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【コンプレックスよ永遠に】意を決してホクロを取りにいった話

何年前か覚えていないけど、まだ日本にいる頃一度ホクロの除去を行おうとした事がある。

行おうとした、が結果私のホクロはまだ残ったままである。

まず、私が除去したかったホクロはおでこの左側に鎮座している。

サイズは割と大きく、凹凸はなし。

生まれた時からのもので、親は私が赤ちゃんの時このホクロによって私を認識していたという。

これによって赤子の取り違えは起きず、映画「そして父になる」のような複雑展開にならなかったことには感謝である。

思春期ごろから(もしかしたらもっと前からかもしれない)私はこのホクロを気にし始める。

基本的に昔は前髪を作っていたので、通常時ホクロが見える事はなかった。

たとえ前髪を分けたとしても極端に左分けしなければ見えない位置にある為、ホクロがある事自体を未だに知らない人も多いかもしれない。

ただ、たまに見えた時「何これ?」とか「なんか付いてるよ」と言われた時はいちいち落ち込んだり、いやどう見てもホクロだろ、と苛立つ事もあった。

そして、高校生〜20歳ごろまで私はいわゆるギャルであり自分の見た目に対して人生で一番敏感だった。

理想の見た目に近づける為、今考えたら引くくらい化粧に明け暮れていた。

通信制の高校に通い、髪の毛を様々な色に染め、魔女のようなネイルを装備し、カラコンもサイズにこだわってつけていた。

その間も私はこのホクロと一緒に過ごした。

ホクロ以外にも見た目に対する不満を山ほど抱えながらなんとかこの時期を過ごし抜いた。

見た目的に少し落ち着いたおそらく21~22歳の頃、私はふと思い立ってホクロ除去ができるサロンを探した。

ただこれといって、その時に何かホクロのせいで極端に悩んでいた訳ではなかった。

ただ昔より金銭的に余裕ができたからだけかもしれなかった。

カウンセリングを予約し、サロンに足を運んだ。

こじんまりとしたサロンはマンションの中にあるような感じの場所だったと思う。

正直あまり覚えていないけど、レーザーで除去できるものだという把握をしていた。

値段もそこまで高くない。(と記憶している)

一応、レーザー除去処置をうけた後にはこうする、こうしない方がいいという情報も予めググっていた。

少し年配のサロンの女の人に、おでこのホクロを見せながら説明する。

返ってきたのは自分が思っていなかった言葉だった。

「これは取れないね〜」

は?取れない?

私の左おでこにあるそれは、ホクロと言う分類ではなくどちらかと言うとアザ?シミ?のような物で(よく覚えていなくて申し訳ない)とにかくレーザーでポロっと取れる物ではなく、もっと皮膚の奥深くから始まっている物だから、取れない。

という感じの説明をうけた。

そうか、ここで取れないのなら、まあいいか。

と、思ったよりすんなり「除去できない=これからもずっとある」という状況を受け入れた。

そこから(自分が記憶している限り)他の方法を調べたりしてまでこのホクロを除去したいという感情は沸かなかった。

結局、その後海外で生活をすることになりそれが現在も続いているのだが

時代的にも「ありのままが美しい」とか「コンプレックスを見方に」みたいな意識が広がってきている影響もあり、自分の見た目を必要以上に変えたいと思う事は少なくなっていった。

気にはしなくなったが、これからの人生でもしかしたらこのホクロによって物凄く悩まされることが起きないとは言い切れないし、今もまだおでこを完全に上げてオールバックで髪を結ぶことにはどこかで抵抗がある。

結局、このホクロは「チャームポイント」や「見方」になってはいないけど、私はこれと一緒に生きていけるというレベル。

海外にいるからというざっくりした理由だけでなく、近年感じているのは

・他人のホクロ(その他体の特徴)はそこまで気にならない

・ホクロ(その他体の特徴)の事を気にすることに費やす時間とお金は他のことに使える

(=個人的に他に興味のある事が増えた)

という事でこれは日本にいても同じである。

もちろんこれは個人的なホクロの話なので、人によって色々な特徴があり、状況があり、考え方があるのは承知している。

ちなみに「ホクロ」って愛知県の人は「トトロ」と同じ発音する。


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