セラムン二次創作小説『過度な期待にご用心(ネフまこ)』


ネフライトは今か今かと玄関の廊下を何往復もしながら待っていた。

と言うのも先程他の四天王から彼女がコスプレ姿で訪問してきてお菓子を強請って来たと聞かされていたから当然まこともコスプレ姿で現れると期待していた。

しかし、待てど暮らせど一向に来る気配がない。

おかしい、事故にでもあったか?いやまさかあんな全集中して周りを注意深く見ている彼女が事故にあったとは考えにくい。

そう思いながらも万が一を思い彼女の家に向かう事にした。


彼女とすれ違わないよう周りを注意深く見てまことらしき人を探しながら歩いていると危うく自分が事故りかけてしまったことは内緒だ。

そうこうしていると結局まことを見つけられないまま彼女の住むマンションへ到着してしまった。


家の前に着くと明かりがついてる。

家にいた…のか?ならまぁ良かった。


呼び鈴を押しドアをこれ以上無いくらいの力で叩きながら「まこと~いるのか?」と大声で叫ぶと「いるよ~鍵空いてるから入って来な!」と遠くの方から声が聞こえ、手馴れた感じに入って行くとまことは台所に立っていた。


「何してんだよ?」

「何ってお菓子作ってんだけど?」

「コスプレ姿で貰いに来てくれると思ってたのに何で作ってんだよ!ずっと待ってたのに…。お菓子くれなきゃ木星に代わってヤキ入れる!ってやってくれると思ったのに…(猫ではなくラムちゃんコスで)」


そう言いながらも自然とまことの作るお菓子をつまみ食っているから自分の手の早さに呆れてしまう。

なんだ、その…味見って奴だよ?

パンプキンクッキーか、さすが上手い!


「ごめんごめん。やっぱりこういうイベントはさ、作ってあげたいんだよな~。後で美奈達も来ると思うよ?ネフライトの分もあるから安心しろよ」


作る専門の彼女は自分がコスプレ姿で貰うと言う発想が無く、通常運転的にお菓子を作ることでこのイベントに参加する事になっているようだ。


俺もまことのコスプレ姿、どんなんでもいいから見たかったなぁ~。


こうしてネフライトは来年以降もハロウィンでまことのコスプレ姿は見られないことを悟るのであった。



おわり




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