当日の自分の1日目感想

後日談

これを書いている間、フジロック関連では色々なニュースがあった。
まず、まさかのオアシス再結成・UKツアーの発表。そして、曇ヶ原では当時サポートメンバーだった西平さんが正式メンバーに加入。

ただ、先日、ドラムのムJapanさんの曇ヶ原脱退も発表された。

この日、フジロックで聴けたのと同じメンバーでの演奏は、9月14日の不思議ロックフェスが最後になってしまう。
すでに会場のチケットは満席売り切れ・当日券なしだが、配信もある。フジロックで観て気になった人、話題になっているのを知って最近気になっている人は、不思議ロックフェスの配信で第14期曇ヶ原のラストライブを見届けよう。

  • 2024.09.14 不思議ロックフェスティバル Vol.3
    秋葉原Club Goodman
    https://club.goodman2020.com/events/19999


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